CV:大塚明夫
概要
レニングラード出身のロシア人とエストニア人のハーフで、190センチ近い長身の持ち主。原作において父称は基本的に省略され、長編2巻では「セルゲイビッチ」、短編6巻や外伝2巻では「セルゲーイヴィチ」と表記されている。
〈ミスリル〉作戦部西太平洋戦隊陸戦コマンド指揮官を務める。階級は少佐。作戦行動中は『パース1』のコールサインで呼ばれる。元はソ連軍で特殊部隊『スペツナズ』の指揮官だった経歴を持ち、その当時から戦場を渡り歩いてきた戦争のスペシャリストである。
バイオリニストだった妻のイリーナ・カリーニナと彼女が身籠っていた子供を、医療ミスで失っている。
性格は厳格にして冷徹、任務には一切の私情を挟むことはなく、必要とあらば長年の部下ですら容赦なく切り捨てることが出来る。
しかし決して冷血漢などではなく、奇妙な因縁で結ばれた孤児の相良宗介を引き取り育ての親となろうとするなど、本来は情に厚い人物であり、あくまでもプロの戦争屋としての立場でそのようにするだけである。
そもそもそのような事態にならないよう最善の策を立てつつ作戦指揮を執り、可能であると判断すれば部下の救出にも取り組むなど、非常に有能な戦闘指揮官である。
彼の采配は『勝つべくして勝ち、負ける時には自軍の被害を最小限に抑える』、『出来ないことは決してやらない』などと周囲の人物に言われるほど無駄が無く、徹底している。
基本的に感情を表に出すことは無く、如何なる事態に直面しても顔色一つ変えない。
また、40代半ばにして50代以上に見えるほど老け込み、プラチナブロンドが今では灰色に褪せているが、これはスペツナズ時代に激務に次ぐ激務で長年碌に休養をとらなかったことが原因である。
そのためか味覚も狂っており、死別した妻が密命であちこち飛び回っている彼への嫌がらせとしてわざと不味く調理したと推測されるボルシチを、『愛情を感じる』と言ってとても美味しそうに食す。しかも余程彼の思い出として残ったらしく、後年見事に再現して宗介やテレサ・テスタロッサにも食べさせている。
その不味さたるや、上官に忠実で味に頓着しない宗介が食事の誘いを言い訳して逃げるほど壮絶であり、テッサをして『死ぬかと思いました…』と言わしめた。
物語終盤、アマルガムのメリダ島総攻撃で行方不明になっていたが、実はアマルガムの一員に寝返っていた。世界の変革を成し遂げようというレナード・テスタロッサに、個人的事情から共鳴したためである。最終的に自暴自棄になったレナードを殺害。自身も脱出時のヘリの墜落で重傷を負い、宗介と対峙するも彼に看取られて息を引き取った。