発見と命名
最初の化石はカナダ・アルバータ州のエドモントン累層にて発見され、1917年に古生物学者ローレンス・ランベによってエドモントサウルス・レガリスと命名された。
現在までに模式種E.レガリスのほかにもう一種E.アネクテンスが命名されている。かつてトラコドン、アナトサウルス、アナトティタンとされてきた化石は、現在ではすべてエドモントサウルスのものと判明し、無効名となっている。
また、2015年に命名されたアラスカ産のウグルナールク・クークピケンシスも、近年ではエドモントサウルス族とされている。
保存状態のよい化石が多数発見されており、貴重なミイラ化した化石も他の恐竜に比べて多数発見されている。特に2000年にアメリカ・ノースダコタ州で発見された「ダコタ」と呼ばれる標本は、それまで発見されてきたミイラ化石の中でも最も保存状態がよく、彼らの研究に大きく貢献した。
特徴
一般的な大きさは全長9m・体重3tほどとカモノハシ竜としては平均的だが、E.アネクテンスは最大で全長12m・体重7tに達したともされている。また、断片的な骨格だが、「X.レックス」と呼ばれるE.アネクテンスの標本は全長15m・体重10t以上と推測され、シャントゥンゴサウルスと並び鳥盤類最大の恐竜だった可能性もある。こうなると大人のティラノサウルスでもなかなか狩る事が難しい獲物だったのではないだろうか。
「ダコタ」など保存状態のよいミイラ化石の発見により、他の恐竜に比べ多くの解剖学的特徴が判明している。軟組織の痕跡をCTスキャンで調べた結果、従来の推測よりも25%も筋肉が発達しており、背中にはイグアナなどと同様に角質の背びれがあった。また、体表の鱗のパターンから、生前は保護色に役立つ縞模様があったと推測されている。他にも足先に肉趾、ケラチン質の蹄も確認された。
それまでは多くの近縁種と同様にトサカは発達していなかったと考えられていたが、2013年にE.レガリスのミイラ化した化石から、現在の鶏のような肉質のトサカが確認され、トサカを持っていたことが判明した。だが、これがエドモントサウルス属全種にあったのか、雌雄両方に存在したかまでは今のところ判明していない。
他のカモノハシ竜と同様にその歯は「デンタルバッテリー構造」となっており、予備の歯を含めて最大60列(合計2000本)もの歯があった。
生態
棲息した時期は、E.レガリスはアルバートサウルスやパキリノサウルスなどと同じ時期、E.アネクテンスはティラノサウルスやトリケラトプスなどと同じ時期であった。
化石の体腔からは針葉樹の葉、種子、小枝が化石化して発見されており、それらを餌としていたようだ。証拠は見つかっていないが、当時出現していた初期の被子植物を食べていた可能性もある。
かつてアラスカの個体は渡りをしていたと考えられていたが、足跡化石や歯のストロンチウム同位体の研究などから、現在では渡りをせずアラスカで越冬していたと考えられている。このことから、寒いアラスカの冬をやり過ごすため高代謝だった可能性が示唆されている。
健康な成体はその巨体からほとんど無敵だったと思われるが、たいした武器も持っていなかったので当時の多くの獣脚類の主食となっていた。アラスカで見つかった幼体の化石の多くにはトロオドンの歯型が残っており、E.アネクテンスの化石にはティラノサウルスの歯型や骨の一部が食い千切られた痕跡が確認された。またティラノサウルスに襲われたものの骨が回復し、生き延びたと思われる化石も見つかっている。これらの天敵に対抗するためか、発達した筋肉のおかげで走る速度は速く、時速40~50キロで走れたと推測されている。
フィクション
同時期に生息したティラノサウルスやトリケラトプス、アンキロサウルス等に比べると知名度が低い影響か、フィクションで取り上げられる事は少なめと不遇な扱いとなっている。
『恐竜再生』などの海外ドキュメンタリーでは、シノニムとなる前のアナトティタンがよく登場していた。
NHK恐竜CG
問題作と称される『花に追われた恐竜』で初登場するも、以降は2023年の『恐竜超世界2』まで音沙汰がなかった。
恐竜たちの大移動〜スカーとパッチの物語〜
主役枠として登場した貴重な作品。
本作ではスカーと呼ばれる亜成体が、北極圏から越冬のために南下する姿を描いている。
古代王者恐竜キング
事実上の最終バージョンで登場。草属性。必殺わざはチョキ、かいしんタイプ。ショルダーネームは「静寂の美獣」。
- ただし、その前のバージョンでは草属性の超わざ「ソーンウィップ」のカードに描かれていた。
ちなみに現在シノニム扱いとなっているアナトティタンはエドモントサウルスより先に登場している。
ジュラシック・パークシリーズ
『ジュラシック・ワールド』では飼育されているという設定のみ存在しており、以降はゲームなどでの登場に留まっている。