概要
「週刊少年ジャンプ」で連載された和月伸宏の漫画『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』を原作としたアクション時代劇映画。全五部作。
監督は大河ドラマ『龍馬伝』を手掛けた大友啓史。同作で人斬り岡田以蔵を演じた佐藤健が主演を務めたほか、青木崇高、蒼井優、伊勢谷友介、福山雅治など共通のキャストが多くみられる。
アクション監督としてドニー・イェンの下で修業を積んだ谷垣健治を起用。日本の時代劇と香港映画の要素を組み合わせた斬新なアクションは評判を呼び、ジャパンアクションアワードを2度受賞している。
『るろうに剣心』《第1作》
原作における『東京編』(ニセ抜刀斎騒動・黒笠編・観柳邸突入まで)のストーリーが基になっている。
興行収入は30.1億円。
『るろうに剣心 京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』《第2・3作》
『京都大火編』が2014年8月1日、『伝説の最期編』が9月13日に連続公開された。
原作で最も人気の高い『京都編』がベース。
興行収入は『京都大火編』が52.5億円、『伝説の最期編』が43.9億円。
『るろうに剣心 最終章 The Final』『るろうに剣心 最終章 The Beginning』《第4・5作》
『The Final』が2021年4月23日に、『The Beginning』が6月4日に公開(当初はそれぞれ2020年7月3日、8月7日に連続公開予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期となった)。
シリーズの最終章。『The Final』は『人誅編』の初の映像化となった。『The Beginning』は1999年に発売されたOVA『追憶編』の要素も取り入れている。
興行収入は『The Final』が43.5億円、『The Beginning』が25億円。
因みに主演の佐藤氏はOVA『追憶編』の大ファンだったらしく、撮影前には欠かさずポータブルプレイヤーでDVDを見ていたとか(あまりに真剣に見ていたので、巴役の有村氏が「自分も見てます」とは言い出せず、クランクアップ後に知ったとか…)。
主要キャスト
☆は実写映画版オリジナルキャラ
- 緋村剣心(演:佐藤健)
- 神谷薫(演:武井咲)
- 相楽左之助(演:青木崇高)
- 明神弥彦(演:田中偉登《第1作》 / 大八木凱斗《第2作》 / 大西利空《最終章》)
- 高荷恵(演:蒼井優)
- 斎藤一(演:江口洋介)
- 桂小五郎/木戸孝允(演:宮川一朗太《第1作》 / 高橋一生《第4・5作》)
- 山縣有朋(演:奥田瑛二)
- 浦村署長(演:斉藤洋介《第1作》 / 鶴見辰吾《第4作》)
- 関原妙(演:平田薫)
- 三条燕(演:永野芽郁《第1作》 /
柿原りんか《第4作》)
京都大火編/伝説の最期編
- 志々雄真実(演:藤原竜也)
- 駒形由美(演:高橋メアリージュン)
- 瀬田宗次郎(演:神木隆之介)
- 佐渡島方治(演:滝藤賢一)
- 沢下条張(演:三浦涼介)
- 悠久山安慈(演:丸山智己)
- 四乃森蒼紫(演:伊勢谷友介)
- 巻町操(演:土屋太鳳)
- 翁(柏崎念至)(演:田中泯)
- 新井赤空(演:中村達也)
- 新井青空(演:渡辺大)
- 大久保利通(演:宮沢和史)
- 川路利良(演:小市慢太郎)
- 比古清十郎(演:福山雅治)
- 伊藤博文☆(演:小澤征悦)
最終章 The Final/The Beginning
- 雪代縁(演:新田真剣佑)
- 呉黒星(演:音尾琢真)
- 鯨波兵庫(演:阿部進之介)
- 乙和瓢湖(演:栁俊太郎)
- 乾天門☆(演:丞威)
- 八ツ目無名異(演:成田瑛基)
- 雪代巴(演:有村架純)
- 桂小五郎(演:高橋一生)
- 高杉晋作(演:安藤政信)
- 辰巳(演:北村一輝)
- 沖田総司(演:村上虹郎)
- 近藤勇(演:藤本隆宏)
- 土方歳三(演:和田聰宏)
- 幾松(演:堀田真由)
原作との主な差異
以下、多少ネタバレあり。未視聴の方は注意。
基本設定
- 薫が原作ほど剣心に突っかからない。
- 弥彦や薫、葵屋一同の戦闘シーンはほぼ描かれない。
- 敵キャラの回想シーンは尺の都合で殆どカット。
東京編/第1作
- 武田観柳の私兵として番神、外印が登場する。第1作ラスボスの刃衛も観柳がパトロンになっている。
- 刃衛が「人斬り抜刀斎」を名乗る
- その代わり原作における武田の私兵としての御庭番チームは登場せず、蒼紫は京都大火編が初登場。
- 武田屋敷への殴り込みに斎藤も終盤にて参加している。
京都編/京都大火・伝説の最後編
- 京都編開始時点で神谷道場の門下生が増えており、神谷活心流が復興している。
- 安慈と左之助の東山道での邂逅がカット。
- 張の主な武器が、原作ではあっという間に潰された連刃刀になっている。まあ、薄刃太刀を実写で再現しても単なるムチになってしまうだろうし。
- 京都篇では伊藤博文が志々雄潰しに躍起になっている。
- 翁が最終的に死亡する。
- 剣心が志々雄を欺くべくわざと処刑されに向かうオリジナル描写が追加。この際に、方治が読み上げる抜刀斎の犠牲者の中に今後の伏線が含まれている。(おそらく、この時点で人誅編と追憶編を実写化することが検討されていた模様)
- 戦艦煉獄は原作と違い志々雄一派との最終決戦の場となる(実は原作でのボツ展開)。
- 原作では剣心や斎藤と「連戦」した志々雄が、なんと剣心・左之助・斎藤・蒼紫の4人がかりでも互角に渡り合う。
- 半面、十本刀は方治、宗次郎、安慈、張以外はほとんど目立たない。不二や夷腕坊の再現が難しいからであろう。
人誅編/The Final
- 前掲の通り戌亥番神と外印は既に捕まっているので未登場。戌亥番神の代わりに、乾天門が登場。
- 冒頭にて、横浜駅で縁が斎藤ら警官隊と交戦している。(逮捕されるも治外法権により釈放)
- 前川道場と浦村家襲撃は上野山からの赤べこ砲撃(夜半)のわずか数時間後(早朝)と大幅に前倒しされている。足の速い連中である。(もしかしたら気球を使ったのかもしれない)
- 乙和が常にハイテンションな哄笑を浮かべ顔中に平安貴族のごとく白粉を塗りたくるなど、「鎌と梅花袖箭を使う」以外で原型が残っていないほどキャラが異なる。おまけに同士の中では最初の脱落者となり、『The Beginning』の伏線と思しき末路を辿る。
- 潜入捜査に向かった張が(欲の皮が張ったせいで)縁に発見され、ボコボコにされて死亡退場している。
- 人誅による破壊活動が原作よりさらに大掛かりであり、もはや上野戦争や佐賀の乱レベルの「内戦」となっている。
- 呉の手下たちが外印に始末されないので、その戦力が斎藤ら警官隊との戦闘に投入され、更に別動隊が上記の「人誅」に参加している。その為、原作では京都編以降激減した「剣心VS敵戦闘員軍団」という殺陣が本作では数多見られる。
- 原作では6人全員での神谷道場襲撃は、映画だと上記の通りのテロに他メンバーが動員されているため、それを囮にした縁がたった1人で乗り込んで制圧してしまう。
- 外印が登場しない影響(あと尺の都合)からか、薫の人形が登場しない。
- 剣心が廃人にならない(廃人同然とも言える状態はあったものの、それは物語開始前であり、京都にて和尚との問答の末、既にその答えを出していた。)のでオイボレが未登場となり、落人村や鯨波脱獄のエピソード、信州編が丸ごとカット。鯨波に関しては、武器もグレネードランチャーではなくどこぞの人撃ちガトリング斎よろしくマシンガンになっている。
- 蒼紫が人命救助の際の負傷で戦線離脱し、以降は操のアクションが原作に比べ爆増。
- 縁と黒星が孤島のアジトに向かうシーンがカットされ、最初のアジトである六角館が最終決戦の場となる。
- 八ツ目が地面に潜ったりしない(そりゃそうか)。
- 原作では登場しない宗次郎が人誅編にも登場、剣心と共闘する。…まるで別のジャンプ漫画の実写版である。
- 原作だと、縁は最終的に逮捕されるものの刑務所から脱走したが、実写版は逮捕されたまま。
追憶編/The Beginning
- 映像表現が難しかったからか、人誅(追憶)編のキーアイテムである白梅香関連の言及は全てカットされた……のだが、4DX上映では本当に白梅香を流している。
- 池田屋事件の夜に剣心と沖田の優男対決(byガムシン)がある。
- 飯塚が原作(及びOVA)のようなフランクな性格ではなく、シリアス寄りの性格となっている。
- 原作では片貝を始末したのが中条だが、映画では八ツ目。
- 闇乃武が忍者ではなくああ見えてれっきとした武士になっている。勿論八ツ目の金堀衆出身という設定もオミット。
- 視覚を潰された抜刀斎が座頭市よろしく逆手持ちで戦う。
- 剣心の十字傷の理由が原作と少し異なる。(OVAに近い)
- 飯塚暗殺が描写されていないため、若き頃の志々雄が未登場。(おそらく、演者である藤原氏が同時期に同じ配給会社の別作品に出演していたため。)
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