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概要編集

始新世末期から漸新世前期のモンゴルに棲息した絶滅哺乳類で、属名はその角に因んで「大槌を持つ獣」を意味する。故に和名ではオオヅチサイとも呼ばれるが、系統的にはとは少し遠縁のブロントテリウムの仲間であった(奇蹄目なので犀とは同じグループ)。


体長4m・体高2.5m・推定体重2t程の大型動物で、多くの近縁種と同様に柔らかい植物を好んで食べていた。

鼻の上の板状の角は70cmにもなるが、近縁種のブロントテリウム等とは異なり鼻骨が発達したもので(ブロントテリウムは前頭骨が発達した角をもつ)、 額の上にまでかけて一体となった装甲板を持っていた。恐らく雄の方が大きく発達し、同種同士でのディスプレイに用いられていたが、強度は脆かったので犀の角のように身を守る武器とはならなかった可能性が高い。


鼻骨が伸びたものなので、角にも鼻腔が通っており、これに基づいて「鼻の孔は角の先端にあった」という異説がある。これに基づくと実に珍妙な顔立ちだったことになるが、広く認められているとは言い難い(そもそも鼻孔が口先に近い位置にくるのは水中生活者のクジラなどを除けばほとんどの四足類で共通している。鼻は食べ物などを見分ける嗅覚の中心であるため、多くの場合、口先にあるのが自然である。エンボロテリウムの鼻孔が角の先端にあったという異説はその場合の利点を説明しきれていない。ちなみに、かつては頭骨から頭の上に鼻孔があったという復元がされがちだった一部の竜脚類は、皮膚や筋肉の付いている状態での鼻孔は口先に近い位置だったと解釈されるようになってきている)。

この鼻骨に通っている鼻腔は共鳴器官であり、口先の鼻孔から鼻腔の一部が上に伸びる事で角全体が共鳴器を兼ねていた、ともされる(早い話が鼻を鳴らす音を大きくさせる器官)。もしこの説通りに共鳴器官やディスプレイに角が使われたのだすれば、エンボロテリウムは頭部の装飾の使い方という点ではランベオサウルス亜科に似た進化をとげていたといえる。





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奇蹄目 ブロントテリウム 古生物

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