概要
白亜紀前期(1億1500万年くらい前)の今で言う日本に生息していた中型の獣脚類。
種小名込みの学名は「フクイラプトル・キタダニエンシス」といい、これは「北谷層産の福井の泥棒」となる。
推定全長は5~6メートル程(化石として見つかっているのは4.2メートル程の若い個体)だが、完全な復元のなされた日本産の肉食恐竜としては最大級。
頂点捕食者としてフクイサウルスなどを狩るハンターだったと考えられている。
発見
1988年10月に福井県勝山市の北谷という地層で発見され、地名にちなんで便宜的に「カツヤマリュウ」と命名(学名は2000年につけられた)。
肉食恐竜としては日本で初めて全身骨格が復元され、勝山市の福井県立恐竜博物館に展示されている。
分類
かつてはアロサウルスに近いカルノサウルス類と位置付けられ、ジュラ紀後期の中国に生息していたシンラプトルに最も近縁とされていた。
だが現在ではヴァユラプトルなどと同じく原始的なメガラプトラ(メガラプトル類)であるとされている。
メガラプトラの恐竜は前肢を武器として使用したと推測されるが、フクイラプトルは基盤的であるため前肢の第一指はシックルクロー(ブレード状の鉤爪)となっておらず、狩りには主に顎を用いたと考えられている。
しかし、シンラプトルに近縁とされていた時代に作られた復元骨格が有名なので、どちらかといえばアロサウルス寄りな見た目で描かれることも多い。
特に頭部化石はほぼまったく見つかっていない(断片が少々のみ)こともあって、復元図などはシンラプトル寄りの復元に基づいたものがいまだに多いが、近年、メガラプトラのより派生的な種のメガラプトル(の幼体)の化石に基づいて、細長いものも散見されるようになった。ただし上述のように基盤的な種で、主に顎を使って狩りをしたと推測されるため、後期のメガラプトル類などとは頭部形状も異なっていた可能性は否定しきれない。
メディア・創作
日本国内で見つかった恐竜のうちでは(おそらく)メディアへの露出が一番多い。
ゲーム作品では「古代王者恐竜キング」の他にもカセキホリダーシリーズやあたりには登場している。(他にもあるかも)
『獣電戦隊キョウリュウジャー』にもこれをモデルとした獣電竜「プクプトル」が登場した(同番組は他にも福井県立恐竜博物館をロケ地に使用したりと、重点的なコラボを行っている)。
また、環境省「チームマイナス6%」のキャラクターチーム員 No.561であった。
ディノアライブ
福井県立恐竜博物館特別館長の監修を経て2017年にデビュー。
発見された個体が亜成体であったことから実際の骨格より大柄な5.0mに設計されているが、モデルはほぼ別の恐竜を流用したもの。
古代王者恐竜キング
風属性。「日本のエース」といういかにもなショルダーネームをもらった。
2006年に登場以来一度も通常排出にはならなかったプレミアカードで、あいこタイプが大会参加賞限定カード、そっこうタイプが福井恐竜博入場者限定カード、ふっかつタイプが恐竜博「恐竜大陸2008」限定カードとして登場。
- この為か風属性の中では体長が最小にもかかわらず強さが1200。
「アジアの卵」使用時に出てくる事もある。
DS版ではなぜか敵専用だが、つよさ1200相当のステータスで、そっこうタイプであることが判明している。
獣電戦隊キョウリュウジャー
フクイラプトルをモチーフにしたプクプトルが登場する。
余談
通称が「カツヤマリュウ」だったのに、種名は「キタダニエンシス」となったフクイラプトル。
しかし化石が見つかって間もない頃、前足のツメが別種の恐竜の後ろ足の爪と誤解され「キタダニリュウ」と通称されていた事がある。
また「勝山」は後に発見されたイグアノドン科のコシサウルス(コシサウルス・カツヤマ)につけられた。
なおフクイサウルスは産地の手取層にちなみ「テトリエンシス」とつけられたが、フクイティタンはドドンと「ニッポネンシス(日本産の)」となっている。