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概要編集

天保八年8月22日(1837年9月21日)、出羽国(現在の秋田県)の農民の家に生まれる。亀田藩士高野家の養子となった。

脱藩の時期は不明だが、藩主の参勤交代の供をした際にそのまま脱藩したと伝わる。


文久三年(1863年)京都にて壬生浪士組(新撰組)に入隊。水戸学系の思想に傾倒していた阿部は局長芹沢鴨の派閥に属したが、芹沢が近藤勇試衛館派に暗殺されると、近藤を見限り脱走した。

その後大坂にて新撰組谷万太郎の道場に入門。伊東甲子太郎の新撰組入隊を聞き、また大坂にて万太郎らとともに石蔵屋事件で活躍した功績から取り成しを受け、慶応元年(1865年)復隊を果たした。伍長・砲術師範を務めたという記録もある。


慶応三年(1868年)、伊東甲子太郎が御陵衛士を拝命するとこれに伴い再び新撰組を離脱。油小路事件の当日は伏見に出向いており不在であったが、知らせを受け京に戻り、薩摩藩中村半次郎の下に身を寄せた。

王政復古の大号令が出され政局が一変すると、伊東の復讐を果たすべく療養中の沖田総司を襲撃に向かう。これは沖田の不在により未遂に終わるが、その帰りに供を連れて二条城から伏見へと向かう近藤を目撃。急いで先回りした阿部たちは伏見街道墨染にて近藤を襲撃。右肩に重傷を負わせるが逃げられてしまった。


戊辰戦争が始まると御陵衛士残党らは相楽総三らとともに赤報隊を結成。三木三郎率いる二番隊に属し江戸を目指すが、相楽率いる一番隊の偽官軍事件により帰還命令を受け帰京。赤報隊は解散させられ一時投獄されるが、嫌疑が晴れると再び新政府軍として奥州で戦った。


明治維新後は東京にて警察官、後北海道にて開拓使を務め、明治19年に退官。札幌にて果樹園を経営しりんごの品種改良などで成功した。

晩年東京に移り、史談会に出席して多くの証言を残した。

明治40年、東京にて没。享年71歳。


登場作品編集

るろうに剣心編集

北海道編』に登場。維新後は農商務省の役人として北海道に勤務し、妻子も持っている。また、史実とは違い油小路事件に参戦しており、新撰組を恨み、彼等の敗北を望んでいる。

偏屈で年齢にうるさい皮肉屋で、常にリンゴを持ち歩いてはかじっている。


劍客兵器が要人暗殺の実検戦闘で、役人の中から護衛につけた囮役の作戦を元新撰組が発案し、伊知川は主導権を取られた腹いせにかつての因縁の相手=御陵衛士だった阿部が選抜されたことで、永倉と斎藤と再会する。


かつては敵だったが、今は役割のため自分を斬れない斎藤に、『悪・即・斬』の流儀を皮肉り、劍客兵器との戦いで新撰組の敗北を拝めると、性格の悪そうな笑みを浮かべて囮役を引き受けたが、その真意は新撰組が苦戦したところで自分が劍客兵器を倒し、新撰組より自分が上に立ち、勝ちたいと言う捻くれたもの。


砲術方ながら射撃の腕前は優れているとは言えなかったが、新撰組に負けた後も戦う腕を磨き続け、敢えて相手の攻撃が届くほどの近接戦闘によって、射撃の命中の難易度を下げるため零距離射撃を行うという戦闘スタイル(リンゴ農園で腕を磨いたことで、アップルショットと名付けている)を確立して克服している。


本編中でも六発込めのリボルバーで発砲と装填を繰り返し、劍客兵器相手に零距離で弾幕を張るという離れ技を見せ、その様には斎藤永倉ですら舌を巻く程。


しかし、雹辺双の戦型の仕掛けに気付かずに手傷を負ったところ、劍客兵器にとって御陵衛士など取るに足らない過去の敗北者であり、尊敬していた服部武雄の武勇もは取るに足らない扱いに怒りを抱くが、それは永倉の怒りも呼び起こす。

永倉が雹辺を斬り、実は2人一役が暴かれた、又佐は負傷して戦闘不可能だったが、残る又佑が単独でも戦闘を続行。

自分に標的を定められたが、切り札の隠しピストルで又佑の片腕を潰す。

しかし、仕留めきれなかったことで、新撰組に勝てなかったと、新撰組の勝つ姿を見たくないと、戦闘を見届ける事なく帰宅した。


上記の油小路での現在の定説との違いについてだが、札幌での事件解決後に記憶の大雑把さに定評がある永倉が酒の席でのノリで、実はちゃんと居合わせていた筈の彼を『居たのを憶えてないから居なかった』事にしてしまった上に、後年その内容まま回顧録を書いてしまったのが原因である事が発覚している。


余談だがその銃の使い方から、コンセントレーション・ワン(あるいはそれに類する技能)を会得しているのではないか?と疑う読者もいる。


なお、阿部を永倉が、(永倉たちが不意討ちで殺した)服部武雄の言葉を使って諭す場面があったが、「貴様が姉さんを語るな」と剣心に激昂した雪代縁と、永倉の意見を聞き入れた阿部との対比の様な構図になっている。



関連タグ編集

新撰組 御陵衛士 赤報隊

伊東甲子太郎 三木三郎 篠原泰之進

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