我がドイツの医学薬学は世界一ィィィ!
できんことはないイイィーーーーッ!!
概要
人物
ナチスドイツの軍人。なお、所属がドイツ国防軍と武装親衛隊のどちらなのかは作中では明言されていないが、軍服や任務内容から後者の可能性が高いと思われる。
後述する理由から柱の男についての調査・研究をしていた。
なお、史実でもナチスはドイツ民族のルーツを探るべく考古学を奨励し、世界中に軍関係者を派遣していたため、「ドイツ国外で考古学に関する仕事をするドイツの軍人」という設定は強ちありえない設定ではなかったりする(さすがに中米にまで足を延ばしているのは突飛かもしれないが…)。
「高慢」と周囲に言われるほど自信過剰な性格で所属している組織が組織なだけに第一印象で彼を悪人だと思う読者も多いが、その一方で仲間想いかつ愛する祖国や仲間の為ならば自らの命も懸けることも厭わない気高い覚悟を持つ人物である。
こうした条件に合致すれば、相手がたとえ自分より下の立場の人物であろうとも敬意を以て接する誇り高い一面も持ち合わせており、仲間を庇って自分から進んで柱の男への生贄として処刑されることを志願した少年に対し、彼の度胸と勇気に敬意を表して命を助けたこともある(もっともその直後に少年以外の捕虜全員を処刑するという非道な一面も見せているのだが)。
作中ですらジョセフ・ジョースターの口を借りて「でもナチス」とツッコミを入れさせているように、創作作品でも珍しい主人公の味方になるナチス軍人キャラである。
語尾が長いことと握力が強いことに定評がある。
ジョセフとの関係は仲間というよりは腐れ縁と言ったところか。
作中での活躍
上層部からメキシコの遺跡で発見された柱の男を蘇生させて軍事利用する命を受け、その過程で保護・監禁したスピードワゴンから情報を引き出そうとする。この時スピードワゴンは石仮面の力に魅せられたストレイツォによって瀕死の重傷を負わされていたが、シュトロハイムが豪語するドイツの世界一の医療技術によって治療され一命を取り留めることとなった。
我がドイツの医学薬学は世界一ィィィィーーーーッ!!!!
柱の男を蘇らせるために捕虜の一人を生贄にしようとしたところ、年端もいかない少年が身代わりを買って出る。その心意気を買ったシュトロハイムは少年以外の捕虜を全員生贄にし、その血を柱の男に吸収させて蘇生させることに成功、「メキシコに吹く熱風」という意味を込めてサンタナと命名した。
しかしサンタナは蘇生して間もなく実験室から脱走。シュトロハイムたちに襲いかかり、その場にいた兵のほとんどが惨殺されてしまう。ピンチに陥るシュトロハイムだったが、スピードワゴン救出のために施設に潜入していたジョセフに助けられる。
だが、ジョセフの攻撃で傷ついた肉体を再生しようとするサンタナに片脚を取り込まれ再びピンチに。しかし彼はなんと取り込まれた脚をジョセフに切断させ、苦痛に耐えながら屋外へ続く扉を開けることに成功する。
最大の弱点である太陽の光をまともに浴びてしまったサンタナはその場から逃れようと今度は脚の傷口からシュトロハイムの体内に侵入。体を乗っ取り逃走を図ろうとするが、シュトロハイムは手榴弾で自爆。命と引き換えにジョセフに勝利をもたらした。
死んどる場合かーッ!
…と思いきや、世界一の医療技術と科学技術によって肉体を半機械化し、俗に言うサイボーグとなって復活した(メッシーナ曰く「柱の男以上に不死身な体」)。
なお、初登場時少佐だった所をこの時点で大佐に昇進している。改造手術を受けて生きていたわけだが、一度死亡判定されて二階級特進をしたのだろうか?
中盤ではカーズと対峙し、サンタナを凌駕するパワーや1分間に600発の徹甲弾を発射可能な重機関砲を駆使して戦ったがまったく歯が立たず、輝彩滑刀で胴体を横薙ぎに両断されてしまう。目に搭載された紫外線照射装置でなんとかカーズに一太刀浴びせることに成功するもののさすがに戦闘不能となり、その後のジョセフたちの戦いには同行しなかった。
ちょいと右脚がギクシャクするがァァァァ 俺のカラダは 修理は完了ォォォォォ
…かと思ったが、治療と再改造を受けてまたまた復活。
最終決戦にて吸血鬼の大群に襲われていたジョセフを助けるためスピードワゴンやスモーキー、部下たちを率いて駆けつけ、スピードワゴン財団が小型化に成功した紫外線照射装置など全身の武装を駆使し大暴れした。
追い詰められたカーズに止めを刺そうと紫外線を照射したものの、カーズは既に赤石をつけた石仮面を被っていたため彼の究極生物化を手助けするという痛恨のミスを犯してしまう(途中で気づいて照射をやめるように叫んだが間に合わなかった)。
究極生命体となったカーズに逆に追い詰められてしまったジョセフは戦闘機に乗り逃走、戦いの舞台は空へと移る。実はこの時ジョセフは逃走したわけではなく、ヴォルガノ島の火山にカーズを誘い込み、溶岩に突っ込ませて焼き殺すつもりだった。
ジョセフはカーズの猛攻を凌ぎつつ戦闘機での体当たりを敢行。道連れを覚悟で溶岩に向かって突っ込んでいった。
…が、戦闘機に潜んでいたシュトロハイムによってジョセフは救い出される(この際、着地の衝撃でシュトロハイムの両足は粉々になった)。
勝利を確信したのも束の間、なんとカーズは岩盤を砕いて地上へと舞い戻り、ジョセフの左腕を切断。溶岩に落としても死ななかったカーズを目の当たりにし、シュトロハイムは「奴は神になったんだ」「人類は服従するしかないんだ」と完全に戦意喪失。ここからどうやってカーズを倒すのか、読者の期待と不安を煽ってくれた。
そして最後の戦いにて、ジョセフの起死回生の反撃により火山は大噴火を起こし、膨大な噴火のエネルギーに吹き飛ばされカーズは宇宙へと追放された。生還したシュトロハイムはジョセフが噴火に巻き込まれて死亡したと思い、その顛末を仲間たちに伝えた。
それを聞いた仲間たちは後日ジョセフの葬式を始めてしまうが、葬式の最中に帰還したジョセフと再会するのだった。
その後、エピローグで「ジョセフに再会することなく1943年のスターリングラード戦線で誇り高きドイツ軍人として名誉の戦死を遂げる」と語られた。
ジョセフはシュトロハイムに新しい義手を作ってもらうつもりだったことを独白しているが、それが叶うことは終ぞなかった。
なお、「何をどうやったらあんな化け物を倒せるんだ」とファンの間で議論になる事がしばしばある。
これについては史実のスターリングラード包囲戦のあまりの惨状から、航空爆撃で跡形もなく吹き飛んだか物資不足による整備不良、あるいは戦車砲が直撃したと考察されている。もしかしたら作中と同じように味方の兵士をかばって戦死、あるいは劣勢を覆すための自爆なども考えられるだろう。ネットでは充電切れ疑惑も出ているが。
余談
- 描写から「ジョセフの生存を知ることなく死亡した」と扱われることが多いが、作中では「再会することなく戦死」としか書かれていないため、生存していたこと自体は連絡されるなどして知っていた可能性がある。
- TVアニメ版ではナチスの所属とはされておらず、「ドイツ軍の軍人」という設定に留められている。これはシュトロハイムに限った話ではなく、ドノヴァンやマルクといった作中に登場する他のナチス関係者もドイツ軍の所属という設定に変更されている。
- また、原作で時折行っていたいわゆる「ナチス式敬礼」もTVアニメでは人差し指だけを立てており、TV放映時には黒塗りにして映さないようにしているあたり、製作陣の苦心が垣間見える。漫画ではドイツがヨーロッパ各地に侵攻した様子を図示した際にヒトラーの肖像もばっちり描かれていたのだが、当然アニメ版ではカットされている。
- TVアニメ版における彼のラストシーンにおいては、アサルトライフル・サブマシンガン(ドイツ的にはマシンピストルと言った方が良いかもしれない)・バズーカ砲・ロケットランチャーといった銃器を搭載した無数のアームを背中に装備した彼が戦線へと赴く姿で締めくくられている。ラストの台詞は「世界一ィィィ!」
- ラストシーンで彼が装備していたサブマシンガンはイングラムM10と思わしき形状をしているが、イングラムM10は1964年に設計されたアメリカの銃器である。それを第二次大戦時の人物である彼が持っていたということを考えると、ドイツ軍の科学力の賜物だろうか…
- また、そのサブマシンガンと同じ名を持つ人物であるレックス・イングラム氏はシュトロハイムの名前の元ネタと思われるエリッヒ・フォン・シュトロハイム氏(後述)が「世界で最も偉大な映画監督」と語ったという逸話があり、そのネタとも考えられる。
- 第5部の後日談である小説『恥知らずのパープルヘイズ』にも名前が登場。ナチス・ドイツが行っていた石仮面研究の責任者も務めていたことが語られている(続編ではなくあくまで「隣の世界」ととった方が適切)。
- 第6部以前とは別の世界を舞台とする第7部『スティール・ボール・ラン』にフリッツ・フォン・シュトロハイムというキャラクターが登場する。荒木先生による一種のファンサービスだろう。
モデルについて
上でも少し書かれているが、名前の由来は、ドイツの映画監督・俳優であったエリッヒ・フォン・シュトロハイムではないかと言われている。本作の登場人物の名前は基本的にミュージシャンの名称から採られていることが多く、このように映画関係者から名前が採られるというケースは珍しい。
また、作者がジョジョ以前に執筆していた漫画『バオー来訪者』にドルド中佐という人物が登場する。
元軍人で、過去に爆弾で重傷を負ったのが元で半身をサイボーグ化しているなど、シュトロハイムを彷彿とさせる設定をしている。攻撃を受けてメカ化した顔の半分を晒すところも共通。もしかするとこのキャラクターがシュトロハイムの原型になったのかもしれない(ただしこちらは、主人公側を狙う悪役)。
担当声優
大人気作品の超個性派人気キャラであり、選抜された伊丸岡氏にはかなりのプレッシャーがあったようだが、太くふてぶてしい声色やハイテンションと冷静が急転換する圧倒的な名演…もとい迷演は「俺らが想像していたシュトロハイム以上にシュトロハイムだった」と旧来のファンからも大好評を得た。
また、解説役として喋りまくるにもかかわらずその全てが大声且つ大仰なため、第1部から第6部まで通した全キャラクターの中でもぶっちぎりでうるさい。結果ネットではカルト的な人気を誇り、ニコニコ動画などでは大量のMAD動画やパロディネタを見ることが出来る。
伊丸岡氏は毎回のアフレコ終了の度に疲労困憊で、その役者魂が共演者の励みでもあったという。
なお、シーザー死亡回がTV放映された「To be continued」直後に全く自重せずにいつものテンションでCM宣伝したことが当時話題になった。
「泣いとる場合かーッ」
そのCMについてシュトロハイムを演じた伊丸岡篤氏は『JOJOraDIO』にて「もう少し余韻に浸りたかった...」「自分の声なのに殺意が湧いた」と述べていた。
関連タグ
- ナランチャ・ギルガ - 第5部にて、同じく味方サイドながら意図せずラスボスの手助けをしてしまった。
- ついでにとんちんかん - しばしばパロディに使われた。
- ガイル - 『ストリートファイター』シリーズに登場するキャラクター。容姿のモデルがシュトロハイム(またはポルナレフ)とされる。
- ブロッケン - 『ワールドヒーローズ』に登場するキャラクター。シュトロハイムをモチーフにしたと思われる。