曖昧さ回避
概要
物語の主人公の一人ディオ・ブランドーの父親。親子関係は最悪の一言に尽き、ディオ自身も自分の父親の墓に唾を吐き捨てる程である。
ディオ曰く「醜くってずる賢い」らしい。妻が居たらしいが相当迷惑を掛けていたらしく、それが原因か既に他界している。
初登場時はブランドーとしか名乗っておらず、フルネームは後で明かされた。
TVアニメ版では最初からジョースター卿にフルネームで自己紹介をしていた。
性格は最悪で、病気だろうが薬よりも酒をせがむ程のアルコール依存症で、「死んだ妻の服を売っぱらって酒を買え」と宣う程。
そのせいでディオの逆鱗に触れ、じわじわと毒を盛られて殺される事態になった。
しかしながら、死期を前にしては思うところもあったのか、遺言として「自分が死んだらジョースター家へ行く」ように促し、ジョースター卿宛に「どうか息子を頼みます……」と言う文面の手紙を贈っている。
まごうことなき毒親ではあったが、自分が死んだ後の息子の行く末を案じるなど、彼なりに父性愛を持ち合わせてはいた。だがディオからは全く愛されておらず心の底から軽蔑されていた。
舞台版では亡霊としてディオに呼びかける場面が複数回設けられており、呪縛として描写されている節がある。
そして死の間際に「誰にも負けねえ一番の金持ちになれ」と、彼なりに息子への激励を言い残したが、惜しむらくはその最期で見せた父としての息子への愛情が、当人には間違った形で伝わってしまった事と言えるかもしれない。
ジョースター家との関係
もう1人の主人公であるジョナサン・ジョースターの父親のジョージ・ジョースターⅠ世はダリオ・ブランドーの事を命の恩人と思っている。実際ダリオが偶然通りかかって発見していなければジョージもジョナサンも間違いなく死んでいたので、全てが誤りとも言い切れない。成長したジョナサンから「ブランドー氏」と敬意を込めて呼ばれている場面もあり、彼からも命の恩人という認識をされていた様子。
その理由はジョージの乗った馬車が事故に遭った時、ダリオ・ブランドーは「ジョースター卿が既に死んでいる」と思い、財布の他の金品を盗もうと企み指輪を盗もうとしたのだが、ジョースター卿が目を覚まし、近くに居たダリオ・ブランドーに対して「自分を介抱してくれた」と思い込んだのが切っ掛けである(実はこの時に石仮面も手にしていたが、不気味だったので持ち出すのは取りやめている。ここで彼が持ち去って質に流していれば後の悲劇は起きなかったかもしれない)。
その後、ダリオは指輪を質に流そうとして逮捕されたが、ジョースター卿の親切心により釈放されている。
原作第2巻(アニメ版は第3話)では、警部らしい人物が「あの時、ディオの父親を流島の刑にしていれば、ディオを養子にする事もなかった」と言っている為、この人物がジョースター家とディオの因縁を創った原因であるとも言える。
一応、それからはコソ泥のマネはやめて、ジョースター卿に貰った礼金で酒場を経営し彼なりに真人間になるべく奮起していた。だが、商才はなかったようで店を畳むことになり、妻には先立たれ、息子にも苦労を掛けてしまったのは因果と言える。
だがそれでも、ジョースター卿にお金の援助を無心しなかった辺りは、彼なりに自分を庇ってくれた事への負い目があったのだろう。