概要
明(1368年~1644年)の時代には倭寇が猛威をふるい、これを取り締まる明の役人は対応に苦慮した。
中国の「刀」は反りが大きく幅の広い、「斬る」ことに特化した武器(所謂柳葉刀)で、「斬る」事に加え「貫く」ことにも絶大な威力を発揮する日本刀(倭寇は大太刀を使用した)と対峙するには不利であった。当時の記録に「機敏に動き回り、(中国の)剣では相手の方が間合いに優れて不利であり、槍では柄を切り落とされる」と有る。
そのため明側も倭寇から押収したり日本の商人から購入した大太刀、またはそれを模して作った倭刀、倭刀をアレンジした苗刀などを装備して対抗した。
これらの刀を使用する独自の剣術として「倭刀術」(苗刀刀法)があり、中国刀術特有の回転運動の要素に加え、硬質な刀の特性を活かし、両手持ちによる力強い「斬り技」や「突き技」などを特徴としている。
「苗刀刀法」は郭氏劈掛拳に併伝されていることが多い。
創作
- 漫画『るろうに剣心』に登場する雪代縁は上海で倭刀術を習得し、人智を超えた戦闘能力を手に入れた。
- ファイアーエムブレムシリーズでは剣士、ソードマスター専用武器として登場(烈火の剣ではリンディスも装備可能)。キルソードの必殺補正を上回る数値が設定され、封印の剣ではソードマスターの必殺補正、支援会話の組み合わせによって必殺率109%をたたき出すことも可能だった。特にルトガー&ルトクラ。それ故か以降のシリーズではソードマスターや倭刀の必殺補正が下方修正されてしまった。