概要なんぞ書いとる場合かーッ!
ジョジョの奇妙な冒険第二部「戦闘潮流」にて、
ルドル・フォン・シュトロハイムが、部下を叱責した時の台詞である。
場面は薄暗い作戦室。研究員達が目を離した隙に被検体の柱の男サンタナが、脱出不能なはずの実験室から姿を消してしまった事を上司に説明するシーン。
「シュトロハイム少佐、・・・わ・・・わたしはち・・・ちょいと、目を離したんです・・・・・・・・・・・・」
「あなたも、そばにいました、みんなそばにいました、でも・・・・・・誰も見ていないのです・・・」
(サンタナが研究室が抜け出す瞬間を)
研究員は机に視線を落とし、ふと目に入ったコーヒーカップに手を伸ばす。
「(ガタガタガタ)」(コーヒーを飲もうとする)
狼狽えて説明しながらコーヒーを飲もうとする研究員を、彼は叱責する。
「飲んどる場合かーッ!」(コーヒーは床に落ちる)
このシーン、構図、手の動き、擬音、ごもっともなセリフから完全にコントの「なんでやねん!」的なツッコミにしか見えないため、割と小さいコマにもかかわらず人気がある。
補足なんぞしとる場合かーッ!
吸血鬼(石仮面を装着させたことで誕生した凄まじい強さを持つ人間)を、いとも簡単に殺してみせた被検体の男が、実験室から姿を消したのだ。
いくら慌てていたとはいえ、コーヒーを飲んで落ち着いている場合ではない。
彼が叱責されるのは当たり前である。
なおこの研究員が飲もうとしたコーヒーは、どう見てもシュトロハイムの物である。
重要な報告をしている最中に、こともあろうに上司の机上のコーヒーを勝手に飲もうとしたのである。
社会人の皆様ならば、報告の最中に上司のコーヒーを飲むというのがどんな事か分かるはずである。
分からない人はやってみましょう(ただし自己責任で)。
…まぁ、それだけテンパっていたということなのかもしれないが。
目を離しとる場合かーッ!
更に補足すると、サンタナは瞬時に姿を消したわけではなく、実験室の通風口に潜り込むまで
- 壁際まで音速でダッシュ
- 通風口の高さまでジャンプ
- 関節を外し体を折りたたむ
- 通風口にグニョグニョ入っていく
というプロセスを経ており、記録フィルムにはそれがバッチリ録画されている。これだけあれば①のダッシュの時点で気がついてもおかしくないのだが、研究員達は誰も見ていなかった……目を離しとる場合かーッ!
(もっとも、見えていても対策は困難だっただろうが)
原作とアニメの違いを紹介しとる場合かーッ!
アニメ版では上記の叱責のシーンがきちんとアニメーションで描かれている。
しかし原作ではメイン画像の様に正面からツッコミを入れるような構図だったのに対し、アニメでは横から視点のままコーヒーカップを払い落とす描写になっている。こちらの方が弁解シーンの流れとしては自然だが、有名な漫画の1コマがアニメ版で採用されなかったことを残念がるファンも多い。
関連イラストを紹介しとる場合かーッ!