概要
劈掛掌とも呼ばれる北派武術に属する拳法である。
特徴
腰を支点にして上体を左右にふり、両手をふりまわすようにして、連続的に攻撃する。
腕を振り回す動作“「劈」と「掛」”
腕全体を上から切り下ろす「劈」と下から打ち上げる動作「掛」及びそのほとんどの技法を“掌”で行って戦う。劈掛拳は腕を風車のように振り回して戦い、曲線的な歩法によって敵の側面や後ろに回り込み、相手に反撃の隙を与えぬよう連続的に攻撃して戦う。遠心力を利用したその打撃は鞭のように鋭く、遠距離からの攻撃に優れている。
八極拳との相性
接近戦を得意とする八極拳との相性は良しとされている。直線的な歩法の八極拳に対して曲線的な歩法の劈掛拳は相性が良く、一撃必殺の剛である八極拳に対して連続攻撃の柔である劈掛拳は相性が良いなどと互いが互いの弱点を補っているため『八極と劈掛を学べば神さえ恐れる』という言葉が生まれたほどなのだとか。一説には劈掛拳の開祖とされる人物は八極拳の開祖とされる呉鐘の長女であるとされており、この説によると本来は一つだった流派が八極拳と劈掛拳に分裂したという事になる。ちなみに八極拳と相性がいいのは劈掛拳だけでなく、蟷螂拳も遠距離攻撃、連続攻撃に優れている。よって蟷螂拳も八極拳との相性が良い。