概要
アメリカ合衆国の北西部にある州でカナダに接する。「グレートプレーンズ」と呼ばれる大規模平原地帯の北端に位置する州であり、冬の寒さが厳しい。州都はピア、最大都市はファーゴで約12万人だが、州内の人口は80万人に満たない、全米で4番目に人口が少ない、人口密度も全米で4番めに低い州である。
また、大陸48州で最も寒冷な州でもある。カナダでの降雪とその融水による河川の洪水が絶えない州でもあり、それで発展を大きく遅らせた。一方で、合衆国の食糧庫としてパスタ原料として欠かせないデュラム小麦生産は全米の約60%、その他大麦、燕麦、キャノーラ(菜種油用のアブラナ)、大豆、ヒマワリといった食用油原料の生産も多い。また、意外にも蜂蜜の生産は全米トップである。ただし、気候変動や雨の影響を受けやすく、それが世界の市場にも大きく左右している。
現在のノースダコタ
かつてノースダコタはアメリカ随一のど田舎州としても知られ、パタリロ!にもネタにされるほどであった。その頃のダコタ(サウスダコタ州も含め)は寒冷な気候もあって若者の人口流出が相次ぎ、州の人口はあわや60万人を切りそうになったことさえあった。
もともと州の北西部には大規模なオイルシェールがあったが、当時は精製技術が低く商品にならなかったとされる。しかし2000年頃から中東の政情不安や原油高を受けて本格的に開発を進めると、それが全米屈指の埋蔵量であることを確認(開発者にちなんでバッケン油田と呼ばれる)、鑿井、精製技術の向上もあって採算ラインに乗るほど大規模なものとなり、現在ではテキサス州に次ぐ全米2位の、オイルマネーに湧く州にもなっている(それによる大気汚染も起きているのだが)。
州経済が上向いたことで人口も急増、70万人未満だった人口も10年の間で80万人に迫る勢いとなっており、過疎状態だった州西部を中心に人口が急増している。その南西部には炭田があり、そこではレオナルダイトという土壌改良材が豊富に採れるので、こっちも採算ラインに乗っている。
一方で、州の東端に位置するファーゴは治安の良い都市として知られるようになり、加えてマイクロソフトがシアトル近郊に次ぐ開発拠点に選んだことで人口が急増している。