概要
巨大なサイで、名前は「皿の様な獣」を意味する。Caucasicum 種は体長5m、体高2.5m、体重3.5-5tに達したとされ、第四紀では最大のサイの仲間である。体格のわりに脚は長く、象のごとき巨体ながらも馬のように素早く機敏に走れたとされる。
当たり前だが草食動物で、エナメル質が模様のようになった高い奥歯のおかげで堅い植物でもおいしくいただけたようだ。
ちなみに「歯が高い」というのは、歯そのものが長い(普段は大部分が歯茎に埋まっていて、すり減ると少しずつせり上がってくる)ということ。我々人類のような歯は「歯が低い」と呼ばれる。
生息年代は更新世前期~中期(大体150万年くらい前)で、生息地はロシアをはじめとしたユーラシア大陸。やはり当時も寒かったらしく分厚い毛皮を持っていたが、氷河期に生きていたコエロドンタ(ケブカサイ)とは全くの別種である(エラスモテリウムより前に現れてはいたが)。
絶滅した原因として気候変動が有名だが、近年の研究では人類と共存していた可能性が指摘されており、ケブカサイやマンモスのように人類の狩猟も影響していたかもしれない。
最大の特徴は角である。現代のサイの角は鼻の方にあるが、エラスモテリウムの場合は目の上(額)にあった。生えていた箇所は骨の表面がザラザラしているのでそれがわかったのだ(現在のサイも同じ)。名前もその生えていた箇所が皿のように見えた事に由来している。
残念ながらサイの角は毛と同じケラチンのため化石には残っていないが、生えていた箇所から推測すると最大で2mに達したとみられている。その容姿から一角獣ことユニコーンのモデルにもなったとされる。
だが2021年になって、角が生えていた箇所は空洞になっており、2mもの巨大な角を支える程の強度はなかったとする説が提唱された。
この説によると、生えていた角は現在のサイより短かったが、空洞化していることで嗅覚が発達し大きな鳴き声を出すのに適した構造だったらしい。太く頑丈な首も大きな角を支えるというよりも、大きな頭を下に向けて動かし、近縁種より発達した嗅覚で植物の根や地下茎を探すのに役立ったのではないかといわれている。
しかし何も化石には残っていないため、真偽は不明。オスは長大な角を持つ一方メスは短かった、など現代の動物を参考に描いてみることをおススメする。
最強王図鑑では
『絶滅動物最強王図鑑』にて登場。1回戦ではオオツノジカとの激しい角の打ち合いに体格差を生かして勝利。2回戦ではティタノボアに果敢に攻めかかるも、秘かに巻き付かれていたことに気が付かずダウンという結果に。
組み合わせ次第では更なる勝利もあるとして、アニメ版及び書籍での再登場が期待されるほどの活躍を見せた。