カンブリア紀に生息していた海洋生物。分類は定かではないが親記事は軟体動物として設定している。
形態
全長は2.5〜5cm。楕円形の体を固いウロコで覆っていて、その上さらに10本ほどの大きなトゲが生えている。これは外敵から身を守るためのものだと考えられている。
体の下側はカタツムリやナメクジのようになっており、筋肉を幾筋も収縮させて前進する。
化石で発見される生物は色素などが残っていないので、生息当時の色はわからないのが普通であるが、このウィワクシアは体を覆うウロコの表面にマイクロメーターサイズの溝があることが判明しており、光の干渉によって生息当時は虹色に輝いていたのではないかと推測されている。
分類
全体的な形態は現生の生物とは全く似ていない。かつては環形動物の一種で、表面のウロコを多毛類の特徴である剛毛と相同として多毛類に近い(ゴカイの類)とされたが、口の周辺に軟体動物の特徴である歯舌が見出されたことから、現在では軟体動物とされることが多い。環形動物と軟体動物の共通祖先の系統と考えられることもある。
かつてカンブリア紀の生態系がまだ明らかにされていなかった頃、トゲが折れたウィワクシアの化石が発見されていた。これは歯形のついた三葉虫と共に、大型の捕食生物・アノマロカリスを復元させるきっかけになったという。