絶対に・・・絶対に絶対に絶っ・・・~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~対に!負けなあああああああいィィィ
概要
【破壊力:B スピード:B 射程距離:E 持続力:A 精密動作性:E 成長性:C】
本体-キャラバン・サライ
妖刀に宿る独り歩き系スタンド。本体は500年前のエジプトの刀鍛冶『キャラバン・サライ』で、既に死亡している。
本体が死亡してなお、刀に宿ったスタンドだけが残されており、スタンドのビジョンは半人半獣のアヌビス神そのものの姿をしている。
本体の人格とは別個の自我をもったスタンドの登場はこのアヌビス神が初めてである(厳密には3部初期のスタープラチナも別個の自我を持っているが、そちらは承太郎のスタンド操作技術が上がるにつれて自我の描写が減っている)。
残忍かつ好戦的な性格であるが、言葉を伸ばして喋る妙にハイテンションな一面を持つ。ただし、テンションが下がり冷静になるのも早い。
刀を鞘から抜いた者、または刀身に触れた者の精神を乗っ取り、「新しい本体」とする。操られた人物は、剣を触ったことのない素人であろうとたちまち剣の達人になる。
ただしチャカに憑いたときはポルナレフから見て身のこなし、剣の握り方や構え方がど素人のそれと評価されており、ある程度は選んだ本体に戦闘能力が左右されると思われる。
実際、ポルナレフに取り憑くことに成功したときはあの承太郎を満身創痍にまで追い込んだ。
なお、人間でなくても精神を乗っ取ることは可能なようで、作中では移動するためにネズミ、牛、魚、カニを利用しようとしていた。
操る対象はアヌビス神の意思で選べるようで、当初は剣の才能を持った者を選んでおり、刀を発見したチャカの父や他の牛飼い達は刀身を鞘から抜けず、逆に鞘越しに手を斬られていた。
見た目は「ただの刀」であるため、それまでにも様々なタイプのスタンド使いに遭遇してきたジョースター一行も、よもや「刀こそが真の本体」だとは容易に気づけなかった。(しかし、イギーだけは異常な程に刀本体に向けて吠えていた為、刀自体がスタンドだと気付いたと思われる。)
能力は「物体(生物)を透過して斬りつける事ができる」こと。もちろん透過させずに斬ることもできる。更に「一度受けた攻撃の性質を憶えることができる」性質があり、闘えば闘うほど相手の動きを記憶して強くなっていく。しかも宿主が変わっても刀身が無事ならばスタンドが一度憶えた攻撃は忘れず、さらに宿主がスタンド使いであればスタンド能力同士を組み合わせることも出来る。
刀身や宿主が一度や二度攻撃を受けても、そのダメージがスタンドの弱体化につながることもないため、物理攻撃や接近戦に頼りがちな近距離パワー型スタンドにとっては至極厄介な天敵と化す。
弱点は、宿っているのは「あくまで普通の刀」であるという点で、粉々に破壊されればそれまでであり、水に浸かればやがて錆びていく。
もう一つの弱点として、刀だけでは一切の自立行動ができず、操れる生命体に接触できなければ身動きひとつとれない無力となってしまう。
ただし、アヌビス神は敢えて承太郎の冷静さについて言葉に反芻し、自分や相手を見つめなおすなどして、ある程度ムラや癖を補ってしまう。攻撃の性質を憶えるスキルで一度に会得できる量は多くはないが、連戦を重ねていくうちに憶える量が重ね掛けされるため、相手にとっては充分脅威。
活躍
博物館の倉庫に保管されていたところをDIOに持ち出された。その事に恩義を感じ、またDIOの圧倒的な強さに勝てないことを悟り忠誠を誓った。
そして牛飼いの青年であるチャカを操ってポルナレフを襲撃するも、「とっておき」の前に敗北。鞘に納められた状態でポルナレフの手に渡る。
次に、ポルナレフと空条承太郎が訪れた床屋の主人、カーンを操る。先の戦いで攻撃とスピードを全て覚えたポルナレフを圧倒するも、承太郎に真剣白刃取りで切っ先を捉えられて折られ敗北。
しかし、駆けつけた警官とのゴタゴタで偶然刀身に触れてしまったポルナレフが操られてしまう。承太郎の動きを完全に見切り、更にシルバーチャリオッツと妖刀による二刀流でのダメ押しで圧倒するも、承太郎の肉を斬らせ骨を断つ戦法によって刀身を砕かれてしまう。
それでも執念深く切っ先だけで通りがかりの少年を操り、全力投擲される事で背後から急襲しようとする。しかし少年の落とした飴に飛びついたイギーにつまずき、手元が狂ってナイル川の方へ飛んでいってしまった。
川岸の壁に当たって止まろうとしたが、慌てていたため「物体(生物)を透過する能力」をうっかり使ってしまい失敗。今度は通りすがりの船の船体に当たって止まろうとしたが、船に乗っていた牛の尻に突き刺さってしまう。
激痛で大暴れする牛の心を乗っ取ろうとするが間に合わず、川底に振り落とされ、そのままどの生物にも触ってもらえず再起不能となった。
「見捨てないでーッ ヒィィィィィ 孤独だよーっ」
その末路こそマヌケであったが、ポルナレフに憑依した状態での対決では承太郎をして「ポルナレフを本気で殺すつもりで戦わなければ逆にこちらが殺される」と危惧させ、「それまで戦ってきたスタンドの中で最も厄介で疲れる相手だった」と言わせしめた強敵であった。実際、戦闘後の承太郎は周囲を気にする余裕が無い程に疲弊しており、イギーがいなければ確実に倒されていた可能性が高い。
が、そもそも承太郎とポルナレフが対峙し事態を泥沼化させる元凶を作ったのがモブの警察官の軽薄な行動という事からもわかるように、はたから見れば普通の剣にしか見えない事からも本当に恐ろしいのは「スタンドを知らない人間の無知ゆえの行動を味方に付けられる事」だろう…。
余談
上記の通り強敵スタンドとして登場したアヌビス神であるが、「アヌビス神は『使い手を剣の達人にするスタンド』ではあっても、アヌビス神を扱っているキャラバン・サライ(の精神)自体は剣の達人では無いのではないか?」という考察がある。
劇中で見受けられる限り、アヌビス神の能力でパワーアップしているのはあくまで剣を振る際のパワーとスピードのみで、体捌きなどの技術面に関しては乗っ取っている人間の身体能力に依存していることが窺える(ポルナレフはカーンの動きを見た際に「何度やってもお前は俺より弱いぜ」と評しており、彼の目線では斬りかかる動きそのものに劇的な変化は見受けられない事が分かる。
またアニメ版でポルナレフの身体を乗っ取った際のアヌビス神の動きは(恐らくはフェンシング等の西洋剣術をベースとした)明らかにチャカやカーンのそれとは比べ物にならないほど無駄が無いものだった。つまりアヌビス神の能力は「剣術」として強くなっている訳ではなく、またキャラバン・サライが何かしらの剣術を修得したり引き継いだりしているという訳でもない。
アヌビス神の相手の強さをラーニングする能力は格闘ゲームに例えるならば『モーション自体は変わらないが、随時相手に押し勝てる様にフレーム数や当たり判定に上方修正が掛かる』ような代物なのだろう。
また、己の能力の特性から戦略的自爆特攻を仕掛けてくるスタンド使いは度々登場するが、アヌビス神の場合はいずれもが「止めを刺そうとして不意を突かれる」というパターンで倒されており、そういった類いのスタンド使い達と比べると読みや詰めの甘さが節々に見受けられ、よく観れば劇中彼がしている事は『ゴリ押し』と『死に覚え』だけである。
というより、「一度見た攻撃には絶対に負けない」とは、言い替えると『初見の策にはまず引っ掛かる(過去の不覚から未然の対策を用意出来ていない)』ということに他ならない。
なまじ悪霊化して他人の身体を乗っ取れる様になった結果「どうせやられても次の人間に取り付けばいい」という慢心が染み付いてしまっていたのかもしれない。
スタンド能力が強力過ぎるぶん本体の迂闊さで釣り合いを取っているキャラクターの一人と言える。
関連イラスト
チャカを操っている状態
カーンを操っている状態
ポルナレフを操っている状態
アヌビス神とチャリオッツの二刀流
関連タグ
スタンド スタンド使い ジョジョの奇妙な冒険・スタンド一覧 エジプト9栄神
- ソード(カードキャプターさくら):同じく、操った人間及び使用者を誰であっても剣の達人にしてしまう、自我を持つ剣。アヌビス神のように喋りはしないが、意外と計算高い性格。
- 闇魔将・悪奴弥守(鎧伝サムライトルーパー):同じく、アヌビスをモチーフにしているキャラクターでアニメ版と中の人が同じ。
本体の死後も活動を続けるスタンド
- アトム・ハート・ファーザー / 吉良吉廣
- チープ・トリック / 乙雅三→岸辺露伴
- 本体の背中を見た相手に憑りつき新たな本体とするスタンド。見られた者は背中をえぐり取られた上にエネルギーを吸収されて死亡する。
- ノトーリアス・B・I・G / カルネ
- 本体の死によって発現するスタンド。動くものに反応して襲い掛かりエネルギーを吸いつくす。本体がすでに存在しないため射程距離と持続性は無限である。
- リンプ・ビズキット / スポーツ・マックス
- 死体を「透明なゾンビ」として蘇らせるスタンド。排水管に沈められ溺死したスポーツ・マックス自身をゾンビ化させている。
- ???(ジョジョリオンネタバレ注意) / ???
- このスタンドに関しては本質がスタンドの域を超えた存在故、本体死後のそれはもはやスタンドといえるかも怪しいものとなっている。