概要
ウルトラシリーズ初のアニメ作品誰もが知っているウルトラの戦士の放送に先駆けて、
第1弾『長篇怪獣映画ウルトラマン』から12年ぶりに劇場公開された。
今作は実相寺監督が演出した話の他に、人気怪獣登場回の第8・16・27話が回想シーンとして挿入されている。
OPのウルトラマンの勇姿、科学特捜隊本部。エピソードを繋げるため、大空と宇宙へ飛ぶジェットビートルの新撮カットを追加。
OP、各エピソード、EDごとに第20話からナレーターを務めた浦野光による新規ナレーションを収録。
劇伴は、「ウルトラマン」の音楽を担当した宮内國郎作曲による『交響詩 ウルトラマン』と『交響組曲 恐竜』の楽曲を使用。
同時上映は一部地域限定で『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』。
本作の大ヒットにより、1979年7月21日に第3弾『ウルトラマン怪獣大決戦』が公開決定。また、『宇宙怪獣ガメラ』も本作に影響を受けており、(湯浅憲明なども携わってきた『ウルトラマン80』など)ウルトラシリーズの影響を受けている平成ガメラ3部作と関係性がある『ウルトラQザ・ムービー星の伝説』や『ウルトラマンマックス』にも実相寺が携わっており、ガメラがカプセル怪獣として登場した作品には湯浅憲明がガメラの演技指導をしたなど、何かとウルトラシリーズとガメラシリーズには製作面の関係性がある(カプセル怪獣を参照)。
『ザ☆ウルトラマン』や『ウルトラマン80』と続く、「第3期ウルトラシリーズ」の幕開けとなった。
キャッチコピー(3種類)
「圧倒的ファンの熱望に応えて完全映画化!
ブームの最頂点であのスーパー・ヒーローが大スクリーンに甦える!」
「M78星雲光の国から きたぞわれらのウルトラマン!
1000万ファンの熱望にこたえて、あのスーパー・ヒーローが遂にスクリーンに登場!」
「胸につけてるマークは流星… あのメロディーにのってウルトラマンが帰ってきた
人気怪獣相手に、大画面せましと暴れまくる1時間40分」
スタッフ
製作 | 円谷皐 |
---|---|
脚本 | 佐々木守 |
総編集 | 浦岡敬一 |
音楽 | 宮内國郎、円谷音楽出版、玉川静 |
撮影 | 中堀正夫 |
美術 | 池谷仙克 |
照明 | 佐藤浩 |
効果 | 小森護雄 |
録音 | 堀内戦治 |
監督補 | 下村善二 |
プロデューサー補 | 福井顕 |
現像所 | 東京現像所 |
協力 | コダイグループ |
製作協力 | 円谷エンタープライズ |
撮影 | 福沢康道、内海正治 |
照明 | 山口偉治、高島利雄 |
美術 | 岩崎致躬 |
効果 | 西本正夫 |
編集 | 柳川義博 |
助監督 | 東條昭平、太平隆 |
製作担当 | 熊谷健、上村宏 |
特撮スタッフ
撮影 | 鈴木清、佐川和夫 |
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照明 | 原勲、小林哲也 |
美術 | 成田亨、深田達郎 |
助監督 | 大木淳、山本正考 |
視覚効果 | 中野稔 |
録音 | キヌタラボラトリー |
プロデューサー | 末安昌美 |
特撮技術 | 高野宏一 |
監督 | 実相寺昭雄 |
監修 | 円谷英二 |
ナレーター | 浦野光 |
製作 | 円谷プロダクション |
映像リスト
第15話 恐怖の宇宙線
第22話 地上破壊工作
第23話 故郷は地球
第34話 空の贈り物
第35話 怪獣墓場
第8話 怪獣無法地帯
第16話 科特隊宇宙へ
第27話 怪獣殿下・後篇
出演者
科学特捜隊
各話ゲスト
第15話
第22話
福山博士 | 福田善之 |
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アンヌ・モーハイム隊員、地底人の女 | アネット・ソンファーズ |
地底人X | フランツ・グルーベル |
第23話
第34話
なし
第35話
スーツアクター
主題歌&挿入歌
ウルトラマンの歌
本家主題歌をアレンジ。OP、ウルトラマン対テレスドン戦に使用。
歌うのは、新造人間キャシャーン 宇宙戦艦ヤマト 秘密戦隊ゴレンジャーなどでお馴染みささきいさお氏。
ディスコウルトラマン
ウルトラマン対シーボーズの初戦で、ウルトラマン登場から静止場面に入る短い間に使用された。
登場ウルトラマン
劇中(回想)で使用する技
ウルトラ水流(予告ではウルトラシャワーと表記)
登場怪獣
超高層ビルを倒す
マグマを吐く
地底怪獣テレスドン(予告ではマグマ怪獣と表記)
100万度の炎を吹く
棲星怪獣ジャミラ(予告ではせい星怪獣と表記)
桁外れの体重
ミサイルを打ち砕く
回想シーン
するどい爪で鋼鉄を打ち破る
冷凍光線を出す
全身が鉄より固い
ナレーション
OP
「ウルトラマン。それは、遠いM78星雲からやって来た正義の使者である。
科学特別捜査隊(科学特捜隊)のハヤタ隊員こそ、そのウルトラマンの仮の姿なのだ。」
「ハヤタがウルトラマンに変身する時、必ずフラッシュビームの閃光が走るのだ。
しかし、他の天体の生物であるウルトラマンは地球上では3分間しか活動できない。
そのタイムリミットは、ウルトラマンの胸にあるカラータイマーが教えてくれることになっている。」
恐怖の宇宙線
「子供達は一体、何を発見したのだろうか?」
「宇宙線の異常は、落書き怪獣を蘇らせた。絵に描いた怪獣ここに生命を。その名はガヴァドン。」
「あくる日。子供達は遠足でもないのに、めずらしく早起きだった。」
「この多くの落書きに、いつまた特殊放射線を含む宇宙線が当たらないとも限らない。
だがしかし、自分の好きなものを絵に描く自由は子供たちの物である。
ムラマツ隊長は、この絵を見ながら一抹の不安を抱くのであった・・・。」
地上破壊工作
「ガヴァドンを退治してから数日後、科学特別捜査隊パリ本部から、特別の任務をおったアンヌ隊員が到着した。」<ナレーター>
「その日。ハヤタ隊員はアンヌ隊員と共に、パリへ向け出発した。」
「だが、突然その時、地平線の彼方に異様な黒い虹がかかった。」
「かくして、ハヤタが出発した直後、なぜか奇妙な事件が頻発した。」
「このライターほどの機械のおかげで、東京の電波は一時混乱をきたした。そして電波が回復した時、ビートルとの連絡が途絶えていた。
ハヤタはどうなったのか? 一体何の目的でこの機械が置かれたのか?また、誰が置いたのか?
その頃、行方をくらましたハヤタ隊員はどこにいたのか?夢とも、幻ともつかぬ怪しい現実の中にハヤタは彷徨っていた。」
「催眠術で人を勝手に動かすように、地底人はハヤタをウルトラマンに変身させ、ウルトラマンを自由に操ろうとしている。
ウルトラマンも怪獣と共に、地上破壊の手先になってしまうのか?」
「ウルトラマンは光の子である。宇宙の彼方。M78星雲のからの正義の使者ウルトラマンは、
たとえハヤタの意識が失っていようと、光の国のスーパーマンだったのである。」
「かくして地底人の恐怖は去った。改めてハヤタは、本物のアンヌ隊員と共にパリへ発ったのである。」
故郷は地球
「事件の終わりは、科特隊の仕事の終わりではない。隊員達には明日も明後日も、つらく厳しい仕事が続くのである。
パリに行ったハヤタが、無事任務を終えて帰った頃、東京では国際平和会議が開かれることになった。
平和会議が近くにつれて、空や海の奇怪な事故が遭いついだ。そして、その原因は要として不明であった。」
空の贈り物
「人間として、宇宙パイロットとして、大空の平和を願う科特隊の活躍は今日も続けられている。その夜、東京の空に怪しい火の玉が降った。」
怪獣墓場
「科学特捜隊の主な日常の仕事は宇宙パトロールである。
広大な宇宙にたえず目を注き、少しの異変も見逃さず、これを未然に防ぐこと。
それが科特隊員の任務であり、誇りであった。そしてその日も科特隊による宇宙パトロールが行われていた。」
怪獣供養~回想
「科特隊の隊員達は、自分達が葬る怪獣墓場を漂うかつての敵たちのささやかな供養を行うことに決めた。」
どくろ怪獣レッドキング
宇宙忍者バルタン星人
古代怪獣ゴモラ
ED
「戦いが終わった。科学特捜隊にはいつものような静かな日が帰った。
それはパトロールにあけ、パトロールにくれる退屈な……しかし平和な毎日であった。
『怪獣墓場』。どこへ行っても嫌われる怪獣達にとって平和で静かな毎日は墓場にしかないのだろうか。
『怪獣墓場』。それは、広大な宇宙のなかの奇妙なる伝説の一つではないだろうか……。
そして、ハヤタ隊員を中心とする、科学特捜隊の宇宙パトロールは今日も続く。
宇宙よ永遠でなれ、永遠の平和であれ。 ウルトラマンよ、君もまた永遠であれ。永遠の命であれ。」
終
余談
本作は松竹で配給された最初のウルトラシリーズ映画作品となった。
『ウルトラQ』『ウルトラシリーズ』『ファイヤーマン』は製作面でガメラシリーズや大魔神(大映特撮)との関係性も強く、『実相寺昭雄監督作品ウルトラマン』の成功が湯浅憲明による『宇宙怪獣ガメラ』の制作方針に強く影響を与えたとされており、実相寺昭雄が後に監督した『ウルトラQザ・ムービー星の伝説』も平成ガメラ三部作との関係性が強い。
- 湯浅憲明は後に上記の『ウルトラマン80』に参加している。
予告動画
(2:18~5:04)
関連タグ
恐怖の宇宙線 地上破壊工作 故郷は地球 空の贈り物 怪獣墓場
モーレツ大怪獣戦←実相寺昭雄監督作品ウルトラマン/ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団/ウルトラマン怪獣大決戦→ウルトラマンZOFFY/ウルトラマン物語