「我が名はルギエル……ダークルギエル」
「愚かなる生命体……人間よ……貴様らの時間は、我が力によって止まる……!」
データ
登場作品:『ウルトラマンギンガ』最終回「きみの未来」
別名: | 暗黒の魔神 |
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身長: | ミクロ~無限大 |
体重: | 0~無限大 |
出身地: | 不明 |
CV: | 杉田智和/ガイ・ペリマン(『ウルトラギャラクシーファイト』英語版) |
概要
ダークスパークウォーズでダークスパークを用いてその場にいた全てのウルトラ戦士及びウルトラ怪獣をスパークドールズへと変えた存在。
私立降星小学校で起きた様々な事件の裏で暗躍し、生きとし生けるもの全てを人形に変えて時間を奪い、全宇宙の支配を目論むラスボスである。
デザインは頭部に2本の角が生えており、全身に鎧を着込んだ異形の黒いウルトラマンのような容姿をしている。
よく見ると、赤い目が全て一つに繋がっているのも特徴である。
戦闘力
嘗て宇宙規模の戦争を引き起こしただけあって凄まじい戦闘力を備えており、特に専用の武器であるダークスパークを用いた際のルギエルは歴代ウルトラシリーズの敵の中でも上位に入る程危険な凶悪さを誇る。
ダークスパークには光線を受けた生物・機械を強制的に人形化してしまう能力があり、もしこれをまともに食らえばウルトラの父やウルトラの母、ティガのような歴戦のウルトラ戦士達やグランドキング、ガタノゾーアやダークザギといったウルトラ戦士と同等以上の強大な力を持つ強敵であろうと問答無用で“スパークドールズ”に変えられてしまう。
本編冒頭では宇宙規模でこの光線が弾けた結果、ダークスパークウォーズに参加していた全てのウルトラ戦士達と怪獣&宇宙人達が人形に変えられてしまった。
一応バリアなどで防御することは可能だが、通常の光線と同じ規模で使用してもタロウのストリウム光線と互角以上の出力があり、宇宙規模で発動した際はウルトラの父と母、そしてウルトラ兄弟達が自らを犠牲に庇ってもタロウの意識だけを人形に残すのが精一杯だったほどの威力。
もし人形にされた場合、その生物は意識も全て消え、生命としての時間が完全に停止する。
ちなみに、回想を見る限りではギンガはギンガスパーク召喚モードを近接武器として用いていたようだが、ルギエルは復活モードを武器として使用する傾向にある。
また、基礎戦闘力の時点でもギンガと互角の体術、光線能力、槍術を持ち人形化能力を除いても十分な戦力を持つ。
降星町を蹂躙し、人々を絶望の淵に追いやり、ギンガやタロウを倒すその姿は、今まで何処かほのぼのとしたギンガの世界観を良い意味でも悪い意味でも一瞬でぶち壊し、視聴者達を戦慄させた。
ただし、強力な能力の発動にはダークスパークが必要不可欠である為、何らかの形でダークスパークを封じられてしまうとスパークドールズ化もダークスパークランスも使用できなくなり、一気に弱体化してしまう事がルギエルの弱点である。また、肉弾戦に関してもタロウには明らかに劣っている。
必殺技/武器
ダークスパーク
詳細は該当項目にて。
劇中では復活モードを武器にしていたが、回想では解放モードを武器にしている。
ダークルギエルビート
胸の赤い発光体から連続して放つ光弾。
人形化光線を放っている最中でも使用可能であり、タロウのバリアを破壊した。
ダークスパークランス
ダークスパークの柄を伸ばしたトライデントであり、赤黒く発光している。
ギンガスパークランスとの激しい切り合いの果てに手元から弾き落とされた。
UGFでも使用した。
人形化光線
ダークスパーク復活モードから紫色の光線を放つ。効果は先述の通り。
ただし、ダークスパークウォーズでは解放モードの状態で使用していた。
ダークルギエルシュート
ギンガエスぺシャリーと似た構えから放つ赤黒い銀河のような最強光線。
ギンガエスぺシャリーと互角の威力を持つが、フルパワーで放たれたギンガエスぺシャリーに押し負けた。
劇中での活躍
ウルトラマンギンガ
『ダークスパークウォーズ』でのギンガとの戦いで相打ちとなり、傷を癒すため『ダークスパーク』に宿り、眠りにつき宇宙を彷徨っていた所、『ギンガスパーク』に引き寄せられるような形で物語が開始する1ヵ月前に『銀河神社』に飛来。
様子を見にやって来た「ある人物」がそれを偶然見つけ手に取った際、その人物の僅かな心の闇に付け込み、憑依。“異形の手のモノ”と呼ばれる存在へと変え、とある共通点を持った邪な心を持った人物たちを『ダークライブ』させることで力を蓄え、“マイナスエネルギー”を喰らい、最終的にはその人物の体を完全に乗っ取り自らの完全復活を目論む。
一度は潜伏先である「ある人物」の正体に気づいた「礼堂ホツマ」と「スーパーグランドキング」を倒した“ギンガサンシャイン”の余波で追い出された。
しかしそれは見せ掛けであり、勝利の余韻に浸り油断していた「ある人物」を完全に支配、降星小学校の卒業生たちやヒカル達の“マイナスエネルギー”を根こそぎ奪い、実体化。遂に完全復活を遂げた。
そして、一度はギンガを変身中の巨大化する最中に蹴りを入れるというヒーロー物のお約束をぶち破った戦法で倒す。
人々が絶望に陥り、『ダークスパーク』の力で次々と倒れて行く様を嘲笑いながら、さらに全人類を人形に変えようとする。
その様を目の当たりにし、人形にされた為何も出来ないでいるタロウも戦意を消失しかけるが、彼の心の叫びに答えたウルトラの父とウルトラの母の叱咤激励により、自分が意識を保ったまま人形になっていた理由が人々の希望になるためだと気付く。
さらに決して希望を捨てずに心で闇と戦い続けた人々、そして最後まで闇に抵抗し続け、生徒たちを護ろうとした「ある人物」の強い精神力により完全に追い出され、
しかもその力で生み出された“ギンガライトスパーク”によりタロウの呪いが解け復活する。
そのままタロウと戦闘になるが出会い頭に『ダークスパーク』を叩き落とされて体術のみの戦闘に追い込まれ、怒涛の猛攻に圧倒される。
一気に劣勢に追い込まれてしまったルギエルだったが、一瞬の隙に『ダークスパーク』を手にすることに成功し、その力でタロウを追い込みストリウム光線を相殺、さらにバリアによる防御を破り再度人形に変える。
しかし、その前に人々の希望の力とタロウからエネルギーを分けてもらったことにより力を取り戻したギンガが復活し、最終決戦の幕が上がる。
両者は決戦の場所を月に移し、激闘を繰り広げる。
槍術は互角、体術も互角の死闘が続くが、皆の希望の光で蘇ったギンガのパワーに徐々に追い込まれていく。
その末、互いにトドメの一撃として最強の光線を撃ち合い決着をつけようとしたが、ギンガの最強必殺技であるギンガエスペシャリーとの鍔迫り合いに敗北し直撃を受け、「なぜ自分が敗北したのか」最後まで分からずに絶叫しながら大爆発を起こし、消滅した。
しかし……。
ウルトラマンギンガS
チブル星人エクセラーを実体化させた「グランドマスター」だったことが判明。
自身の復活のためにビクトリウムを回収させていたが、当のエクセラーはファイブキングに代わる最強の肉体として手に入れるために従っていただけだった。
その後、UPGが開発したビクトリウム・キャノンに魅力を感じたエクセラーによって地球に飛来。
キャノンがあるライブベースとその周辺のビクトリウムを吸収し、ビクトルギエルとなった。
なお、復活した当初、甦ったのは肉体だけで自我は存在していないらしくただ不気味な唸り声を上げているだけであった。
しかし後に意識を取りもどし、用済みと見なしてエクセラーを粛清。
完全に復活しマナを退けビクトルギエルを操りギンガとビクトリーを倒す。
だがビクトリアンたちの協力によって復活したギンガとビクトリーにビクトルギエルが倒されると自身も消滅した。
「永遠の……命の力……!馬鹿な……!」
決戦!ウルトラ10勇士!!
エタルガーが雫が丘の人々の恐怖から生み出したエタルダミーとして登場。
しかもウルトラマンの数倍はあろうかというとてつもない巨体になっている。
しかし、特訓を終えてヒカルとショウが変身したギンガビクトリーに全く歯が立たず、「ギンガビクトリーブレイカー」で倒された。
正体
「「命に限りがあるからこそ、皆は終わりを恐れ、もがき苦しみ、悲しみや過ちが生まれてしまう」」
ルギエル「ならば、新たな悲しみや過ちが起きぬよう、幸福の中で全ての時を停止させれば良い。それが、決して終わることのない……永遠の命だ」
ギンガ「悲しみや過ちが起きたとしても、それを乗り越え、より良い未来を次の世代へ受け継いで行く……それこそが、決して終わることのない……永遠の命なのだ」
姿形がウルトラ戦士たちに酷似しており、データがウルトラマンギンガに似通っている事から何らかの関連性が疑われるが詳しい詳細は不明だった。
だが『ギンガS』最終回にてギンガとは対を成し、かつ元は同一の存在で、『永遠の命=後世へ受け継がれていく命の繋がり』を信じたギンガの『光』を信じられずに濃くなっていった『影』が分裂した存在であることが判明した。
このため、(公式では明言されていないが)ある意味ではルギエルもまた闇のウルトラマンの一人といえなくもない。
『ギンガS』第13話における神山長官の「ウルトラマンがいつ地球の脅威になるか分からない」と言う発言は、皮肉にも『ギンガ』本編開始の時点で結果的に実現していた事となる。
その最終目的は「全ての生命体の時を止め、永遠の静寂を齎し、平穏なる『永遠の楽園』を築く」ことだったと発覚した。
しかしそれはあくまで「争いや憎しみも生まれない幸福の中での停止」「時間が止まれば老いる必要も死を恐れる必要も無くなる」といった一方的かつ非常に性質の悪い善意の主張による『強制停止』でしかなかった。
なお、同一存在からギンガとルギエルに分かれ、上記の命題が出たきっかけは今も詳しくは判明していない。
前作『ギンガ』で前述のように人間を「愚かなる生命体」と評していることと、「永遠の命」という命題に対して両者とも「悲しみや過ち」という言葉を使用していることから、「命」がある故に引き起こされた何かしらの悲劇が原因であるという推測もされているが……?
その後の作品での登場
ウルトラマンジード
第18話にて、ウルトラマンベリアルが隠し持っていたダークルギエルの怪獣カプセルが登場。
ベリアルがジード・ロイヤルメガマスターによって撃破された際に街に落としてしまったものらしい。
AIBによって回収され、基地内で厳重に保管されていたが、第22話で、石刈アリエの協力を得た伏井出ケイによってエンペラ星人のカプセルともども奪い取られてしまう。
第23話ではペダニウムゼットンにフュージョンライズしたケイが、これら2つのカプセルを自身のストルム器官に打ち込むことで一時的に大幅なパワーアップを遂げたが、フルパワーで放たれたロイヤルメガマスターのロイヤルエンドを浴びて敗北。
その後は、石刈アリエに憑依していたベリアルによって強奪されてしまい、ベリアルのアトロシアスへの強化変身に使われた。
ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ
「今度こそ決着を付けるぞ、ギンガ!」
「ダークスパークウォーズから続く我らの因縁、そう易々と断ち切れる物ではないらしい!」
ウルトラダークキラーが率いる暗黒軍団(ダークネス)の一角として復活を遂げ、ギンガと再び因縁の戦いを繰り広げる模様。
EPISODE4では、夕陽の惑星サンダウィンにて、自身を模したダークネス達の攻撃をなんとか耐えきり満身創痍のエックスとジードの前に現れ、他の新世代ヒーローズ達に敵の目的を知らせようとする二人の行く手を阻むがそこへ颯爽とギンガが駆けつけ、因縁の対決が再び幕を開けた。
特筆すべきは(主に)近接戦闘能力の大幅向上。
本気を出してきたギンガのギンガファイヤーボール&ギンガセイバーのコンボも難なく対処し、EPISODE7ではギンガサンダーボルトを突き破って破壊し、そのまま追撃のダークルギエルビートを放つ活躍を見せていた。
最期はギンガビクトリーのワイドゼロショットでエタルガー共々倒された。
派生作品
酩酊!怪獣酒場
第2シーズンで新人のアルバイトとして登場。
素性不明。そりゃそうだ。
無口だが、かなり優秀でダークスパークで対象を人形!……ではなく、縮小化させたり、ダークルギエルビートで雨雲を晴らして見せたりと底が知れない。
同時に、水が苦手なジャミラのためにダークルギエルビートで雨雲を消し飛ばすなど、優しさを持ち合わせている。なお黒髪・巨乳の女性が好みらしい(ただし、太っていれば論外のようである)。
家では無数の拷問器具が置いてあるが、これは全て自分の体をケアする為の研磨道具のようなもので、部屋は隅々まで掃除が行き届いていて、女子力が高い。
原典でこそ闇の支配者様だったものの、かつてスパークドールズに変えたケムール人やゼットンの後輩となっており、劇中の描写から平成生まれとされている(これに関してはメタ的な意味合いがあると思われる)。
原典ではどの時代の生まれかは皆目見当がつかないのは内緒だ。
ちなみに現在判明している範囲で初めて登場した平成シリーズのウルトラ怪獣だったりする。
また、元はギンガと同じ存在だった事を考えると、ある意味初のウルトラマン従業員と言える。そういえば怪獣酒場はヒーロー禁止のはずなのだが、ルギエルがアルバイトとして働いている事を考えると悪役になればセーフという事なのだろうか……。
原典ではかなりお喋りだった支配者様のことを考えると、無口な彼はむしろギンガっぽいと言えるかもしれない。
後に怪獣酒場がある次元とは異なる次元に存在する、とある王政国家の王子であるという衝撃の正体が明かされた。
この国でルギエルは自身も政治に参加し仁政を行っていたが、とある思想家集団が起こしたクーデターによって投獄され、その際獄中で出会ったある人物の助言で亡命という形で素性を隠し怪獣酒場のある次元へとやってきた。ギランボ行方不明事件の真相も、旅人を装って命を狙ってくる刺客たちをスパークドールズに変えていたが為に起こった事件であり、彼らを殺さずに星に強制送還する為の彼なりの優しさなのである。
事情を知った酒場の面々とすっかり打ち解け、コアでバーベキューを焼いたり、ダークスパークランスを串がわりにされたりとコミカルな描写も目立つようになった。
物語の終盤、別次元に通じる穴と連動した「心の穴」の持ち主である「ラスボス」の最後の一人だという事が判明。そんな彼の願いとは、一千万人と乾杯し酒を呑み交わすという、ルギエルが統治していた王国の習わしを再現するというものだった。一千万人という大人数に始めは中々集まらず苦戦していたが、怪獣酒場の従業員や常連客、ライバルである怪人バルの従業員たち、果ては息子と和解したうるまの父が連れてきた怪獣や宇宙人たちが集まったことで目標の人数を達成、無事に大宴会を満喫したルギエルは元の世界へと帰っていった…。
ロストヒーローズ2
闇のエージェントはギンガ本編同様にストーリーに絡んでくる一方で、ダークルギエル本人はアビスキューブの裏ボスという扱いをされており、ストーリーに全く絡んで来ない。
原作と同様の技を持っており、原作再現として不意打ちで蹴りを繰り出してくる事も。闇の支配者でありながら、元はギンガと同じ存在であった為か、光属性は半減されるのでギンガで攻略するのはかなり困難である。
バトルスピリッツ
コラボブースター『ウルトラヒーロー大集結』では紫属性のレアカードとして登場。
このスピリットの真価は相手のアタックステップ時にカード名に『ウルトラマン』付くスピリットがいる時、ノーコストでフラッシュタイミングで召喚できるブロッカーとして優秀な点を持つ。疲労状態のスピリットをBP関係なく破壊してドローできる効果も見逃せない。
ぶっちゃけ同属性で組ませるより、青属性のウルトラマンデッキでこそ輝くカードである。惜しむべきはウルトラマン系のスピリットはコストが重いのが多い点か。一応、紫属性にもウルトラマンベリアルがいるが、コストが重すぎるのでこのカードが回りにくい。
ウルトラマンが破壊されると召喚できて、破壊されたスピリットを疲労状態で戻せるゾフィーや破壊されると手札に戻る低コストのウルトラマンジャックと組んでブロックやルギエル召喚のサポートをしていくと良いだろう。
フラッシュ効果はヒカル達を油断させて復活したエピソード、ドロー効果は怪獣やウルトラマンをスパークドールズ化させて手駒を増やしたエピソードの原作再現だろうか。
TAMASHII NATIONSスペシャル配信:ウルトラマントリガー編
アブソリュートタルタロス配下の並行同位体として登場。レギュラン星人とモルヴァイアの並行同位体と戦うトリガーに不意打ちを仕掛け、スパークドールズに変えてしまう。
並行同位体のウルトラマンゼロ(ただし、テクターギア・ブラックを装備している)が反旗を翻し、ワイドゼロショットを浴びて一時撤退。
復活したトリガーとの対決ではダークザギを差し向け、グリッタートリガーエタニティと激突。最期はグリッターゼペリオン光線を浴びて撃破される。
余談
デザインコンセプトは「悪のギンガ」で、ギンガと同様の部分に発光パーツを付けている。イメージは「ピエロ」で、十字のバッテンで顔を表現している。ウルトラマンベリアルがシンプルにまとめられたキャラクターのため、ゴテゴテした感じを意識している。
『ギンガ』の時点では正体が明確でなかったが、『ギンガS』のシリーズ構成を担当した中野貴雄氏がギンガとルギエルのソフビを見て容姿の類似性に気づいたことから、対の存在であるという設定が設けられた。
関連項目
ウルトラマンベリアル エンペラ星人 レイブラッド星人 ジュダ ガタノゾーア…支配者仲間。この内ベリアルはM78星雲が他の世界にも齎した災い繋がりでもある。そして、ベリアルとエンペラ星人とは…。