概要
4600万年くらい前(始新世中期)に生きていた哺乳類で、大きな剣歯と頭上にある短い6本のツノが特徴的。どのような祖先から進化したのかも、他の哺乳類との類縁関係もはっきり判らぬ謎の獣として知られる。大きさ3メートルくらい。
学名の意味は「ウインタの獣」。
ウインタ(Uinta)とはアメリカ西武のワイオミング州にある地名であり、「Winter(冬)」ではない。
厳めしい顔つきだが草食動物で、食べ物は木の葉。暮らしぶりはサイに似ていたらしいが、別にサイの先祖というわけではない。ウインタテリウムは「恐角類」という哺乳類の繁栄期の初期に現れた原始的な大型植物食動物であり、その最大にして最後の種の一つである。陸上哺乳類としては当時、最大級の大きさを誇っており、ワニなどを除けば目立った天敵もライバルとなる大型植物食動物もいなかったと思われる。
しかし、ウインタテリウムの恐角類はじめとする当時の幾つもの原始的な大型植物食哺乳類のグループは比較的短命のうちに謎の絶滅を遂げてしまった(何らかの急激な環境の変化が最も考えられるも、それが何かは具体的には解っていない)。彼等の絶滅後の始新世後期には当時はまだ小型だった奇蹄目や偶蹄目といった現在も生きている植物食哺乳類が急速に大型化し、台頭するようになっていく。