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故郷は地球

こきょうはちきゅう

故郷は地球とは、円谷プロ作品「ウルトラマン」第23話のサブタイトル。 元人間だった宇宙飛行士の復讐と悲劇を描いた傑作回。
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概要

1966年12月18日放送。

ジャミラ


実相寺昭雄監督によるウルトラマン第4回監督作品。
ウルトラマン全39話の中で、最も暗く救いのない悲しみに満ちた作品。
科学特捜隊のムードメーカー、イデ隊員主役回。


STORY

東京で行われる国際平和会議に、出席する各国の代表者が乗った飛行機や船が、謎の攻撃によって次々と破壊される事件が発生していた。

科学特捜隊は、パリ本部から派遣されたムッシュ・アランと共に調査に乗り出した。
『見えない円盤』の目的は、国際平和会議の妨害と判明した科特隊は、イデの開発したスペクトルα・β・γ線ジェットビートルに装着し、見えない円盤を破壊することに成功した。すると中から巨大な怪獣が出現した。

棲星怪獣 ジャミラ



その夜、ムラマツハヤタがアランに怪獣の正体を質問したところ、アランは躊躇しつつも衝撃の事実を語った。

「諸君、あれは怪獣なのではありません。
あれは……いや、彼は我々と同じ人間なのです」

その正体は、かつて宇宙開発競争時代に某国が打ち上げた有人衛星に搭乗していた宇宙飛行士ジャミラ。彼の乗っていた宇宙船は遭難し、宇宙を漂流した末に空気も水もない惑星に不時着したが、某国は実験失敗による国際社会の批判を恐れてこの事実を隠蔽してしまった。ジャミラはその惑星の過酷な環境が影響して、彗星怪獣ジャミラへと変貌し、自分を見捨てた地球に復讐しに現れたのだった。

そのことを知ったイデは同情し、戦いを放棄。
アラシに「自分達も、ジャミラと同じ運命になる!」と本音をもらした。
だがアランは科特隊に、パリ本部からの苦渋の命令を伝える。
「ジャミラの正体を明かさずに、怪獣として倒せ!」と。

翌日、ジャミラは自分を見捨てた者達に復讐するため、国際平和会議会場ヘ進撃。
その復讐の魔手は、何の関係もない通りすがりの小さな村にも伸びてきた。
民家を破壊し、口から出す100万度の高熱火炎で、村を火の海にするジャミラ。
その姿は、もはや人間ではなく怪獣そのものだった
駆けつけたイデは、あまりの惨状を見かねてジャミラに思わず叫んだのだった。

「ジャミラてめぇ!人間らしい心はもうなくなっちまったのかよーーーーっ!!!」

その叫び声に一瞬、我を取り戻すジャミラ。
だがその復讐の行軍は止まることなく、科特隊と防衛軍の人工降雨弾攻撃を受け、苦しみながらもジャミラはついに国際平和会議場に到達。世界各国の国旗をへし折り、憎悪を込めて踏みにじる。

ハヤタはジャミラの暴走を食い止めるべく、ウルトラマンに変身。
国際平和会議場前で、泥まみれになりながら戦うウルトラマンとジャミラ。
ウルトラマンは、手からジャミラに向けてウルトラ水流を発射した。

犠牲者はいつもこうだ。文句だけは美しいけれど。


大量の水を浴びたジャミラは、たちまち体が崩れ始め断末魔をあげ、泥まみれになりながらもがく。
それでもなお最後の復讐の炎を燃やすがごとく、既にズタズタになった各国の国旗を叩き続けるが、
その動きはやがて弱まっていき、とうとううつ伏せに倒れ動かなくなった。
ここに彗星怪獣ジャミラは絶命した。

夕陽の中、科学特捜隊によって小さな墓標が立てられた。
一様に暗い顔の隊員達が見つめる中、ムラマツキャップが墓標に語りかけた。

『故郷は地球』



「ジャミラ、許してくれ……。だけどいいだろう、こうして地球の土になれるんだから。
お前の故郷、地球の土だよ……」


後日、国際平和会議は無事に開催された。会場にもジャミラの墓碑が立てられていた。
それにはこう書いてあった。

A JAMILA  (1960-1993)
ICI DORT  CE GUERRIER QUI S'EST
SACRIFIE EN QUETE D'IDEAL  POUR L'HUMANITE AINSI QUE
POUR LE PROGRES  SCIENTIFIQUE
(人類と夢と 科学の発展のために死んだ戦士の魂 ここに眠る)
この名誉に隠された悲しき真実を知るのは科学特捜隊だけである。



科学特捜隊とアランが会場へ向かう中、イデは一人立ちつくし墓碑を見ていた。

「為政者はいつもこうだ。文句だけは美しいけれど」

イデを呼ぶハヤタ、ムラマツ、アラシの声。

そして彼の脳裏に、悲しげなジャミラの声がよぎるのであった……。

需要と供給2



あれこれ

事件の内容が内容だからか、『ウルトラマンメビウス』の時代では、GUYSが有するアーカイブドキュメント「ドキュメントSSSP」のジャミラに関する記録が大幅に削除されているらしい事が示唆されている(一応、隊長以上の権限がなければ閲覧できない最重要機密「ドキュメントフォビドゥン」に詳細な記録が残されている可能性はあるが)。

また、『メビウス』の外伝小説である『アンデレスホリゾント』では、後年、

などが明かされている(ただし、この小説は映像作品とはパラレル扱いになっている点には注意)。
この小説の描写と本編での墓碑銘の文字から、ジャミラを裏切った某国とはフランスではないかと考察されている。

ウルトラ怪獣擬人化計画 feat.POP Comic code』では、54話で訓練生時代の親友から
 「君の存在は国に消されてしまった。地球に戻れば殺されてしまうんだ…!!
  生きるという選択をしてくれ!!その星で生きていけるのならば…どうか!!」
という悲痛な警告のメッセージを受け取るシーンがあり、彼は母国に存在そのものを抹消されてしまったどころか、万が一地球に帰還することができたとしても、歓迎されるどころか国家の最重要機密の根幹を揺るがす厄介者として殺害されていた可能性があったことが描写された。
ちなみに、この作品でも生前のジャミラの様子が断片的に描かれているのだが、彼と友人の着用していた訓練服には架空の国旗(白と何か別の色のツートンカラーで、アルファベットAのような文字が刻まれている)が描かれており、本作ではフランス人だったかどうかは曖昧にされている。
なお、この作品も本編とはある程度の繋がりはあるが、映像作品とはパラレル扱いである点には注意が必要。

おまけ

ちなみに、宣弘社が「打倒ウルトラ」を目指して製作した
シルバー仮面のOP曲も「故郷は地球」である。
但し、シルバーを手掛けたのもまた実相寺監督である。
当該エピソードは別人によるものだが、宇宙飛行士が怪獣化する
第18話「一撃!シルバーハンマー」
は「故郷は地球」のオマージュと言える内容となっている。

らくがき



かつてフジテレビ系列で放送されていたバラエティ番組トリビアの泉でこのエピソードが「ウルトラマンは手からスペシウム光線を出すが水も出す」と紹介されたことがある。トリビアNo.326、78へぇ獲得。

関連タグ

実相寺昭雄 ウルトラマン ジャミラ シルバー仮面

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