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概要編集

大きさ2.5〜4メートル、推定体重50〜70キログラム前後の小型恐竜。名前は「恐ろしいツメ」という意味。

イが小文字の「ディノニクス」でも間違いではないが、これは英語読みなのでラテン語に沿ったより正しい発音は「デイノニクス」となる。

 

アジアのヴェロキラプトルと並ぶドロマエオサウルス科の代表格にして、「恐竜も爬虫類なんだから変温動物で、鈍重だったにちがいない」という当時の通説に対して「恒温動物で機敏に動ける(ヤツもいた)」という考え(恐竜温血説)が提唱されるきっかけとなった偉大な存在でもある。また恐竜の中では比較的大きなを持ち、知能はなかなか高かったようだ。

 

特徴編集

その名の通り、の第2指に鎌のような鋭く大きな爪が生えていた。大きさは13センチ程。

尾は細い腱に囲まれていて頑丈で、バランスを取るのに役立った模様。

しかしいかにも身軽そうな体格の割にはそこまで俊敏でもなかったらしい。

 

実は群れてなかった説編集

こいつの化石は植物食恐竜のテノントサウルスとともに集団で発掘された事から、長い間、少なくとも生涯のある程度の時間を群れで行動する動物だったと考えられていた。

オオカミのように統率された群れなのか、マグロ小鳥のようにリーダーが存在せず本能的に行動する群れだったのかまでは不明で、「元々彼らは単独で暮らし、一匹の個体が仕留めた獲物を食べようと寄ってきただけ」という説さえも出された。

 

そんなデイノニクスだったが、化石の研究が進むにつれて従来のイメージが崩れていき、少なくとも統率の取れた連中ではなかった可能性が浮上した。この辺りは今後の研究の深化が待たれるところだ。

  1. 共食い

あるデイノニクスの尾椎の化石に他のデイノニクスの爪が食い込んでいたことから指摘された。

しかしマジュンガサウルスカルカロドントサウルス科らしき肉食恐竜など明確な証拠のある連中も見つかっており、「肉食恐竜は共食いの性質を持っている(ヤツもいた)」という事は以前から知られていた。

また共食いとまではいかずとも、「群れに一定の社会性を持つ動物でも、リーダーの座(もしくは群れ内の順位)・メスを得るためなどの理由で同族同士で激しく争うことは珍しい事ではない(例:ライオン)」という実例が確認されているので、群れの統率性を完全に否定することはできない。


  1. 早々に自立していた?

成体と幼体ではの炭素同位体のレベルが異なっており、成体と幼体で食べていたものが違った=親から給餌されていなかった模様。

ただし、ワニの中の子育てをする種は「子供を守りはするが餌取りは子供任せ」というやり方を採っているので、必ずしも子育てをしていなかったとは言えない。

 

いずれにせよ、従来の「高い知能を持ち、統率の取れた群れで暮らす」というドロマエオサウルス科のイメージ象に疑問点が生じているのは確か。今後の研究によっては従来のイメージと全く違うドロマエオサウルス科像が現れてくるかもしれないが、その「従来のイメージがひっくり返る」のは古生物研究の世界ではザラにある事。


鉤爪の威力編集

発達した第2指の鉤爪は生前切れ味鋭い角質に覆われており、強力な武器として機能したとされている。無論、獲物にしがみつくような時に利用された可能性もあるだろう。

もちろん磨耗しては使い物にならないので、使わない時はほぼ真上を向くように立てていた。


発見物語編集

1964年に古生物学者ジョン・オストロムにより発見された。

オストロム博士はデイノニクスの身体的構造を研究し、高い運動能力が想定される事を明らかにした上で「このような動物が(骨格に見合った)活発な動きをするには恐竜が温血動物ではないと無理だ」と結論するに至り、ひいてその仮説は「恐竜温血説」が誕生するきっかけとなった。ちなみに提唱者はオストロムの教え子ロバート・バッカー。

羽毛が生えた近縁の恐竜の発見に伴い、最近は羽毛を生やした復元が一般的となっている。→羽毛恐竜


フィクションでは編集

有名な恐竜映画『ジュラシック・パーク』の”ラプトル”は、実際にはこのデイノニクス(または近縁種のユタラプトル)がモデルであると言われている。

この映画の影響もあってラプトル系統の代表選手として登場することが多く、『刃牙道』では現代に生き返ったピクル宮本武蔵の卓越した剣技と迅さを重ね合わせて見ていた。その際には「アイツ(大型肉食恐竜)は強かった、だから弱い奴が仕留めた死骸を奪えた。だがデイノニクスどもは常に生きた者を襲い切り刻んでいた。故に奴らは凶暴で速かった」とモノローグで独白している。


古い作品では『サイボーグ009』においてこいつを主軸にしたエピソード「デイノニクス編」があり、当時としては画期的だった恐竜温血説を紹介していた。


古代王者恐竜キング編集

2006冬季限定で初の秘属性として登場。二つ名は「戦慄のハンター」。

羽毛恐竜としてデザインされているが、実はわざカードを除けば羽毛恐竜としては初登場。またカードはトリオで描かれており、リーダー格らしき個体はトサカのような飾り羽(?)をなびかせているのが特徴。

 

体型的にも秘属性とわざカードしかないであろうパキケファロサウルステリジノサウルスを差し置いて、キャラモデルや登場時のモーションが風属性の流用である。群れで行動していたという当時の通説から秘属性でないと相応しくないと判断されたのかもしれないが…

 

技は専用のものが割り当てられている。テクニック200~800の通常技をスキャンすると専用の技に変わる仕組みで、技は毎ターンランダムで発動する。

 

バトルタイプが頻繁に変わっており、2006冬季はこうげきタイプ、2007第1紀・2007第4紀・DS版はピンチタイプ・覚新3紀ではかいしんタイプ・覚新6紀では化石カードの為ふっかつタイプ。必殺わざはパー。


超わざでは普段引っ込んでるお供(?)二匹も登場して群れで攻撃する。グーは流星群を落とす「ダイナギャラクシー」、チョキは2頭の子分デイノニクスが相手に向かってX字状に体当たりする「クロスカッター」、パーは3頭全員で前転しながら飛びかかり、体当たりで攻撃する「ローリングアタック」。


テレビアニメでは第34話に登場。忍者屋敷に現れた。

3匹で1枚のカードになっている。ソーノイダに忍者恐竜として育てられたが、過度に厳しくしていたため、返り討ちにあっていた。


第1期では再登場し、ブラックティラノサウルスに立ち向かった。


第64話では宇宙海賊ザンジャークのミハサの恐竜として登場した。

 

DS版編集

物語後半に敵として登場するが、味方としてはWHF2007冬の会場限定で配布されたのみ。

正確にはコイツを直接もらえるのではなく、入手に必要な恐竜あんごうを配信という仕様だったのだが、何を思ったか配信データが無いとあんごうを入力してもムダという意地悪仕様。それ故に何とか入手しようとチーターも横行したらしい。

幻のポケモンよろしく、入手しなくても図鑑のコンプリートには影響しないというささやかすぎる配慮はあったものの、図鑑には載るのでなんともモヤモヤさせられる(見ただけでも姿は載るが、入手していないと図鑑の解説が読めないという仕様はポケモン図鑑と同じ)。

 

いざゲットできたとしても高いのはレアリティだけで非常にクセが強く、攻撃力やHPは★1~2の間でかなり低い。しかも専用技以外には基本わざか「アクトわざ」しか使えず、カスタマイズ性は皆無。トップクラスのテクニックがあるが、専用技もアクトわざもそこまで消費MPが多くない。

ちなみに専用わざは発動率30%(発動しなかった場合は通常攻撃で、アーケード版におけるわざカードなしと同じ)。

 

イベント配布という激レアだからあえて弱くしたのか、むしろそれだけのレアリティに見合ってないのか。


最強王図鑑フランチャイズでは編集

『恐竜最強王図鑑』では3体の群れで登場。体格差のハンデを埋めるためだ。その結果、ケツァルコアトルスステゴサウルスケラトサウルスアルゼンチノサウルスと戦いベスト4進出。続く『恐竜タッグ最強王図鑑』ではティラノサウルスのおかげで準優勝と、小型ながら意外と好成績だ。


アニメ版には未登場だが、戦う相手により群れか1体か分かれる形で登場すればいいとの声も。


ARK:Survival_Evolved編集

ValgueroFJOROURに登場。巣から卵を盗み、孵化させてテイムする。唯一ボスにも通用する出血攻撃を持っているので、ボス戦で大活躍。特にドラゴン戦では、炎ブレス無効でアンバーグリスで回復できるマグマサウルスとペアを組み、マグマサウルスがドラゴンの攻撃を受け、デイノニクスが足を攻撃するというコンビネーションでの攻略が主流になっている。うまく立ち回れば、デイノニクス単騎でもドラゴンを倒すことができる。

 

獣電戦隊キョウリュウジャー編集

デイノニクスをモチーフにしたディノチェイサーが登場する。


Fate/GrandOrder編集

2部7章デイノニクス11兄弟が登場する。


関連イラスト編集

デイノニクス_Deinonychus 2021デイノニクス_2022

Paravians A to Z: DCounterbalancing Terrible Claw


関連タグ編集

恐竜 獣脚類  ドロマエオサウルス科 ラプトル

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