CV:金田朋子
概要
都内の閑古鳥が鳴いている遊園地(アニメ版では『ふもふもランド』)のマスコット。犬だかネズミだかよくわからない、ずんぐりとしたつぶらな瞳の着ぐるみである。体毛の色は種類が豊富で、標準的なのは黄色の毛皮に茶色のまだら模様があるパターン。
ボイスチェンジャーによって外部に発せられる音声は「ふもっふ」、「もふもふ」、「もっふる」などのボン太くん語へ変更されるのが特徴。
元は15年前に発売された某玩具メーカーのシリーズ商品で、遊園地のマスコットとなったのもタイアップの一環。『ふもふも谷のボン太くん』なる子供向けTVアニメも作られ、後の世に於いても高クオリティと謳われるほどであったが、その結果予算とスケジュールを食いつぶした為、僅か8話で打ち切りとなりその煽りを受けてメーカーも倒産。
その後、ボン太くんの版権は複雑な法廷闘争の末に何故か『おおかわ豆腐店』が保有する事になった。ボン太くん愛好家の活動には口を挟まないという店主の大川氏の計らいによって、着ぐるみ以外にも多くのグッズが世に出回り、毎年オンリーイベント『ふもっふマーケット』(作中では第8回を迎えているが、ある事件の影響で会場が変更された)が開催されるほどの人気を誇る。
遊園地の着ぐるみは、短編2巻で相良宗介が尾行を悟られずに千鳥かなめを助けるべくこれを強奪・着用した事から彼の手に渡り、見た目を気に入られて大掛かりな改造を施された。
改造に際して外装を超アラミド繊維に変更し、指向性マイク・サーマルセンサー・暗視システムといった支援システムを組み込んでおり、また運用に際して様々なマイナーチェンジを施された結果、最終的に操縦系をアーム・スレイブ(AS)のそれに近い物へと変更し戦術支援AIを搭載した事によって『人間サイズのAS』とも呼べる対人用特殊防護服に変貌を遂げている。
同様の人間サイズの兵器としてAIによる完全な自立制御装置を搭載したアラストルがあり、こちらはブラックテクノロジーの塊であるパラジウム・リアクターやマッスルパッケージを搭載した第3世代ASをダウンサイジング化した究極の小型兵器なのに対し、ボン太君は使われてる技術もありふれた物である。あくまで対人用特殊防護服であり、ASとしてカテゴライズした場合でも精々第2世代のダウンサイジング兵器に近い。
しかし宗介が生身の状態で複数のアラストルを大量に破壊していることを考えると、有人故に搭乗者次第でアラストルを倒せる兵器と言えるかもしれない。
一方でボイスチェンジャーをオフにするとメインシステムまで停止してしまうという致命的な欠点を抱えている。これは短編3巻の初期の運用に際して若菜陽子に電気銃で攻撃された事に起因しており、システム面では正常なはずの『量産型ボン太くん(CV:水田わさび)』に於いてもこの欠点が受け継がれている。
そのため、意思表示には内部に備えられた通信装置等を用いて他者に『ボン太くん語』を翻訳してもらう必要がある。もっともコレも同シリーズ機間の無線通信でなら普通に会話が可能で、むしろ敵に翻訳や読唇術といった即興の作戦傍受を無効化するという有用性に変わる面もある。
宗介はその後私財を投げうってベルギーの軍需産業ブリリアント・セーフテック社の協力を得てこれを量産し、アニメ版では体色がグレーに変更されている。
宗介は現代戦を一変させる個人兵装として各国の特殊部隊へ売り込もうとしたが、そのデザインの為に一蹴され、大量の在庫を抱えてしまう事になる。
一応フォローしておくと、ただの一体も売れなかったわけではなく、売り込みに応じたマイアミ市警とFBIの二箇所が購入している。
セールス的には惨憺たる有様だったものの、しかしながらその効果は確かなものとなっており、短編5巻で弱小ヤクザの美樹原組(美樹原蓮の実家)に無償で供与・運用された際には、美樹原組と敵対する広域暴力団龍神会に強襲をかけ、数で勝る同組織に壊滅的な経済的・精神的ダメージを負わせた。
また、マイアミ市警は麻薬密売組織の摘発においてこれを運用し、迅速に組織を制圧、効果的に戦意を喪失させている。
宗介のボン太くんは「商品」としては失敗したが、「製品」としては成功したといえよう。
なお、原作でボン太くんが直接登場するのはコメディが主体の短編のみ。
ただし、長編6巻の挿絵に山高帽を被ったぬいぐるみの後ろ姿が、外伝2巻『極北からの声』の本文および挿絵にネズミのようなぬいぐるみを抱えた子供が描写されている。
アニメ版では短編が原作の『ふもっふ』に登場する他、長編1巻に当たる1期1話から、それらしきぬいぐるみが映っている。
甘城ブリリアントパークのモッフルとの関連性
同作者が『フルメタ』後に手がけた『甘城ブリリアントパーク』にて、パークのマスコットの一人『モッフル』がボン太くんに似ており、レギュラー登場している。
公称上は、あくまでスターシステムに基づくものであり、容姿以外の関連性は存在しない(要は他人の空似状態)とされる。 ただし、こちらの『モッフル』も戦闘力は相当なものとなっている。
作者自身もモッフルの造形がボン太くんそのままであることを認識しており、登場させるに当たってボン太くんをデザインした四季童子(フルメタのキャラクターデザインや原作の挿絵を担当したイラストレーター)に了解を得た旨をインタビューにて語っている。
そして後述にある『ファンタジア・リビルド』にて共演を果してしまった……。
ゲーム作品での活躍
『スーパーロボット大戦シリーズ』
主にボン太くんにスポットが当たるシナリオでスポット参戦する事が多く、条件を達成すれば宗介の専用機として自軍に正式に参入する。
身長2mに満たない愛くるしいマスコットに敵軍が蹂躙されていく様はシュールとしか言いようがないが、当の敵軍からしてみれば悪夢以外の何物でもない。
この際顕著になるのは、他作品のキャラクター達の反応であり、ボン太くんと相対したキャラクター達は呆れたり、好意的に見たりする事が多い(特に女性)。ただし、『W』ではルート次第でガオガイガーの初野華にトラウマを植え付けてしまうことになる(だいたいかなめのせい)。
中にはボン太くん語を理解出来る者まで存在する。
さらには欲しがる者も……。
C.C.:「おい、カレン…。 あれは応募券を何枚集めればもらえるんだ?」
カレン:「知らないよ!」
シナリオによっては他の作品のキャラクターがこれを使用する事もあり、『スーパーロボット大戦W』参戦時に量産型ボン太くんが参戦した際には百獣王ゴライオンの面子が搭乗(?)。
また、第3次スーパーロボット大戦Zではヒイロ・ユイかキリコ・キュービィーがこれを着て宗介の元へ届けるといったイベントまで存在している。
極めつけは量産型ボン太くんで、任天堂携帯機二作では原作「仁義なきファンシー」での龍神会強襲シーンを再現した戦闘シーンがあった。第3次Z天獄篇では30体はいるだろうか、量産型ボン太くんの大群が敵に襲い掛かるが、その中にはバズーカ砲を両手持ちする、狙撃銃で狙い撃つ、撃った拍子に転ぶ、ハリセンで攻撃する個体もあるが、設定上は他作品の技術を応用したもので中の人はいないとのこと。
スーパーロボット大戦Vでは入手自体は無条件だが、中盤あたりでシークレットシナリオを発生させ早期入手した方が、第3次Zには無かった新武装「ボン太くん突貫」が追加されるため、継続戦闘能力が高くなる。
なお、シークレットシナリオを通らなかった場合、終盤に宗介が「局地戦闘用」として整備してるところから始まるが、目的地がイスカンダルであるため、かなめに「どういう局地を想定してんの?」とツッコまれた。
また、「陣代高校のオマケではないボン太くん」が描かれている数少ない作品(他はJとX-Ω)でもある。
ちなみに一時期のフルメタのシナリオ再現の無さや、ボン太くんの異常とも言える優遇から「ボン太くんを参戦させるためにフルメタを参戦させている」「フルメタのスパロボでの存在意義の8割はボン太くん」という批判があったが、現在ではフルメタの扱いが向上したため、フルメタ本編と相性が悪いボン太くんの出番が激減した。
『Another Century's Episode:R』
一応隠しユニット扱いであるが、通常のステージの開始前ムービーに全く自重せずに登場している(似たようなものに宗介のM9もあり、版権リストにも『ふもっふ』のものもあるが)。
流石に兵器と認識出来なかったのか、自立コンピュータの敵機を戸惑わせ(これで防衛ラインを6つ突破・クルツ談)、オリジナルキャラに恋心(?)を抱かせた。
スパロボ、ACE共に性能については、概して「攻撃力は低めだが、回避力が高い(ちなみに『ふもふも谷のボン太くん』には、ボン太くんがミサイルを避けまくる名シーン“伝説の5秒”があるという設定)」リアル寄りの性能を持つ。
無消費型の射程有の武器を持つため継戦能力にも優れるが、空を飛べないため弾切れを起こすと、空中の相手に対して打つ手がなくなってしまう。またHPも低めなので、雑魚敵からの被弾でも致命傷になりかねないので、敵からの命中率にも注意。
『ファンタジア・リビルド』
フルメタにおけるマスコットも同様だからか割とそこかしこで出番があり、ステータス強化アイテムとしてはもちろんのこと、テッサのトゥアハー・デ・ダナンのようにかなめのお供としてチビボン太くんが戦闘に参加。さらにバレンタインイベントでは超巨大ボン太くんがボスとして登場したり、後述の量産型ボン太くんとは別に本体が黄色い体のボン太くん(宗介曰く【黄色の強化服】)もガチャで登場する、さらにこのボン太くんを強化して見た目を変更するとクロスボウの装甲を纏ってボン太くんとなり必殺技の〆がスタンロッドからヒートハンマーとなる。キャラクターとして出てきたりと、隙あらばぶっこんでくる。
先述の「甘城ブリリアントパーク」の期間限定シナリオでも、(色合いが違うが)量産型ボン太くんをモッフルと誤認させる作戦がストーリー中に何度か行われた。
主人公たちの拠点「オリキュレール」搭乗員の基本装備として量産型ボン太くんが配備されている模様(通称【F(ふもっふ)小隊】)。ストーリーのラストでは上記のボン太くん全てが集合するという(主人公は夢のふもふも大行進と呟いてた)事もあった
。艦内の警備や敵からの迎撃・防衛の他、パーティの穴埋めもしてくれるが、所詮穴埋め用員程度のステータスしかないので、コストが許す限りガチャやイベントで仲間になるキャラクターを入れていった方が断然良い。
『戦うフー・デアーズ・ウィンズ』
先に書き込んでおくが、この作品は上記のような他作品とのクロスオーバー作品ではなくフルメタル・パニック!シリーズ単独のゲーム版である。
この作品のifエンドの一つにボン太くんエンディングがあるのだが、その内容はレナードの乗るベリアルをボン太くんでボコボコにし、極めつけにベリアルの残骸の上に乗るボン太くん(とその横にifの短編にて同様の事をやった用務員さん)の一枚絵に「その後、ボン太くんがアマルガムを壊滅させた」とのナレーションという、アマルガム(特にレナード)にとってはこの上ない悪夢のような展開になっている。
関連項目
ゴン太くん(元ネタ)
似て非なるもの:ボコられグマ…とあるイベントにて彼らの共演がツィッター(https://twitter.com/garupan/status/977429849651298304)で報じられた…。