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概要

TAROS(Transfer And Response Omni-Sphere、オムニ・スフィア転移反応)と呼ばれる装置を介してアームスレイブ(AS)のパイロットの意思を物理的な斥力へと変換するシステム。要するに「考えたことを実現できるシステム」である。

使用用途は様々であり、敵の攻撃を防ぐバリアの形成や武器を使わず敵機を破壊したり出来る。

自重を軽減する事もでき、場合によっては約10tのASが看板を踏み台にしてジャンプする事も出来たり、本来なら自重で圧壊するはずの超重量機体であるベへモスを強引に直立させているのもこのシステムである。

発動には強い集中力とイメージが必要で、イメージが強ければ強い程強力な斥力場を形成することができる。集中力が発動に満たない場合は不発に終わったり、したいことをイメージができなければ発動しないなど兵器としての信頼性に欠ける。

また、意識の向いていない方向からの不意打ちには弱く、場合によっては容易く撃破されてしまう。

さらにはラムダ・ドライバの持続的な使用には薬品の投与が必要であり、下手すればパイロットを壊してしまう諸刃の剣なシステムである。

その力故、もし実用されれば「核兵器さえ無意味になる」と目されている。

しかし、千鳥かなめ曰く「ラムダ・ドライバ搭載機と非搭載機の戦力比は16:1」であり、大差ではあるものの、4人で囲めば拮抗できるレベルであり、戦略レベルで決定的な差ではない。

本来の使用

本来の名称は「オムニ・スフィア反応炉」

オムニ・スフィアとは人間の精神が創り上げる精神世界の事。「あの世」「霊界」に近い存在である。

人間には多かれ少なかれ超能力があり、その力は人間が無意識に形成するオムニ・スフィアから発現する。普通ならば物理的に観測が不可能なほど微弱なのだが、その力を連鎖的に増幅させる事で、強い超常現象を引き起こすシステム。それこそがラムダ・ドライバである。

だがその力を持続的に使用するには人体では耐えられないほど強力な電流が必要であり、またオムニ・スフィアから現実世界への干渉反応は人間が極度の緊張状況でありながらなお理性的でいられる時に顕著である。

要するにいつ死ぬともわからない銃弾飛び交う戦場にいる戦士の精神が必要ということになる。

そのため、ラムダ・ドライバを使うことができるのは、

  • 戦場で戦い、生還できる
  • 莫大な電力を生み出す動力源を持つ
  • その電力に耐えられる、人体を模した兵器

の三つの条件を満たしたもの、すなわちアームスレイブのみ。ASが本来ならばナンセンスな存在である巨大ロボット、それも人型なのはこのラムダ・ドライバを搭載するためである。

またラムダ・ドライバの持続使用が不可能なのは、人間が瞬間的にしかオムニ・スフィアと繋がれないためである。

しかし、ウィスパードと呼ばれる超能力を持つ人間はオムニ・スフィアと繋がる能力を持つため、

普通の人間の生み出すものより遥かに強い斥力場を持続的に発生させることができる。

そして、TAROSと搭乗者によって人と変わらない思考形式へと進化したAI、アームスレイブがあれば、ラムダ・ドライバとしての機構を有さなくてもラムダ・ドライバが発動できる。

それへと至ったのがアル、カエサルである。

この域に達した場合、ネットワークで繋がっているASという超遠距離にあっても発動可能なとんでもないモノへと進化している。

メタ的な話

このシステムが登場した理由はずばり、作品の人気維持のためである、

『フルメタ』が連載されていた雑誌『ドラゴンマガジン』は所謂「剣と魔法のファンタジー」「異世界もの」がメインであり、ミリタリーテイスト溢れる巨大ロボット漫画である『フルメタ』はどうしても浮いてしまっていた。

そこで原作者の賀東氏はロボットでも魔法みたいなものを使えるロボットを出さないと受けないのではないかという意図があったと語っている。

ただし、スコープドッグザクのような武骨な量産機を好む賀東氏にとっては苦肉の策の産物であり、細かい設定は後で考えればいいと思っていたらとんでもなく設定作りに苦労する羽目に陥り、安易な気持ちでオカルト的なシステムを出してしまった事を後悔する念を述べている。

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