概要
小説・漫画・アニメ・ゲームなどの表現物を実在する人間や生物、場所などを用いて再現すること。
ドラマ化や舞台化と実写化はほぼ同じであるが、映画化の場合は実写映画とアニメ映画があるので同じとは限らない。
実写化というのはものにもよるがアニメよりも大掛かりで予算も使うということからその原作となった作品(のシリーズ)にとっては“それだけの価値のある作品”という意味の“箔”として扱われ、以後その作品を紹介される際には「実写化された(こともあるほどの人気作)」と明文化されたりもする(ただし、実写化が成される作品の基準は場合によって異なり、中には知る人ぞ知る極めてマニアックなものを原作にしている作品も少なくはない)。
二次元作品の実写化自体はそれこそ映像技術誕生の頃から行われており、その後の映像産業の隆興に伴って小説などの文学をはじめとし、そこから時代を経るに連れて漫画、アニメ、ゲームをはじめとする様々な分野の二次元作品が実写映像作品として制作されるようになり、現在では近代における映像エンターテイメントジャンルの一つとして扱われている。
加えて最近ではCGを含む特殊撮影技術の進歩と向上により実写化が行われる作品の種類およびジャンルはより一層多様化しており、さらに今までは“映像化不可能”といわれていたような作品、あるいは以前に何らかの形で実写化されていた作品を21世紀の技術を持って改めて実写映像化されるというケースも増えて来ている。
しかし、実写版の項にもある通り、その二次元的作品を実写映像化する際には原作のキャラクターおよび世界観情景を現実の人間や環境に置き換え、さらに作品にとって重要な要素である設定と各シーンの描写も実写に即したものとして演出、表現したことで生まれるギャップも非常に強くなりがちで、そのため特定の作品の実写化に関して批判的あるいは否定的なファンが多く公式からの大々的な宣伝に対して原作ファンの反応はむしろ冷めたものだったり、場合によっては実写化を許可した上層部や原作者自体のアンチになることも多くなっている。
ただ、実写化というのはただの原作再現にとどまらず“原作を含むシリーズ全体の展開拡大の一環”か、あるいは“普段アニメや漫画を見ない人に向けて実写ドラマとしてその作品を作り直した上でそれを提供する”という側面もあり、それによりそういう客層にもその作品、しいては原作を含めたシリーズ全体の存在を大きくアピールすることができるというメリットがあるのも事実である。特に2010年代中盤まではアニメの地位がものすごく低かったことから、実写版での成功が重要視されていた。GTOやハコヅメ、金田一少年の事件簿、トリリオンゲームなどのように実写化が先に行われ、後にアニメ化というメディアミックスもあることにはある。GTOに至っては実写版が成功したことで、何度かシリーズが出たこともある。
興行成績の良い作品でも原作ファンとそうでない観客との間で温度差が生まれることは珍しくなく、実写化の是非に関して争いが巻き起こりやすくなっている。