概要
マップスとは銀河冒険SF宇宙戦艦ロボットハーレムお色気ドタバタ超能力ビームスペースオペラである。
今は亡き「コミックNORA」創刊時から連載開始されたが、恐ろしい事に元々は読み切りのつもりで描かれていた(この分も含めると、掲載期間はNORAの前身である不定期刊「SFアニメディア」時代からとなる)。
おっそろしくデカいスケールの大冒険物語の風呂敷を見事なまでに畳み切ったその手腕はもはや伝説である。
一方で、コミックNORAにとっては本作はまさに栄枯盛衰記そのものである。
作風
長谷川裕一のSF趣味がこれでもかと繰り広げられる大スペクタクル浪漫作品である。無闇矢鱈とスケールのデカイ世界観は、SF作品の金字塔であるレンズマンシリーズのような海外SF小説を意識したモノで、そこに長谷川氏の緻密で筋の通った設定が加わることによって、希有壮大でありながらどこか親しみの湧く内容となっている。
舞台設定も多岐にわたるが、ここでも長谷川氏の得意技である思考実験が繰り広げられており、『思想も生態も地球人のそれと違う宇宙人と相互理解が出来るのか?』『文化・技術レベルが違えば宇宙人同士でも諍いが起きるのではないか?』『文明レベルが低い宇宙人にしてみれば、逆にこちら側の方が恐ろしい侵略者(エイリアン)に見えるのではないか?』『知的生命体と大差ない程進化したロボットは人権を得られるのか?』といった非常に革新的なアイディアが盛り込まれたストーリー展開も見所である。
あらすじ
初期編
どこにでもいる普通の地球人「十鬼島ゲン」は、ある日いきなり宇宙海賊カリオンに伝説の秘宝「風まく光」の地図として幼馴染の「君塚星見」と共に拉致られてしまう。すかさずスペースパトロールに救出されたものの、実は彼らも秘宝を狙っており今度は危うく解剖されるところをカリオン、いや宇宙船リプミラ号の人間型コンピューター「リプミラ・グァイス」に救出されスペースパトロールとの壮絶なチェイスの果てに地球に隠された伝説の風まく光を見つけた、それは半径6億光年の宇宙の星図だった。
スペースパトロールは大した価値を見いだせず混乱している間にゲンはスペースパトロールを打ちのめし、リプミラはかつての相棒カリオンの願いを叶えたことに満足し旅を終わらせようとするが、ゲンは宝を見つけたら宇宙船をくれてやると言った言葉を盾に半径6億光年の旅を楽しもうとリプミラと共に宇宙へ旅立つことを誓った。それは彼らが翼を手に入れ風に乗り、1000の旅路の最初の一歩、宇宙を舞台に繰り広げる百の冒険の始まりだった…。
生贄砲計画編
六人の幽霊船編
放浪編
龍のとりこ編
帰還編
青き円卓編
統一編
遊撃編
第八の軍団編
決戦編
登場人物
名前有り見せ場有りのキャラがあまりにも多すぎるので、pixivに投稿されているキャラのみ記載。
宇宙冒険商人ゲン一行
冒険好きでお人好しな『普通』の少年。曰く「根性の有るバカ」。
ゲンの幼馴染。何かできるわけではない普通の美少女だが、それ故にゲンの守るべき帰る場所として大切な存在のヒロイン1号。
宇宙船リプミラ号の頭脳体。ゲンと共に戦う女、ヒロインやるにはトウのたった姉ちゃん。やたら露出度が高い。
スペースパトロールの部隊長。超能力が使えそうな髪型の通り、超能力の使い手。ゲン一行に加わってからはコックに就任している。銀河統一タコ踊り大会優勝者。
立ち寄った星で星見が救い出した高重力惑星出身の生物。実はれっきとした知的生物で、翻訳装置を装着して惑星ジャンバの王位継承者『ミンにょろにゅぐかーみゃこす』だと言う事が判明した。
ガッハ商会
宇宙を股に掛ける武器商人。銀河で下賤な生物と蔑まれる珪素生物のカミオ星人で、外見はメロンのような岩。常に儲けと損害を秤にかけ、宇宙各地で揉め事に首を突っ込み武器を売りまくる守銭奴である。
銀河の人々
姓は超機動!名はグラジオン!由緒正しき映画の惑星テビレ・アミメにてロボット俳優をめざし青雲の志を抱く若者である!
嘗て銀河を席巻しながら、最近はリアルだなんだと小難しく暗い作風一色となったテビレ・アミメの創作現状を憂い、新作ロボット映画のオーディションに立候補するため乗り物全てトランスフォーマー、住人は全て秘密戦隊な、神秘のド田舎惑星地球の人間であるゲンにガンアクションの指導を願いオーディションに挑むも、裏で既に採用が決まっている現状を見せつけられ、所詮ロボットは操られる存在だと全てを諦めるところであったが、彫像同然の筈のリプミラ号のスーパーアクションを目撃し、ビームライフル等に頼らぬ格闘ロボットアクションに目覚め以後、テビレ・アミメの人気俳優、監督として大活躍をしている。
悪人帝国
銀河支配をたくらむ秘密結社悪人帝国の頂点。銀河の半分を消し飛ばすという最終兵器、空間次元臨界絶対砲を手中に収め、宇宙戦艦、航空機、バイオクリーチャー、超能力部隊、重機動マシーン、合成超人兵、地雷、落とし穴、竹やりまでをも用いる恐るべき敵である。
合成人間(ビメイダー)
全ての者達が研究するために研究し、戦うために戦う狂戦士にしてマッドサイエンティスト、銀河にその名を轟かせる龍の一族ライ族に作られた最強の合成人間。一部はリプミラを参考に作られており、龍の心を持ちながら人の形をして作られた怒れる黒龍。
伝承族
伝承族の長、日本漫画界有数のラスボス。サイズは惑星を手掴みできる位から直径十万光年まで、攻撃力、防御力も惑星破壊級でもどうにもならないレベル、特殊能力も滅茶苦茶な物が揃っており、ぶっちゃけ石川賢辺りの作品だのと比べても全く遜色ないレベルの化け物。ある目的のために希望の種をばら撒き、絶望の華を咲かせるがごとく宇宙を滅ぼそうとしている。
メカニック
- リープタイプ
- リプリム号
- リプミラ号
- リプラドウ号
- ニードルコレクション
- ソフティカ・リップ号
- 生贄砲
作中における念動力は『理性よりも感情に近い』脳波であり、数を集めれば集める程意思の統一が図れず、使い物にならなくなってしまうが、あらゆる生物に共通する『死の恐怖』を念動力に変換して使用するESP兵器。殺すだけで意思の統一が図れるため、弾になる生贄が多ければ多いほど破壊力を増す。なお、殺す対象にESP能力が無くても問題ない。
用語
- ビメイダー
- 長谷川作品に頻出するSF用語、綴りはBEMADER。対となるのは自然発生人(ナチュラリアン)。概念的に言うならば「作られし者」であり、心が有るように見えるほど高度に自立思考できる半有機人間である。宇宙戦艦の生体コンピューターとしての出番が多いが、最前線の兵士等製造理由は多岐に渡る。外見的にロボットに近いのも居るが、何せこの作品なので元の星じゃ案外普通の姿なのかもしれない。作られた者であるだけに自然発生人は奴隷のように扱うが、当のビメイダーはそういう事に当然ながら反感を持っている。自然発生人にしてみればビメイダーは自我を持った個人では無く、よく出来た人形もしくは道具という認識をされている場合が大半であり、そんな境遇に嫌気が差したビメイダー達の中には脱走して流浪国家を築き上げる者達もいるほどである。一方、グラジオンの故郷テビレ・アミメのように住人全員がロボットの惑星の場合はビメイダーという概念は希薄であり、ビメイダー=ロボットという図式は必ずしも成り立たないのも特徴である。
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