CV:浪川大輔
概要
アッシュブロンドと青みがかった灰色の瞳を持つ、優美な風貌の美男子。
1981年12月24日生まれの16歳。テレサ・テスタロッサ(以下、テッサ)の双子の兄。〈アマルガム〉の幹部でコードネーム『ミスタ・Ag(シルバー)』。
ラムダ・ドライバ搭載型アーム・スレイブ〈ベリアル〉の力を意のままに引き出し、相良宗介と〈アーバレスト〉のコンビに圧勝。宗介の命と引き換えに千鳥かなめ(以下、かなめ)の身柄を手中に収める。
敵でありながらかなめへの好意を示すが、訳知り顔で他者と真正面から向き合おうとしない態度を痛烈に非難される。遂にはその原因について当てずっぽうで図星を指され、〈ウィスパード〉間の「共振」を発動。幼くして母の度重なる不貞に気づいてしまい、しかもそれを察した彼女が、双子目当ての襲撃犯に命乞いをしながら自分を差し出した過去をかなめに追体験させた。
家族を裏切った母やそれに気づかない父と妹を軽蔑し、ウィスパードより頭脳の劣る他人に冷めた視線を送る(ウィスパードとして目覚めると、自分が賢くなったのではなく周りが無知になったかのような感覚に陥る)中で、かなめとなら通じ合えるかもしれないと思っていた節がある。しかし、自分から持ちかけた賭けが原因で彼女に頭を誤射された一件を境にその望みも潰え、理知的な態度から一転、今までの自分が動物と見なしてきた類の人物として振る舞い始める。
首魁に当たる存在がいない“民主的”な組織だったアマルガムの実権を握り、『TARTAROS(オムニ・スフィア転移反応時空通信変容炉)』を起動させることで、かねてからの計画通り歴史改変による理想の世界への到達を目指す。
ラスボス機のパイロットではあるのだが、前半の大ボスであるガウルンが最後まで宗介のアイデンティティの根幹を揺さぶる宿敵役を務め切ったのに対して、宗介とは互いに「ただの邪魔者」程度にしか認識していない。
ふたりは敵にも友にもなり得ないとされており、決戦を終えて吐露したある願いが初めて宗介の共感を得た。
最終決戦後、メリダ島が核爆発で消滅したため遺体は回収されなかったが、両親と同じ墓地に葬られており、テッサによって母親の墓との間に父親の墓を挟まれている。
ゲーム作品での出演
スーパーロボット大戦シリーズにおいてはZシリーズ完結編である『第三次スーパーロボット大戦Z天獄篇』において初めて自軍部隊と本格的に敵対することになる。
ボスパイロットとしては最強クラスの実力を持つが、ストーリー面においては原作同様の目的である世界改変の本質が他作品のキャラから見ても最終的な目標がが単なるスケールの大きい現実逃避でしかないことから原作以上に軽蔑される悪役となっておりやや性根の情けなさが強調されているなど若干不遇な扱いだった。
『V』に参戦した際には世界改変よりもかなめ個人に対して執着しておりこの関係から宗介との関係も原作以上に因縁が強調される。
更に今作では『クロスアンジュ』に登場する変態ラスボス・エンブリヲが協力者だったがなんと彼の所業を見て自省して改心するという予想外の展開を見せる(ついでにソフィアもかなめと和解した末に自ら消滅する)。
だが最後はエンブリヲからの攻撃で致命傷を負ってしまい次元の狭間から脱出する宗介達を手助けする、妹テッサやかなめに看取られる形で最後を迎え特にテッサからは原作以上に兄妹としてその死を悲しまれるなど、生存とまでは行かなかったが主人公側と半ば和解した状態で死亡するなど原作に比べ恵まれた扱いになっていた。
敵ユニットとしては、自軍の特殊技能やサイズ・バリア無効、精神コマンドを駆使しても最終ダメージが強制的に十分の一にする特殊なラムダ・ドライバを持つため、見た目の数値以上に強敵である。
備考
- 声優を務める浪川大輔氏は本作の舞台・都立陣代高校のモデルになった東京都立神代高等学校出身。同作のTV版にもレナード・テスタロッサ役で出演している。
なお、彼自身は出演時には自身の出身校が舞台になっているとは知らず、DVD-BOX特典のオーディオコメンタリー収録の際にはじめてその事実を知ったと当該DVDの中で語っている(その後はドラマCDなどでもネタとして取り入れられている)。