概要
メガラプトラ内に配置される科。
非メガラプトル科メガラプトラとの相違点として、前肢の第一指の爪がブレード状の「シックルクロー」となっている点などが挙げられる。
シックルクローのブレードが内側についている点や前肢の可動域などから、「小型の獲物を抱え、獲物の自重で腹を裂き殺す」という狩りの様式をしていたと考えられる。※
小型動物が獲物の中心だったためか、頭部はあまり頑強だったようではなく、メガラプトルの幼体の頭骨から推測された上下幅が低い細長の復元をされることが多い(頭部がみつかっていない種も多いため全ての種がそうだったとまでは言い切れないが)。
大型肉食恐竜は頭部を上下幅がある頑強なものにして(その分の上半身の軽量化のためか)前肢を小さくする傾向が多いが、その点で特異な進化をしているといえる。メガラプトル類が栄えた南米で共存していたアベリサウルス類が頭部が上下幅があり前肢が極端に小さくなっていた(獲物は大物狙い?)のとは対照的であり、両者の間には獲物の喰い分けが存在したことが推測される。頭部の形状から喰い分けをしていたと推測される例はキアンゾウサウルスのように北半球のティラノサウルス類にも見られる。
巨大な前肢の爪をもち頭部が細長い傾向がある肉食恐竜のグループではスピノサウルス科が有名だが、あちらは魚食を中心とした適応を遂げた結果であり、歯や爪などの形状などをみるに、メガラプトル類は魚食中心だったわけではないようである。
南米(および南極とオーストラリアからなる陸塊)においてはメガラプトル類が白亜紀後期序盤にギガノトサウルス等のカルカロドントサウルス類が絶滅した事で大型化し、彼らの生態的地位の一部(おそらくは上述のようにアベリサウルス類と喰い分け等で共存)を埋めた恐竜となったと思われる。一方で同じ南半球には当時、インド、アフリカ、マダガスカルからなった陸塊があったが、ここではメガラプトル類と判明している化石はほとんど皆無である。化石がまだ発見されていないだけなのか、あるいはここではアベリサウルス類が大型捕食者の地位を占有していたのかもしれないが、いずれにせよ更なる研究が待たれる(北半球のユーラシア、北米でもメガラプトル類やそれに属する可能性がある恐竜は少なくとも白亜紀後期後半の地層からは全く見つかっていない)。
下位分類
クレードA
クレードB
関連タグ
※恐竜復元教室メガラプトル編(2022年12月25日開催)