概要
2017年9月から『ジャンプSQ』で連載が開始された『るろうに剣心』の最新エピソード。既刊9巻。
剣心たちが北海道に向かうという「大まかな構想」自体は人誅編連載中からあったものの頓挫しており、実写映画公開の際にもぜひ、という話はあったものの「これ以上描きようがない」ということで結局東京編を圧縮した『キネマ版』が連載されるに至った。
そんな中、『SQ』2016年11月・12月に『-るろうに剣心・異聞- 明日郎 前科アリ』が掲載。舞台は明治16年、『るろ剣』最終回から1年後。志々雄一派残党の少年悪太郎を主人公とし、明治の新時代を生きる幕末の遺児たちを描いたこのエピソードは全国の『るろ剣』ファンから高い評価を得て、後編にて遂に北海道編の開始が告知。
したがって本作の期待度は非常に高かったのだが、連載開始3話目にして作者・和月伸宏が不祥事を起こして連載が中断となり、半年の休載期間を経て2018年にふたたび開始した。
新選組とか人斬りとかが出てくる明治北海道闇鍋ウエスタン漫画が週刊ヤングジャンプで大人気を博している…こととは特に関係ない、と思う。砂金の話とか出てるけど…。
あらすじ
明日郎前科アリ
時は明治16年(1883年)。刑務所帰りの少年・井上阿爛は、同じ日に出所した悪ガキ長谷川悪太郎ともどもすぐさま行き倒れてしまう。悪太郎は明治政府から名を口に出すことも憚られた志々雄一派の末席であり、アジト崩落の際に志々雄真実の愛刀・無限刃を盗み出したことから、志々雄一派の残党から狙われていた。過去との決別を図る阿爛は悪太郎に「人として」新たな人生を送ってほしいと願い、二人は無限刃をさっさと売り払って資金にしようとするも、そこに密偵の少女・旭の手引きで志々雄一派残党が迫る。
北海道編本編
悪太郎改め明日郎と阿爛が神谷道場に入門した翌日、明日郎は旭の黒幕・佐古といさかいを起こす。佐古は、「次の任務」と称しある写真を携えていた。その写真には、西南戦争で戦死した筈の薫の父・神谷越路郎の姿が映っていた。ひょんなことからその写真を手に入れた剣心と薫は越路郎との再会を夢見て北海道を目指し明日郎ら三人組もこれに同行する。
しかし、「対世界戦争」という正義の下に実検戦闘を目論む劍客兵器が、彼らの前に立ちはだかる…。
主な新キャラクター
☆は実在の人物
神谷道場
旧志々雄一派
旭の黒幕(ネタバレ注意)
- 佐古
- 謎の老婆
劍客兵器
北海道の人々
- 神谷越路郎(名前だけ登場していた薫の父)
- 杉村義衛/永倉新八☆(剣道師範、元新選組2番隊組長)
- 三島栄次
- 田本研造☆(写真家)
- 大垣努(日本陸軍五稜郭隊長代理)
- 伊知川(剣客兵器札幌案件担当、元維新志士)
- 阿部十郎☆(農商務省官僚、元御陵衛士)
- 加納鷲雄☆(元御陵衛士)
- 前野五郎☆(薄野樺太楼経営者、元新撰組隊士)
- 北征抜刀討伐隊(山縣有朋直属の対劍客兵器用の特別部隊)
その他
- 近藤勇☆(新選組局長、新八の語りの中で登場)
- 土方歳三☆(新選組副長、写真と回想にて登場)
- 原田左之助☆(新選組10番隊組長、回想にて登場)
- 藤堂平助☆(御陵衛士、元新選組8番隊組長、回想にて登場)
- 服部武雄☆(御陵衛士、回想にて登場)
余談
コミックスの表紙は北海道編のメインキャラであるのと同時に、その巻に登場しているキャラと緋村剣心が飾っている。
また剣心の立ち位置が左右交互かつ、顔つきも笑顔と険しい表情の交互に変わっているのが特徴である。
前作で完全版コミックスと文庫版コミックの表紙をピンで飾ったキャラたちのケースを考慮に入れて北海道編二幕の扉絵に後ろ姿で登場していることも踏まえると、今後剣心と共に表紙を飾ることになるのは明神弥彦・高荷恵・四乃森蒼紫・巻町操・比古清十郎・悠久山安慈・雪代縁・三条燕の8名の可能性が現時点では高く、北海道編で登場しているキャラでは三島栄次・緋村剣路も該当する可能性が高い(なお雪代巴と志々雄真実は既に故人であるため、表紙に登場する可能性は低いと思われる)。
また第二幕の扉絵では今後上述の高荷恵・四乃森蒼紫・巻町操・比古清十郎・雪代縁だけでなく、不二・鯨波兵庫・戌亥番神・乙和瓢湖・八ツ目無名異・石動雷十太・エルダー=ピーベリーの再登場も示唆されている。
関連項目
るろうに剣心:の5年後。
GUN・BLAZE・WEST:の3年後。作中でも、左之助が現在のアメリカ情勢に関して口にしている。