概要
別名ペンギンモドキ。
始新世~中新世後期(だいたい4000万~1500万年前)の日本とアメリカに生息していた海鳥で、鵜のような長い首とクチバシを持つが、体型はペンギンに似ている。もちろん飛べないが、泳ぎは上手かった(ちなみにコイツの名前は「泳ぐ翼」という意味)。
なお体長は2mあり、ジャイアントペンギンよりもビッグ。長い首のおかげ?
※現在最大のコウテイペンギンは1.2mくらいあるが、ジャイアントペンギンは1.5m程。
骨格の特徴からペリカン目に分類され、鵜やカツオドリに近いとされていたものの、近年の研究の結果脳や前肢(羽)のつくりからペンギン「もどき」ではなく本当にペンギンの仲間ではないかという説が出た。ちなみに現在ペンギンの仲間は南半球にしかおらず、北半球(=北極圏)はウミスズメという鳥がいる(収斂進化で類似した体型をしている)が、プロトプテルムはかつて北半球にもペンギンの仲間が存在したことを示す可能性があるため注目される。
日本では漸新世(3400万~2300年くらい前)の終わり頃の地層から化石が発見されていて、北海道からは近縁の「ホッカイドルニス」というやつが出ている。しかし中新世に入っても前半期の800万年程生き延びており、この時期はアロデスムスやイマゴタリアといった鰭脚類と共存していた。
それ以降は見られなくなったので、このくらいの時期に絶滅したと考えられている(プロトプテルム科そのものもコイツの絶滅を以て全滅)。
関連タグ
ヘスペロルニス:恐竜時代のそっくりさん。
ただしこの鳥は白亜紀の終わりに絶滅した原始的なグループに属しており、コイツの先祖というわけではない。