概要
学名:Eoraptor lunensis Sereno et al., 1993
1991年にアルゼンチンのイスチグアラスト州立公園のイスチグアラスト層で、シカゴ大学の調査隊が発掘調査をしていた際、当時博士課程の学生だったリカルド・マルチネスが野球ボール大の石の中にある頭骨の化石を発見した。そしてその周辺からほぼ完全な骨格化石が見つかり、シカゴのフィールド博物館でクリーニングされた後、1993年に同大学の古生物学者ポール・セレノによってエオラプトル・ルネンシスと命名された。
名前は最古の恐竜の一つであることと、発見されたイスチグアラスト州立公園の別名「月の谷」にちなんで、「月の谷の暁の略奪者」を意味する。
「〇〇ラプトル」名義は身軽な体型の十脚類によく用いられる(例:オヴィラプトル、ヴェロキラプトル、フクイラプトル)
特徴
当時のほとんどの恐竜と同じく、全長約1メートル程度と小型だった。
骨は中空で後肢は細長く、速く走るのに適していた。前肢にはまだ指が5本あったが、そのうちの3本は長く発達していた。また仙椎が三つしか無いことも特徴である(エオラプトル以降の種類は5つかそれ以上ある)。
歯は小さくて鋭く、先端が奥に向かって曲がっていることから、肉食だといわれてきたが、顎の前方の歯は植物食恐竜のような葉型だった。このため、動物と植物の両方を食べることができた可能性が高い。
分類については、命名者のセレノは当初は最古の獣脚類と推測していたが、2011年に発見者のマルチネスが原始的な竜脚形類に再分類し、2013年にはセレノもこの説に賛同した。
しかし原始的な特徴が多いことから、竜脚類と獣脚類に分岐する前の段階の竜盤類、もしくは恐竜ですらないと考える研究者もいる。
※竜脚類(プラテオサウルス・ブラキオサウルス等)と獣脚類(ティラノサウルス・アロサウルス等)は体型こそ大違いだが同じ「竜盤目」である。そのため祖先は共にコイツのような小柄な二足歩行の恐竜で、肉食ないし雑食であった。
生態
前述した歯や顎の特徴から、小型の単弓類や昆虫、シダなどを食べる雑食と考えられている。当時はヘレラサウルスなどより大型の肉食恐竜や、サウロスクスなどワニの祖先にあたる肉食爬虫類が多数生息していたが、速く走ることで彼らの攻撃から逃れていたのだろう。それらの捕食者から身を守るために群れで行動していた可能性もある。
古代王者恐竜キング
DSゲーム「7つのかけら」で先行登場し、後にアーケード版の目覚めよ!新たなる力!!で最後の秘属性恐竜として登場した。二つ名は「暁のプリンス」。
ディノニクス・クリオロフォサウルス以来の風属性モーション。
図鑑には律儀に「Eoraptor Lunensis」と種小名つきで記載されており、こんな扱いは他にフタバサウルス・スズキイやティタノサウルス・コルバーチ(現イシサウルス)くらいしかない。
ちなみに2007年発売なのでやや情報が古く、ヘレラサウルス科とされている(当時の図鑑は媒体によってエオラプトル科や未定等とされていた。現在はグアイバサウルス科とされる)。
他のシークレット組と違い、専用の超わざはないが、他の恐竜に変身することができ、秘属性以外の超わざをすべて使える。ただし変わるのは体型だけで、色はエオラプトルと同じ薄紫色。また属性は全て秘属性のわざとして扱われる。
「7つのかけら」では超わざ使用時以外は本来の姿だが、超わざ使用時にそれぞれの属性の恐竜に変身する(容量節約のためかシルエットのような黒一色の姿)。
アーケード版では戦闘開始前にフォームが決まり、その属性の超わざを使える。シークレット恐竜テクニック1000が多い中テクニックが3000と過度に高く設定された。その代わりに攻撃力が最も低く設定されている。
変身する恐竜は以下の通り。
属性 | 7つのかけら | アーケード版 |
炎 | ティラノサウルス | サウロファガナクス |
水 | スピノサウルス | アマルガサウルス |
雷 | スティラコサウルス | スティラコサウルス |
土 | サイカニア | ステゴサウルス |
草 | パラサウロロフス | ランベオサウルス |
風 | カルノタウルス | メガラプトル |
必殺わざは「7つのかけら」ではチョキ。アーケード版は属性によって変わり、炎と土はグー、水と草はチョキ、雷と風はパー。
バトルタイプは「7つのかけら」ではこうげきタイプ、アーケード版はぽか~んタイプ。
※アーケード版には、あいこになると相手がその手の技をド忘れして一時的に「技カード無し」状態になる「わざポカーン」という技があった。ポカーンタイプはその特性版といったところ
「7つのかけら」
なぜかブラキケラトプスの鳴き声が当てられている。
入手方法は恐竜図鑑(D1~D72の恐竜。お助け恐竜や暗号限定恐竜などを除く)を全て埋め、コダイマンに話しかけるとエオラプトルが復元できる化石を貰える。なお、この図鑑完成条件にはWi-Fi接続が入手条件となるメガラプトルが含まれる為、現在の入手は非常に困難となっている。
入手条件が厳しいだけに性能はアホみたいに高く、シークレット恐竜の専用技以外はどんな技でもセットできる上に攻撃力・体力とも★6とほぼ同じ(HPはわずかに低い)。
テクニックは800止まりで★5とほぼ同じだが、これで1000とかあったらぶっ壊れもいいとこなのでささやかなリミッターということだろうか(というか★6はレベル99でテクニック600しかないためこれでも破格)。専用技以外はアクト技か基本技しか使えない上にテクニック以外軒並み低いシークレット組は泣いていい。
ただでさえ掟やぶりのカスタマイズ性を持つ上に、シークレット恐竜は受けるダメージと与えるダメージが2割ずつ増減するという仕様の恩恵で実際の火力はサウロファガナクスをも凌ぎ、実質HP6000にも等しい(他のシークレット組は攻撃力がかなり低く、2割増+専用技の高倍率でそれなり火力という扱い)。
余談
エオラプトルの発見者であるリカルド・マルチネスは、現在、サンファン国立大学自然科学博物館の古生物学者である。2011年には、同じく月の谷で発見された最古の獣脚類をエオドロマエウスと命名している。