概要
山田風太郎の小説『甲賀忍法帖』を原作として作られた、せがわまさきの漫画作品。
2003年から『ヤングマガジンアッパーズ』(講談社)で連載された。
甲賀と伊賀に潜む一族は、ともに服部半蔵に率いられる忍者群同士でありながら、源平の昔より数百年、互いに憎悪を抱く不倶戴天の敵同士でもあった。服部の統制下、両門争闘の禁制によりかろうじて和平を保っていた。そんな中、徳川家康と半蔵(二代目)が甲賀・伊賀の忍びに与えた使命は過酷なもので、両者の争いは熾烈を極める。そのような中、甲賀の首領甲賀弾正の孫弦之介と伊賀の頭目お幻の孫娘朧は恋仲にあり、二人を引き裂く物語が読者、視聴者に感動を与えた。
また、原作小説になかった場面の追加やシーンの削除、第二十一殺「二十」における甲賀・伊賀双方の忍者達の描く忍法騒乱以前の日常など、描写のアレンジが光る作品でもある。
原作からの変更点
およそは原作の展開・設定に忠実だが、テンポの問題や文章と漫画の表現の違いによるアレンジがあるほか、各キャラの描写が割とそっけない原作に対し、それらをある程度掘り下げる描写が追加されている。
漫画版における変更点
主なものでは、以下のような変更がある。
- 各忍者の技が、ビジュアル的に映えるように改変されている
- 冒頭の将監と夜叉丸による忍法上覧が「それぞれ徳川の侍を相手にする」から「二人の直接対決」に変更
- 丈助と朱絹の一度目の対決が削除。これに伴い、丈介の能力描写がやや変更
- 天膳から朧への邪欲の描写(元から横恋慕していた)が削除
- 上記に伴い、天膳が朧を手籠めにしようとする際のニュアンスもやや変化
- 豹馬と弦之介を血族関係(叔父と甥)として、瞳術が彼らにしか使えない理由を補強
- 忍法争い直前、まだ平和だった時点の伊賀・甲賀組のワンシーンを回想として追加
- 天膳の「不死の術」の原理が「細胞が超再生力を持つ」から「双子の兄弟が体内に宿って復活させている」に変更
- 物語の聞き役(読者の代理)として服部半蔵の血縁者「服部響八郎」が登場
アニメ版における変更点
漫画版を継承発展させる形で更に「各キャラクターの背景」の掘り下げなどが行われている。全体に「キャラ間の関係性」にフォーカスした掘り下げが多い。
例として以下のようなものがある。
- 弾正とお幻の恋は「天正伊賀の乱」で引き裂かれたものと設定。天膳が何かしら暗躍していた事が示唆されている
- 上記の恋愛描写強化に伴い、両者は生涯独身を貫いた(つまり弦之介と朧は、血縁ではあるが実の孫ではない)とされた
- 天膳の不死の術の原理が更に変更。甲賀と伊賀の因縁に巻き込まれて不慮の死を遂げた母の怨念が憑りついてるものである、とされた
- 服部響八郎の出番が増えており、ニアミス的に本編キャラと絡んだり、いわゆる「総集編」担当として物語の節目で服部半蔵にそれまでの経過を報告するほか、物語の後日談を締めくくる役をつとめている
- 原作および漫画版では忍法勝負が決着した場面で終了だが、響八郎を語り部としてアニメオリジナルの「その後」が描写されている。
- その他、各キャラを掘り下げる過去回想シーンが多く追加されている
- 天膳殿がまた死んでおるぞ!
登場人物
その他
アニメ
2005年4月から9月まで全24話がテレビ埼玉、チバテレビ、tvk、三重テレビ、KBS京都にて放送された。 また、約1ヶ月遅れでAT-Xでも放送されている。アニメーション制作はGONZO。
主題歌を、ヘビメタバンドの陰陽座が手掛けており、サブタイトルも陰陽座の楽曲のタイトルから借りてきたものだったとか。
日本で初めてアニメファンドを採用した作品だったが、一口50000円のところ、DVDの売れ行き不振の結果、出資者には38000円しか戻ってこなかったそうである。
なお、ほぼ同じ時期に原作の実写版「SHINOBI-HEART UNDER BLADE-」でも同じようなファンド利用したものを採用しているがこちらも不振であった。
2018年1月8日には続編の「バジリスク〜桜花忍法帖〜」がアニメ化された。
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