概要
怪獣の分類の一つ。
巨大生物が登場する、と言うことにリアリティを持たせるため、でかい身体を隠すために地底から登場する怪獣の総称。多くは茶色などの目立ちにくい色と、いかにも地面を掘り進めそうな強そうな爪や牙を持つ者が多い。
また、マグマで岩盤を熔かしたり、振動で地面を砂にまで分解して泳ぐなどの手段を持つ者、単に地下にある空洞に生息しているだけの者も地底怪獣として扱われることもある。
鉱石などの無機物を餌にする者もいる一方で、バラゴンやゴメス、タフギラスなど肉食性の傾向を持つ食性の者もおり、アントラーに至っては飛行機を無理矢理墜落させて捕食しているほど。中には金属生命体、珪素生命体などのような肉体の構成物質全てが無機物である怪獣もチラホラ。
史上初の地底怪獣は東宝特撮『フランケンシュタイン対地底怪獣』というそのまんまなタイトルの映画に登場するバラゴン(メイン画像)である。
主な地底怪獣一覧
ウルトラ怪獣
- パゴス(ウルトラQ)
- マグラー(ウルトラマン)
- テレスドン(ウルトラマン)
- モルゴ(ウルトラマン ジャイアント作戦)
- デットン(帰ってきたウルトラマン)
- グドン(帰ってきたウルトラマン)
- タフギラン&タフギラス(ザ☆ウルトラマン)
- ダイゲルン、クローンダイゲルン(ウルトラマンダイナ):正確な種別は「肉食地底怪獣」。
- モゲドン(ウルトラマンダイナ)
- テールダス(ウルトラマンコスモス)
- ツインテール(ウルトラマンデッカー)※『帰ってきたウルトラマン』当時は古代怪獣
その他の地底怪獣
- バラゴン(フランケンシュタイン対地底怪獣)
- ガマロン:一部で妙な知名度と人気があるマイナー怪獣。発表はバラゴンと僅差。
- マグラー(宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン):『ウルトラマン』のものとは全くの別物。
- アルフォン(緊急指令10-4・10-10)
- テラガイヤー(電光超人グリッドマン):本作はコンピューター内の電脳世界が主戦場の為、地面の代わりにシリコン基盤へ潜る。
また、種別が『古代怪獣』になっている怪獣も後述する通り地底怪獣率は高い。
地底怪獣に類するウルトラ怪獣
- 古代怪獣ゴメス(ウルトラQ):新生代第3期の古代哺乳類の生き残り。『ウルトラマンオーブ』ではテレスドンやデマーガ共々地中から出現する。
- 貝獣ゴーガ(ウルトラQ):サザエとカタツムリを足したような怪獣。背中のドリルで地中に潜る。『シン・ウルトラマン』では「溶解禍威獣カイゲル」名義。
- 透明怪獣ネロンガ(ウルトラマン):伊豆の地底湖に潜み発電所を襲って電気を食っていた怪獣。パゴスにそっくりである。
- どくろ怪獣レッドキング(ウルトラマン):山肌を破壊して出てくることの多い怪獣だが、一部図鑑では(消去法で)地底怪獣扱いになることも。『ウルトラマンデッカー』にて初めて地中に潜るシーンが描かれた。
- 磁力怪獣アントラー(ウルトラマン):砂漠にすり鉢状の穴を掘って磁力線を放ち乗り物や動物を食う蟻地獄型の怪獣。地中をモグラたたきのように掘り進み相手を強襲する。実は宇宙怪獣と言う説もある。
- ウラン怪獣ガボラ(ウルトラマン):パゴスのそっくりさん。
- 毒ガス怪獣ケムラー(ウルトラマン):毒ガスを好んで食する怪獣。その生態ゆえに死火山を好む。
- 毒ガス怪獣パワードケムラー(ウルトラマンパワード):こちらは肉食性で、狩りの際に地上へ出現。
- 古代怪獣ゴモラ(ウルトラマン):1億7千万年前のゴモラザウルスの生き残り。超振動波で地中を掘り進むのが得意。
- 黄金怪獣ゴルドン(ウルトラマン):全身が金の塊で、時速150㎞で地中を掘り進み金鉱を食い荒らす。
- 変身怪獣ザラガス(ウルトラマン):外部からの刺激で変身を繰り返す怪獣。ゴモラに似ている。
- 凶暴怪獣アーストロン(帰ってきたウルトラマン):鉄を主食とする正統派怪獣。
- 岩石怪獣サドラ(帰ってきたウルトラマン):両手がハサミになっていて、人を捕食する。岸壁をぶち抜いて出てくることが多いのでやはり地底怪獣なのだろう。
- 爆弾怪獣ゴーストロン(帰ってきたウルトラマン):アーストロンの弟で金を食べる。
- 毒ガス怪獣モグネズン(帰ってきたウルトラマン):あまりモグラにもネズミにも見えない正統派怪獣。毒ガスを好んで食べ、時に武器として吐く。
- 磁力怪獣マグネドン(帰ってきたウルトラマン):マグマの塊が意志を持った怪獣。北極海の底のマグマ層から地底を掘り進んで日本に出現した。
- 大蟻超獣アリブンタ(ウルトラマンA):地底人ギロン人が操る超獣。地底工作用に開発されたが、自力で地中を掘り進むなどという面倒なことはせず異次元をぶち抜いて移動する。
- 地底超獣ギタギタンガ(ウルトラマンA):地底人アングラモンの作った超獣。
- 百足怪獣ムカデンダー(ウルトラマンタロウ):『メビウス』では、地中を掘り進む際の圧力で電気が発生し、そのせいで周囲に電波障害を起こすという設定が追加された。
- 暴れん坊怪獣ベキラ(ウルトラマンレオ):地底から出現した。一説には宇宙怪獣であるとも云われる。
- 風船怪獣バンゴ(ウルトラマンレオ):1億5千万年も地底で眠っていた怪獣。
- 兄怪獣ガロン&弟怪獣リットル(ウルトラマンレオ):地底から出現した怪獣兄弟。
- 月の輪怪獣クレッセント(ウルトラマン80):地底3万mでマイナスエネルギーが結集して生まれた怪獣。日本全土を掘り進んで暴れまわった。
- オイル怪獣ガビシェール(ウルトラマン80):中国東北部生まれ。地中を1日で5千km掘り進む。
- 合体怪獣プラズマ&マイナズマ(ウルトラマン80):奥多摩の地底で生まれた合体怪獣。『80』史上最強の怪獣とも言われており、再編集ビデオでは80本人をして「ユリアンがいなければ僕は負けていた」とまで発言した超強豪。
- 超古代怪獣ゴルザ(ウルトラマンティガ):3000万年前に地中に封印された怪獣。相棒のメルバはただ封じ込められていただけだが、ゴルザは実際に地中を掘り進む描写がある。
- 強酸怪獣リトマルス(ウルトラマンティガ):地面の裂け目に生息する怪獣。毒ガスが好物。
- 超高熱怪獣ソドム(ウルトラマンダイナ):地中の岩を食べる怪獣。高温の環境に適応しているため、地上に出ると寒すぎて風邪を引いてしまった。
- 地球怪獣(ウルトラマンガイア):ギール、ミズノエノリュウ、ゴメノス、ゾンネル、ティグリス他多数
- 古代暴獣ゴルメデ(ウルトラマンコスモス):ゴメスをオマージュしており、リトラをオマージュしたリドリアスとは犬猿の仲。
- 地中怪獣モグルドン(ウルトラマンコスモス):モグラそっくりな怪獣。
- 溶鉄怪獣デマーガ(ウルトラマンX):意識を持った鉄の塊。全身がものすごい熱を発している。
- 凶猛怪獣ギーストロン(ウルトラマンタイガ):アーストロン兄弟の亜種。大地の怒りの化身。
- 破壊暴竜デスドラゴ(ウルトラマントリガー):古代の文献でも存在が確認されている凶暴な怪獣。いつも地面から出てくるので恐らく地底怪獣なのだろう。
- 古代地底獣オカグビラ(ウルトラマントリガー):本来は海に住むグビラが完全に地中に適合したと思われる亜種。
- 放射性物質捕食禍威獣パゴス(シン・ウルトラマン):元々は「地底禍威獣」と呼ばれていた。
- 幻視怪獣モグージョン(ウルトラマンブレーザー):地底怪獣の一種であると同時に、他の地底怪獣の天敵でもある。
その他の怪獣
- 怪獣王ゴジラ:意外に思われるかもしれないが、ゴジラも地底での活動を得意としているらしく、『ゴジラ×メガギラス』ではディメンション・タイドによる攻撃を、地底に潜航することで回避している。ゴジラやバラゴンの他にも、アンギラス、ゴロザウルス、メガロ、バトラなど、地底から現れる東宝怪獣は多い。
- ゴジラ(1998年版『GODZILLA』):地底から現れる描写がある。アニメ版でもよく描写されている。
- 徳間ガメラ:『ガメラ大怪獣空中決戦』では、東京タワーの地下から出現する場面があった。陸・海・空を制覇し、宇宙はおろか地底にも対応できるオールラウンダー型の怪獣は意外と珍しい。守護神ガメラ以外のガメラ怪獣では、マザーレギオンやリバースギロンも地底を移動することができる。
関連項目
ロストワールド:コナン・ドイルの小説。地底にはかつて滅びた恐竜が生き残っているという発想が地底怪獣という概念の下敷きになったと思われる。