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このストレイツォ容赦せん!!

概要

名前の元ネタは、イギリスのロック・バンド「ダイアー・ストレイツ」から。

このストレイツォ容赦せん!」が決め台詞だが、第1部と第2部では意味合いが大きく異なってしまっている。

第1部「ファントムブラッド

長い黒髪をなびかせる美青年の波紋戦士。25歳。

タルカス撃破後、ジョナサンロバート・E・O・スピードワゴンの元に波紋法の総帥・トンペティ老師の弟子として終盤に登場。

老師および兄弟弟子のダイアーさんと共にツェペリを助けに来るも、残念ながら間に合わなかった。

最終決戦ではディオをダイアーさんとジョナサンに任せ、自分はポコとその姉を守るのに専念。屍生人4体を華麗な足技でまとめて一掃した。

戦闘シーンはあるものの、彼が目立ったのはここくらいである。

なぜジョナサンを助けに行かなかったのか突っ込まれがちだが、原作ではディオが呼び出した大量の屍生人をトンペティやスピードワゴンと共に倒すのに手一杯だったことが示唆されている(「これでは彼を助けにいけない!」など)。

TVアニメにおいても補完され、とてもジョナサンを助けに行ける状況ではなかった事が強調された。

なお、ダイアーさんがディオに倒される直前に「ダイアー!」と声を上げており、仲間意識を持っていたようだ。

このように悪を挫き、弱きを守り、仲間を助けようとする気概を持った好青年であった。この時は

第2部「戦闘潮流

老師トンペティの後を継ぎ、チベット波紋法の指導者として登場。またリサリサの育ての親で、波紋の師匠でもあった。彼女にエイジャの赤石を託したのも彼である。

年齢はスピードワゴンと同く、1939年当時は75歳。だが外見年齢は50代そこそこ(実年齢より20歳は若い外見であるが…。)

しかし肉体を比較的若々しく保てる波紋使いだけに、かえって「自分は常人より少し優れているだけで、いずれは老いさらばえるのだ」という悩みを人一倍強く持つようになってしまい、かつて見たディオの美しさや強さへの憧れを抑えられず、1939年時点では、若さへの渇望が狂気に転じ、精神が冒されていたようである。

スピードワゴンから南米の遺跡で発見された柱の男・サンタナを波紋で破壊するよう依頼されるが、遺跡に飾られていた石仮面を見て、壮年期以降に増大した永遠の若さへの欲求を抑えられなくなり、弟子たちを殺害しスピードワゴンもその手にかけた。

奪った石仮面を被り、スピードワゴンの血で吸血鬼と化し、全盛期である25歳くらいの外見年齢に戻ってしまった。

だが柱の男が死体の血をまるで植物の根のように吸収しているのを見て言い知れぬ不安を覚え、死体を川に捨ててしまい、それが発見された事から犯行が発覚してしまった(スピードワゴンはかろうじて生きており、ドイツ軍に保護・拘束された)。

その後、吸血鬼である自身の障害になるであろうエリナ・ジョースタージョセフ・ジョースターを抹殺するべくニューヨークに出現。街中であろうとも構わないと言い放ち、ジョセフの前に現れて対決する。

当初はその不死身に近い特性でジョセフを苦戦させ、ディオがジョナサンを殺した技で額をブチ抜いて一度は倒したかに思われた。

余裕ぶってキメポーズを取りながら次はエリナを殺すことを独白するが、直後、鏡を使った罠にハメられたことに気づき逆襲される。

しかし、波紋を受け流すマフラーによりジョセフの波紋を無効化。再び優位に立ったと思いきや、無数の手榴弾を身体に取り付けられ吹っ飛ばされる(この時にマフラーはおろか衣服も消し飛んだ)。

しかしそれでも倒れず再生を開始。

その間にジョセフが逃げ出したため、特ダネ目当てに殺人犯(と誤解されたジョセフ)を追いかけていた女性記者を人質にとる。

そしてジョセフの目の前で女性の奥歯を引き抜き彼を激昂させた。最後はジョナサンを殺した「空裂眼刺驚」で勝負の幕を引こうとするが、ジョセフの奇策によって跳ね返され頭部を撃ち抜かれる。

激昂して襲い掛かるもジョセフの一撃を受け、波紋を流されたことで今度こそ敗北した。

足場から落下しそうになったところをジョセフに助けられ、置き土産として「柱の男」の脅威を伝えた。

そして最期は、自らの呼吸で体内に(吸血鬼を消滅させる)波紋を生成し、若返った事に満足と幸福を抱きながら、その波乱の生涯に幕を閉じた。

波紋の後継者でありながら、少しずつ老いていくことに耐えられなかったという精神面の弱さはあれど、リサリサを一流の波紋戦士に育て上げたという観点から考えるに、狂気に侵されなければ、彼の師であった老師トンペティと同じ道を辿れたであろう事は想像に難くはない。柱の男達の殲滅で波紋法がその後の時代に姿を現す事はなくなったが、狂気を表に出さなければ、自身にとっても義理の孫(義娘のリサリサの実子)にあたるジョセフ・ジョースターと戦う必要はなかったはずである。物語的にも柱の男たちの前座となってしまったため、いささか小物感がある人物となってしまった。

ゲーム作品への登場

PS2ゲーム「ファントムブラッド」にてプレイアブルキャラクターとして登場。原作と同じく血管針カルテット(名称は「血管針ゾンビ」)との戦いから操作可能となる。

火力はそこまで高くないが「流す波紋」によって周囲の敵を3秒間痺れさせて動けなくすることができる。このため集団戦向きの性能をしている。

原作の戦闘シーンやリサリサの師という設定を反映してか、攻撃手段は全て足技となっている。

中でも超必殺技の「このストレイツォ容赦せん!」は、足技版オラオラともいうべき連続キックを披露する。その掛け声から「せんせんラッシュ」と呼ばれることも。

覚悟はいいか?

このストレイツォー!

容赦せん!せん!せん!せん!せん!せん!せん!せん!

容赦せん!

血管針カルテットとの戦いでは4対1という状況の上に、相手がなかなかタフなので原作のように楽勝とはいかない。むしろここで初めてスト様を操作するので普通に苦戦するまである。

逆にクリア後に遊べるエクストラステージでは、ダイアーとトンペティと組んで敵として登場し、3対1で戦うこととなる。

ストレイツォは流す波紋でこちらの動きを封じて来るので苦戦は避けられない。

余談

なお、ストレイツォの敗因は皮肉にもディオがジョナサンの命を奪った空裂眼刺驚を波紋グラスで跳ね返された事だった。

しかしジョナサンの死を目撃していたエリナが目から発射される攻撃の事をジョセフに伝えていたため、ストレイツォが不意打ちで発射した際に回避されてしまい、さらにその際にジョセフに技を見せたことで対策を練られ、2回目の発射を反射されてしまった。

またジョセフの策により複数のグレネードで体を破壊されるシーンがあるが、吸血鬼なので体は再生するがさすがに服ばかりは修復のしようがないため、戦闘終盤では全裸で戦うというシリアスな笑いを提供している。真夜中の街を全裸で彷徨ったり人質を取ったりする光景はなかなかにシュール。

JORGE JOESTAR」においては、ストレイツォと言う名前は名字らしく、娘のフルネームも「エリザベス・ストレイツォ」となっている。

ジョジョでも比較的珍しい正統派の美形キャラであった為、その後コミックスに掲載された、熱心なファンからのあーん!スト様が死んだ!で始まるファンレターは語り草になっている。

ジョジョシリーズでは数少ない、味方から敵への裏切りが描かれた例である。ただしスピードワゴンの要請に応じたのは完全に善意であり、別に最初から裏切りをやらかすつもりだったわけではない。遺跡の奥で内心抱えていたディオや不老不死への憧れが大量の石仮面を見てしまったことで爆発し魔が差してしまったということだろう。

ストレイツォの弟子であったリサリサは彼がこのような凶行に走った末に死亡したことにはかなり残念に思っていたらしく、師匠をジョセフが倒したことを聞いた際は複雑な気持ちだったらしい。

なお、リサリサの正体を考えれば、ストレイツォはジョセフから見て義理の祖父ということになる。この点もまた、皮肉としか言えない。

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