概要
大怪獣バトル以降の世界観設定の根幹を司る一大事件。劇中では断片的に語られているのみだが、小学館から発売された『てれびくんデラックス 愛蔵版 ウルトラギャラクシー大怪獣バトル超全集』にて一端が明かされている。
ウルトラマンメビウスがエンペラ星人を倒し、地球を去ってから数百年後の未来。宇宙開拓時代を迎えたM78スペースにて、かつて宇宙を支配していた究極生命体レイブラッド星人が復活。
レイブラッドはブルトンを使って時空をゆがめ、別宇宙から大量の怪獣たちが宇宙規模で出現。宇宙は大混乱に陥った。
これに対し、発足間もない惑星開拓組織ZAPは武装化を図り、怪獣たちと徹底抗戦を開始。光の国の宇宙警備隊もこれに対処したのかは不明だが時を同じくして別宇宙からウルトラマンティガ、ウルトラマンダイナ、ウルトラマンガイア、ウルトラマンコスモスをはじめとしたウルトラ戦士たちが怪獣を追ってM78スペースに出現していった。
結果、怪獣たちはZAPとウルトラ戦士たちによって対処され、レイブラッドの野望は失敗した。
この事件の影響で、宇宙開拓時代に生きるM78スペースの人間やM78スペースのウルトラ戦士にもM78スペース以外のウルトラマンや怪獣の存在が初めて認知されたとされており、ウルトラ銀河伝説ではダイナの存在をM78星雲のウルトラ戦士達が知っていた他(ZAPのオキがアスカの正体がダイナと知って驚くシーンがある。)、ベリアル銀河帝国ではゼロがウルトラマンノアを、ウルトラギャラクシーファイトでは80がウルトラマンレジェンドの存在を知っており、共闘していない戦士たちにもその存在が語り継がれていることが分かる。(逆にこの記述内容から別次元のウルトラ戦士と共闘したバトルオブドリームNOAなどの雑誌展開やステージショーなどの内容は映像作品のM78スペースの世界観では起きていないことがわかる)
多分後の作品でウルトラマンタロウが別宇宙の存在であるはずのサンダーダランビアやダークザギの事を知っていたのはこの為だと思われるが、こちらはダークスパークウォーズの影響もあると考えられる。
それから50年後、スペースペンドラゴンを始めとするZAPの戦艦は宇宙輸送船として運用され、地球人類の宇宙開発も進んでいた。だが地球より遠く離れた開拓惑星ボリスにてレイブラッド星人の新たなる陰謀が動き始めた。そして一人の男の運命も動き出す……
(なお、この時点では地球上から怪獣が絶滅したとされるが、AC版『大怪獣バトル』のストーリーでは再び地球に怪獣が現れている)
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』時点では怪獣の研究がより進み、「怪獣学」が学問として成立。
怪獣学を専攻していたオキがゴルザの名前を知っているぐらいには並行世界の怪獣の詳細も知られるようになったようで、それらのデータを個人的にファイリングし、それを見る限りでは異星人であるザラブ星人の内部図解が存在しているレベルにまで進歩している模様(ザラブ星人も腰を抜かしていた)。
光の国にも多大な影響を及ぼし、以降の時代では並行世界を行き来する術を手に入れたウルトラマンゼロが橋渡し役となった事も手伝って、並行世界のウルトラマンとの交流が盛んとなった結果、ウルトラカプセルやウルトラメダルの開発など光の国の技術も向上していくようになった他、他宇宙の防衛の他、並行世界のウルトラマンとの連携も増えていくようになった。
余談
この事件によってあちこちの怪獣が次元を超えて宇宙に放出された結果、以降の作品で地球怪獣とされていた怪獣が他の惑星にも平気で出現したり、超獣のような怪獣兵器さえも普通の野良怪獣として出現するようになったと思われる。よりにもよってスペースビーストまで確認されている始末であり、そういう意味では宇宙規模で起きた生態系破壊とも言えるかもしれない。
設定のベースにブルトンを用いたからか、新世代ヒーローズでもブルトンが異なる世界観への橋渡しを担当する事がある(『ウルトラマンZ』と『ウルトラマントリガー』が該当)。
ただ、人類に与えられたのは悪い影響ばかりというわけでもないらしく、本来はネオフロンティアスペースの技術である『ネオマキシマ・オーバードライブ』がスペースペンドラゴンに搭載されており、(公式的に明言されたわけではないが)別世界の技術も流入した可能性も考えられる(おかげで長距離の星間航行が便利になっている。実際に別時空の人物が出身世界の技術を伝えた例が『ウルトラマントリガー』で確認できる)。
『大怪獣バトル』時点では『メビウス』から数百年後という設定になっていたが、メビウス辺りまでの公式見解ではM78星雲で26万年前に超新星爆発が起こり、プラズマスパーク開発のきっかけになったとされるが、『ウルトラ銀河伝説』や『トレギア物語』(出典:『てれびくんデラックス 愛蔵版 ウルトラマンタイガ超全集』(小学館)より)では27万年前に超新星爆発が起こった事になっており、現在の公式見解では数百年どころか数千年経っている事が示唆されている(4800歳のタイガが『ウルトラマンメビウス』以降に生まれていることが示唆されているため)。
その他、ゼロがセブン本編以降に産まれたとしてもメビウスから5000年以上経っている事になる....と言うかそうでもしないとアンヌ隊員との関係がただの不倫になってしまう。(但し此方はとある説がある事も考慮しないといけない)
『ウルトラマンや怪獣のいない世界』に現行ヒーローが召喚される『超時空の大決戦』や『大決戦!超ウルトラ8兄弟』を除き、並行して存在するウルトラシリーズの世界観が交錯するというアイデアは『ウルトラマンメビウス』の企画段階時点で存在しており、それによれば各世界にいる歴代ウルトラマンがメビウスの助っ人に馳せ参じ、その謎を紐解いていく展開が物語の鍵となる予定であった。
しかし、結果的には『Q』から『80』までのウルトラ兄弟の登場する世界観のみを統合するという方針にシフトした為に没となった。
(出典:『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』・「トピックインフォメーション SERIES 20 ウルトラマンメビウス SHEET01」(デアゴスティーニ)より)
ちなみにギャラクシークライシスより後の時間軸である『超決戦!ベリアル銀河帝国』以降は光の国のウルトラ戦士が別宇宙に出向く事が増えたが、この時点では光の国ウルトラ戦士の力を結集してようやくウルトラマンゼロ一人をアナザースペースへ送り込めるレベルであった。なので、海外ウルトラマンや『ウルトラマンネオス』、『ウルトラマンマックス』に登場する戦士がどの時点で違う次元の地球を守っていたかが解釈が分かれるようになった。
その他
なお、『ウルトラマンF』はM78スペースから派生した世界観を舞台としており、そちらではダークザギがウルトラマンとウルトラセブンの間の時期に出現したという扱い。そちらではワームホールから並行世界の侵略者が地球を虎視眈々と狙っており、これと同じようにギャラクシークライシスが起こらなくとも何かの拍子でM78スペースに並行世界からの侵略者が大挙して来た可能性も否定できない。
関連項目
クライシス・インパクト:クライシス繋がりのウルトラシリーズの大事件。この事件を引き起こしたのは皮肉にもレイブラッド星人の関係者でもあるM78星雲の反逆者であった。
ガタノゾーア:この恩恵を最も受けた怪獣。元々能力はダークザギに並ぶレベルだったがこれによりフットワークまで並ぶレベルになった。