CV:森次晃嗣(掛け声のみ)
概要
サロメ星人が地球侵略のためにウルトラセブンに似せて作り上げたロボット。
身長・体重は本物と同じで、セブンの技も全て使用できるが、腰や手足の関節部分にプロテクターが装着されているのが特徴。また掛け声も若干低い。サロメ星人の設計では本物を上回る能力を持つはずであった。
サロメ星人はこれを完成させるためにモロボシ・ダンを拉致し、自白装置・トークマシンでウルトラビーム(エメリウム光線と思われる)の方程式(MGSH3GWFB1)を聞き出した。これを組み込み、完成したにせセブンは早速出撃し海上を通りかかる船を攻撃、破壊の限りを尽くした。
ウルトラアイを忘れてきてしまっていたダンが差し向けたカプセル怪獣・アギラも、主人である本物のセブンと思い込んで困惑したところを一方的に痛めつけ、崖から蹴落とす。その後現れた本物のセブンとはアイスラッガーや光線技も互いに相殺し合う互角の攻防となる。
最終的に本物のセブンのボディ風車(回れば何とかなるの法則)と激突し、両者ともに海中に没する。直後に大爆発が起こるが……。
例によってバレバレの偽物であるが誰も気が付かなかった(もっとも、装飾品が増えた程度では疑わなかったかもしれないし、40mもの巨体では細部の違いには意外と気づかないものかもしれない。セブン自体が無二の存在という先入観があれば猶更であろう)にせセブンであるが、なんと作り手であったサロメ星人でさえもにせセブンを倒し浮上してきた本物のセブンを「我らのセブン」と間違えていた。作り手さえも欺いた偽のウルトラマンは他に例がない。
ただしこのシーンのセブンは海面から頭を出していただけでプロテクターがあるかどうか確認できなかった。ウルトラ警備隊が半信半疑な様子だったのに対し、サロメ星人は「我らのセブン」が勝利したことを確信していた。にせセブンの強さに絶対の自信があったのだろう。
ともあれこの結果、サロメ星人はセブンに騙し討ちされる形で倒される事になる。何という皮肉だろうか。
直前に水中で大爆発が起こった時点で、敗れたのはロボットであるにせセブンだということに気づいても良さそうなものだが(ウルトラ警備隊側はにせセブンがロボットであることは知らない)。
この敗北を経てもサロメ星人は懲りずに、にせウルトラセブンを再建造しただけでなく、偽のウルトラ兄弟まで作り出し全宇宙の制覇を目論む事になるが……。
ウルトラマンフェスティバル2009
第2部で登場。ザラブ星人配下のロボット軍団の一体。
セブンと戦い、最初は怪力で圧倒していたが、徐々にセブンのアイスラッガーを食らって追い詰められていく。最期はワイドショットとエメリウム光線の鍔迫り合いに負けて爆散するが、反動は大きく、セブンを仰け反らせていた。
ウルトラヒーローバトル劇場!第5弾/第10弾
いずれもペガッサ星人が作った。
リーダーのサロメ製と同タイプ1人と本物と数か所異なるタイプ6人の7人構成。
やはりセブンのデータを元に作り出されたとの事だが、そこは設定がいろいろと緩いヒーローショー。見た目がどう見てもふざけているようにしか見えないものもある。
第5弾
- サロメ製と同タイプだがベルトと腕輪が位置違いで膝パーツ上下逆
- 角
- 額にカラータイマー1個
- 頭に花1本
- 右手銀、左手青
- 左足銀
- 黒マント
第10弾
- サロメ製と同タイプで腕輪が位置違いで膝パーツ上下逆
- 頭部にカラータイマー2個
- 頭に花4本
- 両手メカ
- 両手両足銀
- アイスラッガー前後ろ逆
- 茶髪かつら
決戦ウルトラ兄弟対11大怪獣
チブル星人率いる怪獣軍団の一員。
ウルトラ忍法帖
漫画『ウルトラ忍法帖』シリーズでは二種類のにせセブンが登場している。
一体は悪の忍者組織『朧党』の科学者沸苦が作ったセブンの偽物ロボット。
……になるはずだったが予算が足りず、下っ端である怪夢瑠にセブンの顔を描いたダンボール箱を被せただけというお粗末なもの。
偽物として悪事を働いてセブンに罪を擦り付けるはずだったが、町の人からは「箱を被った不審者」としか思われなかった(マンだけは騙された)。
もう一体は本物の(?)にせウルトラセブン。
ナイスをリーダーとする『ウル2軍』の一員。
鋼鉄の体ゆえの強い腕力、防御力の持ち主であり、腕はからきしな2軍において高い実力を持つ「強さ担当」。
峯曽多村という西部劇さながらの荒野が広がる村の出身。
スーパーファミコンソフト「ウルトラセブン」
声がセブンよりわずかに野太いだけで同性能(スーファミのグラフィック性能なので正直外見での判別が困難な場面も)。
ゲームの都合上、プレイヤーのセブンと違いアイスラッガーやエメリウム光線などの必殺技を制約なく使用してくるが、これが逆に待ちバリア戦法の格好の餌食。接近戦を挑まず光線を跳ね返してるだけで簡単に瀕死に追い込めるので、難易度はかなり低い。
ヒーロー戦記
ラストダンジョン「ヘリオス要塞」にて出現。必殺技の偽エメリウム光線は単体へのダメージ性能だけならネオアクシズの三幹部やラスボスのそれを凌駕、具体的には適正レベルでクリティカルを受ければもれなくオーバーキルという脅威の存在。亜種として「ニセウルトラマン」が登場するが、そちらもザラブ星人の変身したものではなく、こちらのコンセプトで作られたタイプと言える。
「ニセ◯◯」という敵に共通して混乱を付加してくることがあり、油断すると知らぬ間に二次被害まで生み出していることも。
ダイダルの野望
サロメ星人の作ったロボットで若槻市を襲撃していた。
このためにウルトラセブンがG.U.A.R.D.に敵と認識されてしまうが、宇宙刑事達の調査で若槻山のドックを突き止められ、本物のセブンと交戦して大破した。
この他にも金属生命体のコピーとしてにせウルトラマン、ニセウルトラマンガイア、ニセウルトラマンアグルと徒党を組んで登場している。
ロストヒーローズ
ライドダンジョンに徘徊する巨大な敵として多数出現する。ミノフスキー粒子によって視界が狭い上に、倒しても3歩移動すると元の位置で復活する。同じエリアにてビルガモも登場する。
先輩な為かメカゴモラより高待遇となっている。
余談
- 前作のにせウルトラマンが単に姿を真似ただけだったのに対し、にせウルトラセブンはシリーズ初の本物と同じ能力を持つニセウルトラマンである。また、ヒューマノイド型宇宙人が作り上げたという点ではある意味人造ウルトラマンの先駆けといえる存在でもある。
- にせウルトラセブンのエピソードは『セブン』後半の予算の枯渇から生まれたものではあったが、結果として後のニセウルトラマンや悪のウルトラマンに大きな影響を与え、侵略者がウルトラマンの力を模倣はたまた人がウルトラマンの力を間違った形で手にする事がどれほど危険であるかという警鐘を鳴らす端緒となった。
- 名前の「にせ」の部分はひらがなでもカタカナでもどちらでも通じるという極めて珍しい怪獣である。
- ただしひらがな表記は初代、カタカナ表記は2代目となっている為、詳細な説明の時にこれを間違えると熱心なファンからは指摘される事もあるので注意。
- スーツは廃棄されていた本物のセブンのスーツの再利用。特徴的なプロテクターは、スーツの損傷が激しい部分を隠すためという制作側の事情によって付けられたものである。
- よく見ると口元に可動のための隙間があることから初期型のスーツらしいことが見て取れる。
- にせセブンの掛け声は、第1話から第12話まで使用された初期の掛け声を流用しており、前述の通り低く加工した状態で使用した(なお、戦闘中で本物のセブンがボディ風車を使用した際の掛け声がにせセブンのものになっているが、恐らく編集ミスだと思われる)。
- スーツアクターは長時間立っているのが辛かったのか、格納庫の場面で若干ふらついているシーンがある。