ミスリル
みすりる
J.R.R.トールキンの作、ホビットの冒険や指輪物語などに登場する架空の金属。
名前はシンダリン(エルフ語)で「灰色の輝き(Mith-Ril)」の意。「まことの銀」や産出地から「モリア銀」とも呼ばれる。
ガンダルフの語る所に依れば
「銅のように打ち延ばすことができ、ガラスのように磨くことができた」「ドワーフたちはこれを軽くてしかも鍛えた鋼よりも硬い金属に作り上げることができた」「その美しさは普通の銀のそれに似ているがミスリルはくろずむことも曇ることも無かった」ようで、作中では銀の輝きと鋼を超える強靭さを併せ持つ金属として表されている。ドワーフの地下都市モリアでしか採る事ができない貴重な物質である(ヌーメノールでも産出していたと言う記述もあるので「第三期では」もしくは「中つ国では」と言う意味かもしれない)。
ドワーフたちがミスリル採掘のために岩盤を掘りまくった結果、悪魔バルログの目を覚まさせてしまう。
バルログのせいで地下都市モリアは壊滅し、ドワーフたちは地下都市モリアを放棄するはめになってしまった。
ミスリルもホビットと同様に様々なファンタジー創作で登場し、例えばファイナルファンタジーシリーズではミスリル装備が常連となっている。
なお、原点ともいえるトールキン教授の作品中にミスリル製と明言されている武器は存在せず、主に防具か装飾品に用いられている。
現在「Mithril」はMiddle-earth Enterprisesの登録商標となっている。
これにより原典のイメージを損なう形でミスリルの名が使われた場合、商標権侵害に抵触する恐れがある為、主に海外では原語そのままでの使用が避けられている。
例としてダンジョンズ&ドラゴンズでは「Mithral(ミスラル)」に、wizardryでもリルガミンの遺産では「Mithril」だったものがワードナの逆襲では「Mythril」になっている。上記FFも海外での表記は「Mythril」(Silverに変更されている物もある)がほとんどである。
なお商標登録されているのはあくまで「Mithril」であるためか、日本語表記の「ミスリル」表記は(今のところ)問題ないようだが、これらの抵触を避けるためにあえて類似した別の名称を使っている作品も散見される。
また、ダンジョンズ&ドラゴンズではミスラル以上の硬度・強度を持つ金属としてアダマンティンが有るが、ミスラルは、
- 他の金属より軽い。
- ミスラル製の防具であれば、他の金属製の防具を身に付けている場合よりも呪文の発動に失敗する確率が小さい。
- ミスラルで作った武器は、銀に対して脆弱性を持つ敵(一部のアンデッドやフィーンドなど)に対しては「銀製の武器」として扱われる。
などの特性が有り、いわば「単純にスペックが高く武器向きなのがアダマンティン」「特殊効果が有り防具向きなのがミスラル」と言える。
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