もしかして→mastodon
概要
マンモスより古い時代(推定1600~1100万年前ごろ)から北米大陸に生息していたゾウの仲間で、化石はアラスカからメキシコまで北アメリカ大陸の全域で見つかっている。
体長4.6m・体高3m程で、四肢はやや短くズングリとした体形をしていた。そのため他のゾウに比べると胴長短足だが、がっしりした体型のため体重はアフリカゾウより重かったとされている。牙は260㎝もの長さになったが、湾曲したマンモスのものと比べるとまっすぐに生えていた。また僅かな証拠しか確認されていないが、体毛が生えていたと考えられている。
最大の特徴は名前の由来にもなった歯で、「乳房のような歯」を意味する通り凹凸が顕著で、乳首を彷彿とさせる突起が並んでいた。現生のゾウやマンモスがやすり状の歯で硬い草を食べるのに適していたのに対し、長鼻目としては原始的な歯を持つマストドンは柔らかい木の葉などを主食としていたと考えられている。実際、胃内容物としてエゾマツの葉や松ぼっくり、水草や苔などが確認されている。
こうした食性の違いから、草原で暮らしたマンモスとは異なり森林で暮らしていたとされ、うまく共存を図っていたと思われる。
絶滅の原因はマンモスと同様、人類の乱獲や気候変動などが挙げられるが、真相は分かっていない。
最大級の陸上生物に匹敵したかもしれない古代ゾウ「''Zygolophodon''」は近縁だった可能性もある。