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概要編集

1994年4月4日から1995年1月24日までにNHK教育テレビ『天才てれびくん』内で放送され、1996年の夏休み期間にも再放送された。「バーチャル3部作」と呼ばれるシリーズの2作品目。ナレーションは中村大樹


前作の『恐竜惑星』と同じく全編を通じて、女の子の主人公を、男の子の主人公とCGキャラがナビゲートをするという形を取っていた。


アニメーションの動きこそ少ないが、量子コンピューターやDNA解析、恐竜の絶滅に大規模噴火説と巨大隕石落下説を併用するなど、小学生向け番組のアニメとは思えないほどのハードな内容を扱ったSF作品である。しかしDVD化の話が一向に出なかったため、一時はマスターテープが既に廃棄されているという噂も流れたが、2003年12月にDVD化が実現した。





あらすじ編集

大きく分けて2つに大別できる。


プグラシュティク編編集

バーチャル世界に赴いた主人公・唯が、プログラムの暴走により発生した、齧歯類から進化したもう一つの人類・プグラシュティクの存在する世界に飛ばされてしまう。彼らは人類を自らの進化の歴史を脅かす危険な存在と見なし、人類の進化を妨害して歴史から抹殺しようとする。プログラムの暴走が原因でバーチャル世界に出入りできる唯一の人類となってしまった唯は、プグラシュティクの世界で出会ったパックやバーチャルステーションの仲間達の助けを借り、バーチャル世界の秩序を守るためプグラシュティクと対決することになる。


スネーカー編編集

プグラシュティク内の派閥・家督争いが終着したこと、プグラシュティクの戦士・ティルと個人的に和解したことによりプグラシュティクとの対決は一段落したが、ティルが自分の世界に戻れなくなってしまう。その原因を探るうちに、唯達は現実の地球の過去に何度となく何者かによる進化への介入が行われていた事実に気付く。進化への介入者・スネーカーとドライ6(ドライシックス)らエウロパ人達の戦いに巻き込まれるうちに、スネーカーが進化への介入の方針を人類の進化から抹殺へと変更したことが明らかになる。ドライ6と和解した唯達は、地球生命の進化の歴史を一気に遡りながら、その都度スネーカーの計画を阻止。最終的には本拠地である月に向かい、全宇宙の有機生命体の進化に介入する無機生命体スネーカーに対して直接対決を挑む。


登場人物編集

主人公。10歳前後。学習とレクリエーションを兼ねてバーチャル世界での遺伝子採取を手伝っていたが、人類の存亡をかけた戦いに巻き込まれた少女。出会ったばかりの生物や一時的に仲間になった戦闘メカにも情をかける優しい性格。プグラシュティクに出会って早々、無意識の行動がたまたま彼らへの呪いを意味する行動だった奇跡(不運?)の持ち主。バーチャル世界で原始的なの幼生に噛まれたことが物語後半での重要な伏線となる。


通称パック。「相手の意識を読み取る糸状の触手」と「会話をするための羽」を持ち、どんな相手とも意思の疎通が可能(対象の知能が低い場合は大まかな感情を読み取るのみ)。キツネとリスの中間のような可愛いルックスをしている。口が悪く虎哲とはよくケンカをしている。食いしん坊でピンチの時には真っ先に逃亡を提案する。その特殊能力を活かし、情報のやり取りが限られたバーチャル世界でのデータ送信や通訳を担っている。ユーラシア大陸東側(現在の日本近海)の魚が好き。寿司はサビ抜き派。また「飛行用の翼」を持つが本編ではほぼ披露されていない。


通称ティル。プグラシュティクの名門リャナン家の次女であり騎士でもあり科学者でもある。リャナン家の栄華復興のため、プグラシュティクの進化の歴史の空白部分を探る計画の途中で唯達と出会う。最初こそ敵対していたが、家督争いの果てに唯達に命を救われ、敵対心を解き、徐々に信頼できる仲間へと変化していく。が、それよりも何よりも特徴的なのはケモノ系ツンデレガール+妹属性という点である。ラストネームはプグラシュティクでは「妾腹」を意味する侮蔑的な言葉であり、彼女の出生や一族での立場を端的に物語っている。

プグラシュティクという種族特有の能力で磁場を敏感に感じ取ることができる他、素手でも人類を遥かに凌ぐ速度で地中潜行することができる。紫色の専用戦闘スーツを装備すれば、ドリル、レーザー、長時間の地中潜行、解析、映像の記録が可能。寿司はサビあり派。


エウロパ人の戦士であり科学者。性別なし。仲間の遺伝情報を体内に預かる特殊な個体のため、他のエウロパ人がその身を挺してドライ6を守る。ルックス・声ともに異星人ながら中々のイケメンである。常に冷静沈着で虎哲よりも論理的。甲殻類のような姿、人間のような姿、不定形な姿に自在に変化でき、様々な作戦・場面で活躍する。独自のタイムホール技術を使って時間移動を行う。


バーチャルステーションのシステム責任者を務める超高性能AIプログラム。UFOのような体、禿げ頭、白髭の頑固親父型のリアリティインターフェイス。普段は唯やアキラといった子供達に生物史、コンピューター学、プログラミング等を指導する立場。能力は優秀だが怒りっぽくて粗忽者。情に脆く子煩悩。油を飲んで酔っ払う。敵対していたティルを水攻めにする等『鬼の虎哲』として一部の視聴者に認識されている。


女性型のリアリティインターフェイス。初期学習の為されないままマザーコンピューターより誕生した。赤ちゃんの姿から少女へと成長し地球のあらゆることを学習していく。その過程で自身の出自を知り、悩み苦しみ、一度は自らを消去するプログラムの実行を考えるほどだったが、虎哲でさえ止められなかったマザーコンピューターの暴走を解決する等、頼もしい仲間へと成長していく。物語後半の鍵を握る存在。


もう一人の主人公。10歳前後。バーチャルステーションで虎哲の指示に従い唯達をサポートしているオペレーター。唯に恋心を寄せているが全く気付いてもらえない。様々な出来事の中で成長し、唯以外の出入りができないバーチャル世界にゲンゴロウを送り込むプログラムの開発に成功する。


その他編集

  • バーチャルステーション

量子コンピューター上に生命の歴史を完全に再現し、生命の進化の謎を解き明かすことを目的とした研究施設。現実で発掘・採集・研究された様々な生物・地質・気候のデータを基にシミュレーションし、バーチャル世界を作り上げ、研究を行っている。例えば、現実では化石等が発見されていない生物でも、バーチャル世界内で祖先や子孫にあたる生物の遺伝情報からシミュレーションし、姿形から生態まで忠実に再現することが可能。バーチャル世界内での遺伝子採取は学習とレクリエーションを兼ねて、子ども達がゲーム感覚で行っている。


  • フラクタライズ・エラー

バーチャルステーションを管理するマザーコンピューターに未知の領域から大量の情報が送られた結果、プログラムの自己増殖によって情報量が急激に増加し管理が不安定化した状態。情報量次第ではバーチャル世界の事変が現実世界に影響を及ぼす危険性を孕んでいる。本作ではプグラシュティクがバーチャル世界に介入したことで発生。これにより、外部からの「追加データ受け付け」、「唯以外の人間がバーチャル世界に入る」、「唯の体重より重い物の転送」この3つの操作が不可能となった。最終話ラストシーン以降、解決されたかどうかは不明だが、ティルやパックが変わらず存在していることから、人類の歴史とプグラシュティクの歴史が分岐したまま存在する状態を維持している模様。


ビッグバン以前の宇宙で有機生命体によって創造されたコンピューター生命体(端的に言えば、宇宙と一体化したコンピューター知性体)。有機生命体を含む宇宙全域の完全な情報化と存在の永続化が最終目標。時空構造に自らを刻むことで、たとえ宇宙ごと滅びても再度のビックバンで自力で再生可能。その目的のために多様な種類の生命体を知性体まで進化させることもあれば滅ぼすこともあり、一概に悪とは言い切れない。そのテクノロジーは凄まじく、生物の行動に影響を与えるウィルス、痕跡を全く残さない小型メカ、地球全体に架かる超熱伝導カーテン、惑星レベルの巨大レンズ、進化し続ける戦闘用メカ等を使い、惑星規模の歴史介入を行う。有機生命体やその知性体を「自分を創造し、自分の端末にも出来るコンピューターを作る事も出来るが、脆弱かつ不完全で永続できない存在」と見做しており、自身の中の情報として残す事こそがその永続に繋がると判断していた。最終話での唯との対話シーンは、NHKアニメ史に残るセンシティブな描写で伝説となった。名前はプグラシュティクの言葉で進化への介入者の意。エウロパ人達からはノーテイストと呼称されている。


  • ジーンダイブ

DNAを識別子として利用し、バーチャル世界内を時間・空間を問わず自由に行き来する技術。遺伝情報にDNAを持たないエウロパ人のドライ6や、一時的にDNA情報が消去された場合などは、ジーンダイブされずにその時間・空間に取り残されてしまう。


  • 通信機

唯が胸に付けている三角形のブローチ。前作の恐竜惑星とは違い、本作は遺伝情報さえあればバーチャルステーションから一方的な追跡や映像・音声の取得が可能なので、カメラ機能はなく、単純に電話的な機能があるのみ。ティルはこれを逆手に取り、仲間割れを装い、エウロパ人の基地への侵入を成功させた。


  • バンパイア

バーチャル世界内で生物の遺伝子を採取するためのワイヤー式の短針銃。危険生物に近付くことなく遺伝子を採取することができる。万一、危険生物に襲われた際に使用される、神経を麻痺させるパラライズ機能が搭載されており、唯は空腹のパックのために湖に向かってパラライズを撃ち、魚を気絶させて捕獲していた。


  • バリア機能

前作の恐竜惑星から引き続き登場した装備。唯に一定の物理エネルギー(攻撃や倒木など大けがや命の危険があるダメージ)が加わった際に自動で展開されるエネルギー障壁。物理エネルギーを完全に遮断する訳ではなく、熱エネルギーに変換するため、連続で攻撃を受け続けた場合、バリア内はかなりの高温になる。また、バリア機能の上限を超える物理エネルギー(レーザー攻撃など)は遮断することができない。


  • タイムブースター

前作の恐竜惑星から引き続き登場した装備。恐竜惑星では後半から奥の手として登場したが、本作では標準装備。バーチャル世界で使用者の感覚や動きのみ集中演算し、超高速で行動できるようにするアイテム。使用中は相対的に周りの空気が水あめのようになり、歩くだけでかなり苦労するが効果は絶大で、他者には一瞬で別の場所に移動したように見えるほど超高速で動いたことになる。また、小石を押してぶつけるだけでプグラシュティクの地底装甲車を破壊できる。大気のない宇宙空間ではその威力はさらに増す。一方、水あめのような空気の中では呼吸ができないため小型の酸素ボンベとセットで使う必要があり、使用時間と使用回数の制限がある。


  • ゲンゴロウ

虎哲が設計し、アキラの開発した新素材(唯の遺伝情報を組み込んだバイオプラスト素材)が採用された高性能移動用マシン。飛行・ホバリング・水中航行が可能。自衛目的のレーザーと環境に影響を与えない程度のミサイルを搭載。フラクタライズ・エラーのせいで制約があった(前述)ため、現実世界で唯の体重を超過しない程度に組み上げられ、バーチャル世界に転送された後、唯達によって完成された。命名は虎哲であり、このネーミングに関して唯は不満を露わにしている。



登場する恐竜及び古生物編集

第1~2話編集

場所:鮮新世前期450万年前の北米

第5~7話編集

場所:更新世後期4~25万年前の北米シベリアエチオピア

第8~10話編集

場所:鮮新世前期350万年前のエチオピア

第11話編集

場所:中新世中期2000万年前の日本

第12~13話編集

場所:漸新世前期3300万年前のモンゴル

第14話編集

場所:鮮新世前期450万年前の北米

第14~15話編集

場所:始新世前期5000~5500万年前の北米エジプトパキスタン

第16話編集

場所:暁新世後期5700万年前のパキスタン

バーチャルステーションのスクリーン編集

第17~26話編集

場所:白亜紀後期7000~6500万年前の北米インド

第26~28話編集

場所:三畳紀後期2億2800~2億2500万年前の南米アフリカ境界

第29~32話編集

場所:ペルム紀末期2億4500万年前のシベリア北極

第33~36話編集

場所:デボン紀最末期3億6200万年前のグリーンランド

第37~41話編集

場所:カンブリア紀5億3000万年前の北米


関連イラスト編集

ジーンダイバー的ジーンダイバーセンシティブな作品


関連タグ編集

天才てれびくん バーチャル3部作 珪素生物

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