あらすじ
ある日、とある天文台で行われる臨時職員面接を受けるために一組の兄妹がやってきた。
20近くにも拘らず、職になかなか有り付けない兄である月島翔太は勿論面接を受けるため、妹のあかりは天文台の見学を兼ねて(保護者意識丸出しで)兄の面接に同伴者として…。
その帰り道、突如として宇宙から飛来した宇宙原生生命体グランボンに襲われた2人は逃げる途中、妹のあかりがグランボンに囚われ気絶してしまうという非常事態に‼
妹の絶体絶命の危機になす術も無く呆然とする兄、翔太‼
その時、奇跡が起きた‼グランボンを追って、宇宙より飛来した淡いピンク色の光は兄妹の命を助けるために(取りあえずその場にいた)翔太を包み込み、光は少女の声で彼に呼びかける。「あなたの体を貸して下さい」。ところがどっこい、声の主は翔太が男だと気付くと、すぐ近くにいたあかりと合体してグランボンを吹き飛ばしてしまう。
その後、目を覚ましたあかりは翔太にこう告げる。「お兄ちゃん! 私、ウルトラマンになっちゃった!」と…。
こうしてごく普通の中学2年生月島あかりはいきなりウルトラ戦士となり、次々と襲い掛かる怪獣や地球侵略を企む凶悪な宇宙人たちから地球を守るため、奮闘することに…?
今ここに、一風変わったドタバタラブコメ世界仕様の新たなるウルトラ伝説とウルトラ戦士(見習い)の活躍が始まる…?
概要
監修を務めたのは円谷プロダクション。
著者は「ウルトラマンメビウス」や『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』など、ウルトラマンシリーズの脚本を多く手掛ける小林雄次。
イラストは水瀬凜が担当。
世界観的にはウルトラマンや怪獣が地球に現れなくなって久しく、その記憶も人々の中から忘れ去られつつあるという設定の既存ウルトラシリーズとは異なる世界あるいは遠い未来のM78ワールドの世界観で構成されている(しかもラブコメ風…)。
作中ではゾフィー以下歴代の光の国出身のウルトラ戦士達や科学特捜隊を始めとする防衛チームの存在が語られている。
主要人物
この物語の主人公兼ヒロインの1人にして、ウルトラの星の光の国からやって来た地球人でいう所の中学生くらいの年頃の少女ウルトラ女戦士(見習い)。ちなみに年齢は5000歳。
歴代ウルトラ戦士たちと比べる………というより全く並び立つ所ではないほどに能力は極めて低いヘッポコピー(しかも度し難いかなりのドジっ子)。
しかし秘めた信念や思いは先輩であるウルトラ戦士たちの誰よりも強い人物で、特に家族との絆を大切に思うその気持ちは歴代ウルトラ戦士の誰よりも凌駕している(いろんな意味で)強い女の子。
ジャンヌと一体化した翔太の妹にしてこの物語のもう一人の主人公兼ヒロインの1人。
あのヒロインと同じく宇宙オタク。兄の就職活動に同伴するなど行き過ぎた(過保護過ぎる程の)兄妹愛の持ち主であるが、一線を越えるような事態にはならない所から、ある意味その部分に対しては本人も弁えている模様。
ちなみにあかりとジャンヌの意思は別箇に存在しており、会話も可能。また、ジャンヌとは同年代の無茶苦茶仲の良い友達という間柄でもある。
月島あかりの兄にしてこの作品の主人公の1人。年齢20間近の職無しのニート。物語は彼の視点で描かれており、物語の狂言回し的な役割も持つ。冴えない人物だが、実はこの物語で起きる事件の根幹部分を支える重要な人物だったりする。
ジャンヌが地球を訪れる前に地球へと派遣されていた正真正銘の地球警備担当のウルトラ女戦士。ゾフィーの妹分(自称)で、そう名乗るほどの実力の持ち主である。
光の国では訓練学校の教官を務めており、ジャンヌとは顔見知りで、ジャンヌは彼女の教え子にあたる。なお、その指導は結構スパルタ。
アムールの地球上での姿。ジャンヌが一心同体タイプなのに対し、彼女はセブン、レオ、80、メビウスのように地球人の姿を借りている。
なお、地球では人里離れた場所で開業医を営む傍らで、『BURK(バーク)』の隊員としても活動している。
ちなみに余談ではあるが、偶然にも『BURK』の制服姿がウルトラマンギンガSに登場するアンドロイド・ワンゼロことマナにそっくりだったりする。
翔太が小学5年生だったころに短期間だけ同じクラスだった転校生の少女。翔太の初恋の相手であり、当時、唯一心を開いていた人物でもある。
親の仕事の都合上、再び転校していったため、それ以上の間柄には発展しなかったが、
物語の終盤にて突如としてBURK隊員として月島兄妹に前に姿を現し、翔太と再会するが……。
『ウルトラマン妹』登場怪獣・宇宙人一覧
名前 | 名前の由来 |
---|---|
宇宙原生生命体グランボン | 「やまなし」に登場する謎の名詞『クラムボン』 |
擬態魔人カンパネラ星人 | 「銀河鉄道の夜」の登場人物『カンパネルラ』 |
暗黒機獣ゴーシュドン | 『セロ弾きのゴーシュ』 |
超科学星人ポラノ星人 | 『ポラーノの広場』 |
岩石怪鳥ジョバンドン | 「銀河鉄道の夜」の登場人物『ジョバンニ』 |
高次元生命体イーハトン星人 | 宮沢賢治の考えた理想郷『イーハトーブ』 |
上記に記した怪獣、宇宙人以外にも名称不明の怪獣、宇宙人が多数出現しているらしい(二次元怪獣ガヴァドンやらくがき怪獣ゴンゴロスのように公園の壁画が怪獣に実体化したものであったり、宇宙人がDVDレンタルショップの店員に化けていたり等)…のだが、何故か翔太の周囲にばかりに現れることが非常に多い。
また、登場怪獣は全て宮沢賢治関連のワードに由来する。
関連タグ
女子高生VS.ウルトラマン - 11年後に発表された、女子高生を主人公としたウルトラシリーズ作品。
以下物語の核心に迫るネタバレの為、閲覧注意‼
実は今まで出現した怪獣・宇宙人は月島翔太が幼いころに創作した想像の産物であり、たまたま地球の傍を通りかかったイーハトン星人が翔太の無自覚的な強い世間に対する憎しみと破壊衝動、そして彼の想像力を偉く気に入り、彼の幼き日の記憶から上記の怪獣・宇宙人たちのイメージを探り当てて実体化。
彼らを使役して翔太を完全に自身のものとするべく、彼を進化させて怪獣へと変貌させることを促す目的で破壊活動を行わせていた。