ディオ・ブランドー
でぃおぶらんどー
おれは人間をやめるぞ! ジョジョーーーッ!!
第1部「ファントムブラッド」のラスボスであり、もう一人の主人公。
ジョナサン・ジョースターの宿敵にして、奇妙な友人。「無駄」という言葉をよく口癖として使う。
ジョナサンと彼の出会いから、一世紀以上にもわたるジョースター家の因縁は始まった。
ちなみに、作中では第1部において「ディオ」、第3部以降において「DIO」と表記されている事から、それぞれを区別するために2通りのタグを使い分けている事もある。
容姿や頭脳など、恵まれたスペックを持ち、目的を達成するために実際に努力することもできるが、人から何かを奪い、支配しないと気が済まない男。
人から与えられ、感謝して生きる選択肢を選ばなかった男ともいえる。
小説では、(当時のイギリスでは)生まれた時から周りから大切にされる貴族かつ、お金にも何一つ不自由がない恵まれた家庭で育ったジョースター卿やジョナサンを、優しすぎて気が狂っていると言う等内心イラついている描写がいくつもあり、彼らの誇り高き善性は逆にディオを腹立たせていたようだ。
容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能で、多くの人に認められているが、その真の性格は悪逆非道。
一番が好きな野心家、努力家。非常に高い向上心を持っており、目的の為なら手段を選ばない。表面上は気品ある立ち居振る舞いで好青年かつ優等生を演じ、ジョナサンを含めた周囲にもそう認知されていた。しかし、その本性は高慢かつ冷酷無比。何事においても自分が相手より勝っていないと気が済まない極度の負けず嫌いで、どれだけ自分が恵まれた立場になっても決して今の現状に満足せず、さらに上を目指しているハングリー精神の持ち主。クズで母や自分に暴力を振るっていた飲んだくれの父「ダリオ」を強く憎んでおり、自信家なもののクズの血が流れていることに強烈なコンプレックスを持っている。ありとあらゆる悪事をなんの良心の呵責もなく、平然にやってのける大胆なキャラ。
ロバート・E・O・スピードワゴン曰く、その性格は「生まれついての悪」「この世のどんな悪よりもドス黒い」「ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーッ!!」。
また、普段はクールに(あるいはダンディに)振舞っているが、自分が優位な立場になると途端に慢心したり、思い通りにならない事には激しく激昂するなど感情の起伏が激しく、「冷静さやダンディな態度など単なる仮面に過ぎない」と称されている。大物のようで小物。そして小物のようでいて圧倒的カリスマ。
作者曰く、悪い奴なのに、殺されるとわかってるのに人が惹かれてしまう+どうやって倒すのかと思ってもらえるような『究極の悪』。読者が少し憧れる面も持った『共感できる悪』がテーマで、"『ジョジョ』で好きなキャラっていうと、やっぱり仗助かな。それに承太郎とかDIO。あとはダービーとかンドゥールとかそれなりの美学をもっているキャラが好きです。"と語っており、好きなキャラクターでもあるらしい。
また、不幸な境遇でありながらも基本的には前向きで、その行動理念は周りより優れた存在になり、誰にも見下されたくないという高いプライド故の向上心、1番になるための誰にも語らない地道な努力。しかし、ジョナサンの努力に関しては否定する癖がある(最終的には尊敬し、認めた)。
近年の悪役とは異なり、周りに対して苦労を乗り越えて努力してきたとアピールすることもなく、自分の行動を正義であると正当化することもない。自分は最初から優れてるかのように振る舞う傾向かつ、自分は悪だと自覚している悪役である。
一方で、宿敵であり親友であるジョナサン・ジョースターに対してだけは、自分と同じような年齢にもかかわらず、家庭環境も恵まれ、お金もあり、本人も育ちや親の教育故に優しい心の持ち主であるため、憎悪と羨望が入り交じった複雑な感情を抱いており、ジョナサンを不倶戴天の敵と認識しながらも、最後の最後まで彼との友情自体は捨てきれず、遂にジョナサンに対して尊敬までした。小説では、ジョナサンに対し、端的に言うと"恵まれた環境の甘ちゃんが何も知らずに綺麗事抜かしやがって"というような憎悪の感情を最初の頃は強く抱いていた。
父のダリオがジョージ・ジョースター1世の命を救ったときの恩から、両親が亡くなったあとはジョースター家に養子として迎えられ、ジョナサンの義兄弟の義弟となる。
彼は貴族となったが、「誰にも負けない男になる」という強い決意と激しい上昇志向のためジョースター家を乗っ取るという目的があった。そのためにまず彼はジョナサンを徹底的に甚振る事にした。
その内容は
- ジョナサンの私物であった懐中時計を無断で借りる(結局返却せず)
- ジョナサンの悪評をばら撒いて孤立させる
- ペットだったダニーを生きたまま焼き殺す
- 恋人だったエリナ・ペンドルトンのファーストキスを奪う
など…。
加えてディオは貧民街出身でありながらも頭脳明晰、スポーツ万能、マナー・作法完璧、巧みな話術の持ち主であった。さらに、ディオは相手の気持ちを計算しながらどうすれば自分は相手を味方につけることができるかを熟知しており、いつも彼の周りには取り巻きがいた。
このようにしてジョナサンの欠点は以前よりも前面に出て、事あるごとにディオと比較されるようになっていった。これによりディオはジョナサンがいじけた人物となっていき、将来的にはジョースター家の跡取りとして相応しくない人物となるだろうという計算をしていたのである。恐ろしい悪魔の頭脳である。
しかし、ジョナサンを完全に見くびっていたことが仇となった。
実際のジョナサンは凄まじいまでに強靱な精神力の持ち主で、これらの迫害に対しても全くというほど屈服していなかったのだ。
更に、エリナの件でその精神力を爆発させたジョナサンに、徹底的に殴り倒され屈辱を味わわされ、泣き出した挙句ナイフまで取り出してしまう。そこをジョースター卿に見られそうだったので慌ててナイフを隠し、怒りを抑えて引き下がった。以後はジョナサンを「叩けば叩くほど成長するタイプ」と認識、陰湿な攻撃はなりを潜め、7年間表面上は好青年として振る舞うようになるなど演技力と執念も相当なもの。しかし殴られた怒りを鎮めるために愛犬ダニーを焼却炉に放り込んで焼き殺している。
養子としてジョースター家に来てから7年後、名門大学では法律を専門に学んだ首席の秀才で、卒業予定であった。つまり法学部首席であり、1番が好きだと発言しているディオは実際に努力をして自身のプライドのためにも有言実行を貫いたともいえる。
そしてジョナサンは考古学分野で高評価の論文を発表、2人揃ってラグビー部のエースとして活躍するなど、周りから見ればまさに完璧で文武両道な兄弟として認識されていた。
そして、ジョースター家の財産を合法的に相続出来る立場になった。
大学卒業を間近に控えた頃、ジョースター家を乗っ取るため、義父のジョースター卿を暗殺するために東洋人から毒薬を買い、それを薬と偽って飲ませ、殺害しようとする。
しかし何の因果か生前に死期を悟った父ダリオがジョースター卿当てに送った手紙を偶然読んだジョナサンによって計画を勘づかれてしまったばかりか問い詰められた際に父親との悪夢のような日々を思い起こされ「あんなクズに名誉などあるものか」と激昂。この態度を見たジョナサンはディオに抱いた疑念が確信へと変わりダリオを同じ方法で実質的に殺害した事実まで悟られてしまった。ジョナサンに毒薬の提供を阻止され、ジョナサンは毒薬の解析のため家を出た。
ジョナサンが帰ってくればディオの逮捕は確実。ジョースター卿暗殺に影が落ちた。
どうにかしてジョナサンを殺害、かつ財産も相続するという望みを叶えるため、ディオはジョナサンが研究していた石仮面に目をつける。
7年前、偶然石仮面が作動して骨針が飛び出したのを見ていたディオは、この石仮面を使えばジョナサンを事故死に見せかけて殺害できると考えた。石仮面に関する研究はジョナサンが行っていたため、ディオには殺人容疑がかからないという寸法である。
街でゴロツキに絡まれた際、ディオはその予行演習としてゴロツキを相手に石仮面を使用した。石仮面からは予想通りに骨針が飛び出し、ゴロツキの頭を刺したのだが、思わぬ事態が起こった。石仮面をただの拷問殺人道具と判断し立ち去ろうとした…しかし石仮面がディオが思った通りのただの拷問殺人道具ならまだかわいいほうであった……ゴロツキは死亡するどころか、人間とは思えないほどの凶暴性、力を持ってディオに襲い掛かってきた上に外見まで若返ったのである。しかし絶体絶命と思われた矢先に夜明けとなり、太陽の光を浴びたゴロツキは灰になってしまった。ディオはこのことから石仮面の使用方法を直感的に学び、むしろ自分のために使用することを考えた。
石仮面の秘密を知って家に帰るとジョナサン、スピードワゴンがディオの殺害容疑に確証を持って帰ってきていた。既に邸内には警官も多数おり、ディオは包囲されてしまう。
そして…
彼はジョナサンが研究していた石仮面を被り、人間をやめてしまった…。
公的な記録では、養父殺害計画を見破られて逮捕されそうになり、抵抗して館を炎上させ大勢の警官を巻き添えにしながら、死亡したことになっている。
吸血鬼になったディオは貴族乗っ取りよりも遥かにスケールの大きな人類支配の野望を抱き、手下として屍生人(ゾンビ)を従え、再びジョナサンと対峙する事になる。
イギリス人。金髪。色白。切れ長。つり目。
アニメやフィギュアなどではスタイルとして腰が細いという特徴がある。
長身で筋肉質。ジョナサンの身長195cm体重105kgに比べるとスマートでありながら、パワーで劣ってはいない。
JOJO magazineにて公開された荒木先生作成のディオの身上調査書によると、青年期の身長は185cmで、セクシーな肉体の持ち主で、笑うとえくぼと牙が見えるとの設定があるようである。
TVアニメ版では人間を辞めた後は髪型が雷を帯びたかのようなデザインになっている。
瞳の色
劇場版ファントムブラッドでは人間を辞める前は碧眼で吸血鬼後は赤色(紅眼)。
TVアニメは人間を辞める前は琥珀色(金眼)で光の加減で紅眼になることも。吸血鬼後は紅眼。
ゲームASBでの1部時は紅眼(3部時は金眼)。
1部ゲームでは金眼。
先述の身上調査書では「瞳の色:グリーン」と書かれている。
石仮面の吸血鬼としての能力を有する。
スタンドの素質もあるはずだが、第1部の時点では覚醒していない。
文字通り自分もしくは敵の汗を気化することで肉体を冷凍する技。波紋法への対策として編み出した。この技を使うと波紋を流すのに必要な血液も凍結させるため、波紋を流せなくなる。
PS2ゲーム版では「絶対零度」の技という特性が強く出ており、周囲に氷塊を生み出す大技も用いる。
空裂眼刺驚(スペースリパー・スティンギーアイズ)
文字通り体液を空を裂くような勢いで眼から出し、敵の喉などを刺す技。
命名はストレイツォ。喉元を狙うことが多い。
名前の通り催眠をかける技。ディオがその意志をもって見ることで発動する。
肉体から血管を触手のように伸ばし、血管の先を針に見立てて突き刺して攻撃する技。血管針から相手の血液を吸収したり、ゾンビエキスなどを逆に注入してゾンビ化させることができる。作中では、最終盤でジョナサンの体を乗っ取るために使用。
また他の吸血鬼同様、回復力も生命力も凄まじく、どんなケガをしても必ず元通りになる。具体的には、腕を斬られても付ければ元に戻る、首だけになっても生きていられるなど。ただし余りにも負傷が酷いと自力では治せず、他者の血液を奪う必要がある。それでも全身を焼かれた時はかなりの期間を要した。
劇場版ファントムブラッドにて、「城を生やす」という謎能力を披露。
…………まあこのお方だし
PS2ゲーム「ファントムブラッド」
原作通りの展開をなぞるが、風の騎士の町での決戦でSランククリアを果たすと真ラストバトルを見ることができる。スティクス神父の肉体を奪い取り、復活を果たしたディオとの戦いとなる。なお、エンディングの結末は変わらない。
ちなみにスティクス神父は、左遷同然の扱いを受けたためか酒に溺れていた。ディオにとって最も唾棄すべき存在である「酒に溺れた父」と同じような男の肉体を得たのは、一種の皮肉である。
また裏バトルとしてディオを操作してステージをクリアしていくモードがある。原作でエリナをいじめていたいじめっ子二人組と戦うことになるが……。
EoH
ディエゴ・ブランドーとコンビを組んでジョースター一行に立ち塞がる。性格は原作とは異なり、常に怒っているような言動を見せる。このため、スピードワゴンが指摘したようなエセダンディな態度はまったく見られない。ラスボスに使役されているような状態なので無理もないか。
ちなみに相方のディエゴは基本クールでディオとは対照的。
「ぼくは一番が好きだ ナンバー1だ! 誰だろうとぼくの前ではイバらせたりはしないッ!!」
「たいていの人間は心に善のタガがあるッ! そのため思い切った行動がとれんッ! すばらしい悪への恐れがあるのだッ! だが! ごくまれに善なるタガのない人間がいる・・・悪のエリート! おれや・・・きみがそうだ・・・」
「初めての相手はジョジョではない このディオだッ!」
「貧弱!貧弱ゥ!」
「フーフー吹くなら…このおれのためにファンファーレでも吹いているのが似あっているぞッ!」
「このきたならしい阿呆がァーーーッ!」
「おまえはこのディオにとってのモンキーなんだよジョジョォォォォーーーッ!!」
「WRYYYYYYY!」
「なぜこんな姿をあえてみせるのか……それはジョジョ、あれほど侮っていたおまえを、今おれは尊敬しているからだ…勇気を!おまえの魂を!力を!尊敬している…それに気づいたからだ…」
「神がいるとして運命を操作しているとしたら!おれたちほどよく計算された関係はあるまいッ!」
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