DATA
概要
1200年前に「里汚土(りおど)」と呼ばれる物の怪として沼地に生息し、地上に現れては村や土地を荒らしていた伝説の怪獣。独特な風貌の頭部を持つ二足歩行怪獣で、ゾウのように長い鼻を持ち、左右の側頭部からは管状の器官が前方に伸びている。
鳴き声も、どことなくゾウのものに似ている。
また、額からは赤青白のカラフルな曲がった一本角が生え、頭頂部から後頭部にかけては黄色からオレンジにグラデーションがかった長いトゲが、まるで髪の毛やインディアンの髪飾りのように無数に生えている。
胴体各部はどことなくブラックキングのそれを思わせる形状をしており、背中には象牙のように長く曲がった4本の角が伸びている。
能力
性格は非常に獰猛で、普段はチョウの口吻のように丸めている長い鼻から息を吸い込むと嵐のような突風を引き起こし、周囲の土砂や草木などあらゆるものを吸い込んでしまう。
また、この手の怪獣としては相応の知性も有しているらしく、敵の攻撃を積極的にかわそうと試みたり、避け切れない攻撃にはカウンターを仕掛けたりと機転の効く姿も。
側頭部から伸びる管からは、名前の由来となったであろう空気に触れると発火する黒い泥「リオド燃焼泥」を吐き、まともに直撃すれば重機すらも炎上、爆破させる程の熱量を誇る。当時はこの泥の影響で土地が穢れ、田畑の農作物が全て枯れる大打撃を受け、飢饉が起こったとされている。
さらに頭の角を前方に回転させれば高圧電流光線「リオド角閃光」を発射することも可能であり、劇中で(2話目にして)アークアイソードを破った初の敵怪獣でもある。
パワーや耐久力も高く、激しい格闘でウルトラマンアークをフルボッコにしたり、アークアイビームや丸薬を飲み込んで弱体化してもなおアークを地中に引き込んで反撃しようとするタフさも持ち合わせており、アーク達を存分に苦しめた。
活躍
1200年前、暴れ回るリオドに困っていた当時の村人達はお供物を捧げて鎮めようとするも変わらず暴れ続け、最終的に“88種の薬草で作った丸薬”を飲ませて弱ったところを深い穴に突き落とされ、身体がひっくり返った状態で埋め立てられて封印されていた。
以降、その場所に木々を植えて鎮守の森とし人々が住むのを禁じ、リオドの存在も後世に昔話や古文書として残されていた(工事の担当責任者である大田原ヒトシの息子・大田原ハヤトは父から森の伝説を教わったが、父が下記の理由で昔話と割り切って工事を始めたために、SKIPに通報する運びとなった)。
そして1200年が経った現代、森は怪獣災害の被災者向けの巨大マンションの建築予定地となり、伐採や地盤工事などの開発が行われた際に独特な形状の左の足裏が露出(当初はその形状から古代遺跡、若しくは何らかの儀式用の祭壇と思われ、考古学チームが来るまで現場への立ち入りが禁じられた)。
やがて足裏が外気に触れ続けたためにそこから体温が急上昇し覚醒、現代に復活を果たす。
復活後は鼻から周囲のものを吸引し始め、その影響でハヤトが捕食されそうになるも、寸前で登場したウルトラマンアークに救出され、鼻を木で塞がれた怒りのまま対決。
アークアイソードの攻撃も耐え抜く頑強な皮膚と電撃光線を組み合わせた戦法でアークを苦戦させたが、ユーの持ち込んだ、かつて自身を弱らせたのと同じ丸薬(ユウマが資料調査のために訪れた古道具店で店主の杉山も知らぬ間に置かれていたもの)を吸い込んだ結果、大幅に弱体化(この時ユーも一緒に吸い込まれたが、アークに鼻先を木でくすぐられたリオドのくしゃみによってユーは吐き出され、その後ピーにキャッチされ無事だった)。赤い発光と共に目を回して悶絶しながら、アークエクサスラッシュで作られた落とし穴にまんまと落下。
それでも再封印されるのを拒むかのようにアークを自慢の吸引力で引き込みつつ地下深くに落下しながらも反撃する強靭さを見せ付けたが、最終的には至近距離でアークファイナライズを食らって爆死。爆発の反動で吹っ飛んだアークの軌道に沿って、辺りには円弧が描かれていた…。
この件を受けてハヤトの父・ヒトシは、怪獣災害を前提とした新たな工事のルールを決めることを宣言するのだった。
余談
- (公式媒体における)姿と名前はイベント等で配布されている塗り絵で先行公開され、別名の初出は2023年6月8日放送の『ジェネスタ』の次回予告後の提供アオリ文から。
- デザインは本作のメイン監督であり、前作『ウルトラマンブレーザー』でモグージョン、ザンギルを自身でデザインした辻本監督が担当。
- 着ぐるみは、『ウルトラマンX』から『レグロスファーストミッション』までに使われたブラックキングの改造。各部の形状の類似点から、ファンからは早期の時点で「ブラックキングの改造では?」という声が上がっていたが、後に辻本監督のポストにて正式にブラックキングの改造だったことが判明した。
- 第2話放送日に発売されたウルトラ怪獣シリーズのソフビも、両腕、下半身、尻尾のパーツにブラックキングの金型が流用されている(その証拠に、足の裏には『ウルトラマンギンガ』放送時のライブサイン用の凹みがそのまま残っている)。
- ハヤトの父・ヒトシ役の久保田武人氏は、かつて『ウルトラマンタイガ』でゼラン星人オショロを演じており、あちらでも辻本監督回に出演していた。
- 古道具店にあった、リオドに纏わる文献が記載された古文書の詳細については不明だが、第2話視聴後のファンからは「ニュージェネでお馴染みのアレでは?」との噂が立っている。
- リオドの弱体化に貢献した「丸薬」だが、この丸薬が入った瓶を開けた際のリンの反応から凄まじい臭気を放っており、X(旧Twitter)で展開している『石堂シュウの日記』によると、丸薬の臭気がSKIP内に暫く残っていたらしい…。
- YouTubeで配信された『ユウマのウルトラマンアークナビ』#2では、リオドから吐き出されたユーに付着していたリオドの鼻水をユウマが拭き取っており、その臭いは上記の丸薬の臭気にも平然としていたユウマですら悶絶する程だった…。