概要
- 強引で強気な態度のこと。またはそのような性格の人物そのものを指す。
- 『ジョジョの奇妙な冒険』のキャラクター、空条承太郎が自身のスタンド、スタープラチナ(スタープラチナ・ザ・ワールド)で連続パンチを繰り出す時に発する台詞。または、この攻撃そのものの通称。「オラオラのラッシュ」とも。
pixivでは主に承太郎(披露された回数は少ないが、実際に作中で承太郎本人も生身で放ったことがある)とスタープラチナ、もしくは誰かが連続でパンチを繰り出している絵に付けられることが多い。
用例2について
他の人型スタンドを大きく上回る極限のパワーとスピードを兼ね備えるスタープラチナが繰り出すこの連続パンチ攻撃は、もはや『ジョジョ』全体を代表する必殺技と言っても過言ではない。
承太郎にとって最初の本格的なスタンド戦となった花京院典明との戦いを皮切りに、幾多の戦いにおいてフィニッシュブローとして用いられた。
- 敵スタンド使いが攻勢
- 調子に乗った相手が承太郎を愚弄する
- 形勢逆転
- 根に持つタイプの承太郎によるオラオラで再起不能
という流れは、もはや一種の様式美。
この技でぶちのめされた相手が「再起不能」扱いになることはあっても、本当に死んだかどうかまでは基本的に語られない。
ミドラーはオラオラによるスタンドへのダメージが顔面にフィードバックされ、無残な有様になってしまったが(一応)命までは奪われなかった。
ヌケサクに対しては「その不死身度を参考のためおもいっきり試してみるかな」と言ってるあたり、実際生身の人間に対してはそれなりに手加減して放ってるのかもしれない。
ちなみに、作中での最多オラオラは対スティーリー・ダン戦。原作では3ページに渡ってラッシュをぶち込んだ。その回数、なんと52オラ。アニメだとさらに増え66オラ!!!
この記録は第5部のジョルノ・ジョバァーナ対チョコラータ戦での122連発無駄無駄ラッシュまで更新されることはなかった。
しかし、意外にもDIOとの最終決戦でのフィニッシュブローにはならず、ここで決まり手となったのはザ・ワールドのキックに対しカウンターで放ったパンチだった。
第3部の展開を意識した『アイズオブヘブン』の終盤では、ラスボスに対するフィニッシュブローとして使われている。
派生・継承
承太郎だけの台詞かというとそんなことはなく、スタンド戦が定着した第3部以降、様々なキャラが自分のスタンドでラッシュをかける際にこのような掛け声を出す。
DIO・ジョルノ・ジョバァーナ
第3部のラスボスであるDIO、およびその息子である第5部主人公のジョルノ・ジョバァーナはラッシュ時に「無駄無駄」と叫ぶ。
第3部クライマックスでの、スタープラチナとザ・ワールドの突きの速さ比べはあまりにも有名。終盤では蹴りでの無駄無駄や、OVA版では本体がラッシュを披露している。
第5部では、チョコラータの外道極まりない所業にプッツンしたジョルノがチョコラータを7ページ半に渡ってタコ殴りにし、「ヤッダーバァアァァァァアアアアア」の断末魔を上げさせた(このシーンがアニメ化された際のエンドロールに無駄無駄原画なる言葉が鎮座しており、視聴者に衝撃を与えた。詳細は個別記事へ。)。
パラレルワールドでの物語を描いた第7部でも、DIOの系譜を継ぐディエゴ・ブランドーが使用している。
東方仗助
第4部の主人公である東方仗助は「ドラララ」のラッシュをかける。
スタンド「クレイジー・ダイヤモンド」のラッシュは時速300kmに匹敵する速さとも言われており、破壊力もスタープラチナのガードを弾き飛ばすほどに強力。また「物体を修復する能力」と併用することで、殴った相手を近くにあった物体と融合させてしまうこともできる。
だが意外にもこのラッシュで倒すという展開はあまりなく、「治す」能力を利用して勝つことが多い。
ブローノ・ブチャラティ
彼のスタンド「スティッキィ・フィンガーズ」のラッシュを食らった者は全身にジッパーを付けられ、バラバラにされてしまう。
掛け声は「アリアリ」。この「アリ」は「アリーヴェデルチ!(さよならだ)」の略である。
ナランチャ・ギルガ
こちらはパンチによるラッシュではなく、スタンド「エアロスミス」に装備された機銃の掃射。一部のゲーム作品では、とどめに小型ミサイルをブチ込んで爆破するパターンもある。
掛け声は「ボラーレ・ヴィーア(飛んで行きな)」の略である「ボラボラ」。
トリッシュ・ウナ
「WAAAAAAAANNABEEEEEEEEEE」と叫びながらラッシュをかける。正確には彼女の発言ではなく、彼女のスタンド「スパイス・ガール」が発している。
女性ながらラッシュ攻撃の威力はかなり高い。流石はボスの娘といったところか。
ちなみに「Wannabe(ワナビー)」とは、イギリスのガール・グループであるスパイス・ガールズのデビュー曲のタイトル。
空条徐倫・ジョニィ・ジョースター・東方定助
空条徐倫のラッシュは父と同じく「オラオラ」。しかし、承太郎のラッシュが基本的にパンチ一辺倒であるのに対し、彼女のそれは百烈脚や連続投球とバリエーション豊かである。またスタンドと一緒に自身も蹴りのラッシュを見舞うことも(第3部格闘ゲーム版に登場する「タンデムアタック」の再現だろうか?)。
世界軸が異なるとは言え、ジョースターの血統に連なる存在であるジョニィのラッシュも同じく「オラオラ」。序盤ではスタンド「タスク」が遠距離攻撃を基本とするスタンドであったため「今回の主人公はラッシュできないのでは?」と思われたが、最終形態であるAct.4でスタンドの体格ががっしりとした人型となり、強力なラッシュを披露したため、読者の心配は杞憂に終わった。
定助の「オラオラ」は、初披露時、「オラ」に「アラ」が混じっていたが理由は不明。
彼のスタンド「ソフト&ウェット」は浴室の壁を蹴り壊す程度のパワーは持っているが、ボーン・ディス・ウェイを迎撃する際は力負けしていた。
東方常敏
スピード・キングのラッシュ時の掛け声として「SPEEEEEEYIYYYYY」または「メラァリャリャアアアア」と叫ぶ。同一スタンドで掛け声が変わるのは本スタンドが初めてである。ただし、あまりダメージを与えることはできない模様。
似たようなもの
あまり話題になることはないが、上述のキャラクター以外にもオラオラ(の)ラッシュのような連続攻撃をやっているキャラクターが幾つか存在する。
ジョナサン・ジョースター
第1部の主人公、元祖ジョジョ。
掛け声もスタンドも特にないが、波紋法を用いた山吹色の波紋疾走(サンライトイエローオーバードライブ)で連続パンチを吸血鬼に食らわしたことがある。
そのためか、ファンからはこれが『ジョジョ』におけるラッシュの始祖と言われることがある。
また、ゲーム『オールスターバトル』では「突きの速さ比べ」で唯一生身で渡り合える。
ストレイツォ
第1部の単独ゲーム版では、ゲームオリジナル技として連続蹴りを披露している。
かけ声は「このストレイツォ~~容赦せんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせん容赦せん!!」
ジャン=ピエール・ポルナレフ
彼のスタンド「シルバーチャリオッツ」は剣を巧みに扱うスタンドで、パワーこそ低いものの自慢のスピードによる剣での連続突きは何度か披露されている。
アヌビス神に操られ、二刀流で承太郎と戦った時は、彼のオラオラを上回る手数を見せた。
また、スタープラチナとの同時ラッシュ攻撃でアレッシーを撃破している。
掛け声は「ホラホラ」。
パンナコッタ・フーゴ
スタンド「パープル・ヘイズ」で、敵のイルーゾォに殺人ウイルスを食らわしてからラッシュで殺害。
ウイルスは感染して30秒くらいで死に至らしめるので、言ってしまえばオーバーキルである。
アニメ版ではさらに殴っている際に肉が抉れるようなグチャグチャした効果音が追加され、他のスタンドによるラッシュとは一線を画す凶悪な演出となった。
掛け声は「うばぁしゃああああ」だが、これはフーゴではなくスタンド自身が叫んでいる。
レオーネ・アバッキオ
イルーゾォのスタンド「マン・イン・ザ・ミラー」の能力によって鏡の中にスタンド「ムーディー・ブルース」だけが引きずり込まれた際、ラッシュを披露。アニメではラジオのような特徴的な効果音が追加されている。
しかし威力は弱かった(視聴者曰く「本体のパンチの方が強そう」)。
エルメェス・コステロ
姉のグロリア・コステロの仇を討つため、強い覚悟を持ってワザと刑務所に入所した。そして遂に仇のスポーツ・マックスを見つけて追い詰め、「グロリアのぶんだあああーーーーッ これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!」と彼にキッスのラッシュをぶちかました。
詳しくはグロリアのぶんだあああーッの記事を参照。
その他
ジョジョ以外の作品で、似たような攻撃を行ったキャラクターたち。
ケンシロウ
孫悟空
アニメ限定だが、突きの速さ比べのようなラッシュの攻防を繰り広げている時に「ダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!」と叫ぶことがある。
また、ベジータがグミ撃ちを行う際に「ダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!」と叫んだことがある。
首領パッチ
ゲーム版では「しみったれブルース」と名付けられたラッシュ攻撃。
マルハーゲ帝国四天王のプルプー、ハレクラニ配下のT-500をこの技で瞬殺している。
プルプー戦で披露した掛け声は
「パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチーーーーーッ!!!」
…であり、首領パッチらしいものとなっている。
杉元佐一
『ゴールデンカムイ』第145話(アニメ版は第26話)にて、岩息舞治とのスチェンカ対決(要するに殴り合い)で岩息にフルボッコにされ、以前に負わされた頭部の損傷も重なり乱心した杉本がオラオララッシュによく似た攻撃を繰り出した。
その際の掛け声は
「俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺が不死身の杉元だッ!!」
…であり、オラオラならぬオレオレのラッシュというべき代物である(アニメ版でもバッチリ再現されている)。
このラッシュで杉本は味方どころか、試合をぶち壊した彼に怒って乱入した客たちまで無差別に殴りまくり、直後に謎の脳汁を垂らしながら傍にあった鎌とハンマーを振り回し、あげくの果てには半裸で極寒の樺太を彷徨しだすなど、相当な狂乱っぷりを見せている(後に辛うじて正気に戻るが)。
二瓶利光
ラッシュはパンチではなく平手打ちで、掛け声は「指導指導指導」。
自分が顧問を務めるホッケー部員達が練習相手である他校のホッケー部と喧嘩しようとしていた事に激怒・乱心して「指導」を連呼しながら部員&他校の生徒&ついでに他校の顧問も全員叩きのめして鎮圧した。
最初のラッシュに入る前のくだりはゴールデンカムイと似ているので、セルフパロディと思われる。
キントレスキー
『ふたりはプリキュアSplash☆Star』43話にて満と薫にラッシュ攻撃を繰り出した。
掛け声は承太郎と同じく「オラオラ」。担当声優である小杉十郎太はOVA版の承太郎を演じており、それにちなんだものと思われる。
オグン・モンゴメリ
アニメ『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』9話にてテンペに対してFLAMY INKを使用した上でラッシュ攻撃を繰り出す。その際の掛け声は「DAM!DAM!DAM!」と「オラオラ」であった。
ちなみに『炎炎ノ消防隊』のアニメ制作会社であるdavid productionはジョジョシリーズのアニメ作品を担当していることで知られている。
田所恵
黒木場リョウ
食戟のソーマにて秋の選抜戦のラーメン対決において田所の『こづゆ鶏醤油ラーメン』と黒木場の『スープ・ド・ポワソンラーメン』が激突した際に本家宜しくスタンドのようなものを展開しながらイメージ映像でラッシュ対決を行っていた。
使っていた材料から田所恵側が「ホタホタ」(ホタテ貝柱の乾物)、黒木場側が「エビエビ」(エビの殻)のラッシュの声だった。
ちなみに黒木場リョウ役の岡本信彦は第5部においてギアッチョの声優としても知られている。(もっとも彼のスタンドは装着型なのだが……)
野田一
ヒューマンバグ大学の小峠華太シリーズの登場人物で、アイスピック野田の異名を取る武闘派狂人極道。得物のアイスピックで敵を滅多刺しにする際、「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄野田ァーッ!」と奇声を上げる。他にも「最高にハイってやつだぁ!」や「貧弱貧弱貧弱ゥ! 穢らわしいアホがァ!」など、DIOを意識したセリフが散見される。
マッシュ・バーンデッド
『マッシュル-MASHLE-』にて、カルパッチョ・ローヤンやマーガレット・マカロン、実兄の1人であるドミナ・ブローライブにラッシュ攻撃を繰り出した。
カルパッチョ戦での掛け声は「フンフン」。
ドミナ戦ではアンリミテッドバイセップス魔法『スクアッド(2条)パンチ』によるラッシュを実行している。
しかも食らわせたパンチ数は驚異の6万5814発である。
テンビンゴールド
『宇宙戦隊キュウレンジャー』第17話にて、タイヨウシシレッドの太陽光を浴びてハイテンションになったテンビンゴールドが、敵に向かって(叫び声こそ上げないものの)パンチの連打を叩き込んだ。
なお、テンビンゴールドの担当声優はアニメ版第4部で東方仗助を演じた小野友樹であることから、こちらもある意味中の人ネタであることがうかがえる。
ウルトラマンタイタス
『ウルトラマンタイガ』第23話にて、ニセウルトラマンベリアルとの競り合いのラッシュ時に「ウルトララララララ!」と叫ぶシーンがあった。(なおこの時ニセベリアルも「ベリベリベリベリ!」と叫びながらラッシュに対応している)
ドンモモタロウ
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』第7話にて、地球鬼に対してラッシュ。と言っても(実写ベースの作品だけあって)速度や数はそれなり。掛け声は「懲罰懲罰懲罰!」
────だが、本領発揮は公式サイトだった。詳しくはドンブラ中毒参照。
ノレア・デュノク
『機動戦士ガンダム水星の魔女』第16話にて、ニカ・ナナウラに対して「どの口がラッシュ」を使用し、ニカを怒りのまま蹴り続ける。掛け声は「どの口がどの口がどの口が……」。それを見かねたグラスレー寮のサビーナ・ファルディンに止められた。
立花響
『戦姫絶唱シンフォギアAXZ』のラスボスアダム・ヴァイスハウプトを、「オラオラ」ラッシュを叩き込んだ後に両拳で貫く技「TESTAMENT」で撃破した。
野原しんのすけ
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル』にて、南太平洋に位置する無人島を支配するパラダイスキングが従えるシロテテナガザルによって捕らえられた両親をはじめとする大人達を救出し、両手足を縛られた状態で脱走する際にしんのすけがケツだけ歩きを提案。しんのすけを先頭に承太郎と同じ「オラオラ」の掛け声と共に猛スピードによるケツだけ歩きで猿達を圧倒し、捕らえられていた大人達を次々と救出。更にその後、アクション仮面としんのすけ達による超爆走ケツだけ歩き大行進で一気に猿達を圧倒した。
武田観柳
北海道編にて、本多との戦闘の際にガトリングガンを乱射したのだが、その際に「ガトガトガトガト」と叫んでいた。対する本多は書・裏・剣乱読で対抗し、こちらは「ショショショショ」と叫んでいた。ちなみに、「ガトガト」というセリフ自体は宝塚版が初出で後に新アニメ版に逆輸入された。
発声のポイント
- 『オールスターバトル』以降の作品で空条承太郎を演じている小野大輔によると、「オラオラ」の発声をする際は少し顎を引き、上目遣いで前方を睨みつけながら言うとのことである。ちなみに『ASB』と、その後に放送された『スターダストクルセイダース(TVアニメ版)』では、アニメ版の方がラッシュ時のスピードが上がっていたとのことなので、訓練次第でラッシュのスピード=スタンド能力が向上することが実証されている。
- アニメ版『ダイヤモンドは砕けない』で東方仗助を演じた小野友樹は「ラッシュ攻撃の際には靴下を脱ぎ、裸足で収録に臨んでいる」というエピソードを語っている。本人曰く「裸足になると踏ん張りがきく」そうである。
- アニメ版『黄金の風』でジョルノ・ジョバァーナを演じた小野賢章は、無駄無駄ラッシュに臨む際に『「どのような口の形をすれば、良い発声ができるか」を、マイカーで移動中の信号待ちの間に模索していた』と説明している。
- アニメ版『ストーンオーシャン』で空条徐倫を演じているファイルーズあいは、小野大輔との対談で「大輔パパがどのくらいの速度でラッシュしているのかをメトロノームで合わせてみようと思い、メトロノームのリズムに合わせながら練習していた」と語っている。また、「思う存分ラッシュの練習ができるように、自宅に防音室を買った」と意気込みを表していた。
- また、小野は承太郎と徐倫のオラオラの違いについて、承太郎のラッシュでは「オ」にインパクトを置くため「オラ!」になるのに対し、ファイルーズが演じる徐倫のラッシュでは「ラ」にインパクトを置くため「オラァ!↑」になるとの事。
- ファイルーズもオラオラの違いについて、「女性のキーで承太郎と同じようにやると底に抜けるようになって弱く聞こえるのでしっくりこなかった」「仗助もジョルノも後から突き上げるように発音していたため、子世代はそっちがしっくり来る気がした」「言い方の圧の強さは承太郎を継承しつつ女性の持つエンパワーメントを乗せた結果こうなった」と語っている。
- TVアニメ版『スターダストクルセイダース エジプト編』主題歌の「ジョジョ その血の記憶〜end of THE WORLD〜」では、主題歌を歌う「JO☆STARS」(富永TOMMY弘明、Coda、橋本仁)の3人が曲中で「オラオラ」を熱くシャウトしている(そして後に、第3部ラジオ「オラオラジオ!」にて小野大輔とのオラオラ共演が実現した)。