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お幻

おげん

お幻とは、せがわまさきの漫画「バジリスク~甲賀忍法帖~」に登場するキャラクターである。
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概要編集

CV::京田尚子(老年)、沢城みゆき(若年)


伊賀鍔隠れ衆が一人にして、伊賀の首領を務めるくノ一。メイン画像は若い頃の姿。

飄々とした性格の皺くちゃで小柄な老婆で、伊賀者からは「お幻様」や「おばば様」と呼ばれる。

同年代の甲賀の首領である甲賀弾正とはかつて恋仲にあった間柄で、数十年に渡って互いに憎み合い相争った現在でも、お互いに何かしら思うところがある模様。

かなりの高齢だが身体能力は高く、孫娘のよりも腕力・体力ともに遥かに勝っている。


甲賀弾正との悲恋編集

作中でお互いの孫である朧と甲賀弦之介が、「不戦の約定」に基づく伊賀と甲賀の和睦・友好の証として婚約しているが、元々それはお幻と弾正の世代で成されるはずのものだった。


この過去については原作小説『甲賀忍法帖』においては単に「かつての二人も恋仲だった」というだけの簡素な言及のみであったが、アニメ版において大幅に描写が強化された。


二人の恋は、甲賀の先代首領も賛同するなど順調に思えたものの、実はそれは先代首領が伊賀をだまし討ちにすべく行った奸計に過ぎず、「天正伊賀の乱」にて共通の敵だったはずの織田信長と結託して鍔隠れの里を襲撃、伊賀側の先代首領(お幻の祖父)を討ち取り、壊滅的被害を与えている。

この計画はお幻はおろか弾正にさえ知らされていなかったが、同胞を騙し討ちにされた怒りと悲しみは激しい憎悪となってお幻を駆り立て、弾正との敵対は決定的なものとなってしまう。

なお、この当時薬師寺天膳は事実を知っていたかのような素振りを見せており、伊賀と甲賀の和睦を阻止すべく、何らかの工作を行っていた可能性が示唆されている。


ただ、それでも弾正への想い、ひいては甲賀伊賀和睦への想いは根底に強く残っていたらしく、本編直前、駿府に赴く前の回想では珍しく髪の手入れなどに気をつかう仕草を見せ、配下一同を驚愕させている。


また、原作においては朧は実の孫であるが、アニメ版においては上記の描写強化があったせいか「生涯独身を貫いたため、血縁者ではあるが実の孫ではない」とされている。



戦闘力編集

伊賀鍔隠れの衆に術を仕込んだのはお幻とされていて、天膳からは一目置かれているため相当の手練れだったとのこと。(公式オフィシャルファンブックより)

若いころから鷹の使役を得手とし、高齢ながら肉体は頑健で身体能力は高い。

彼女に使役された鷹はまるでお幻と心が通じ合っているか、はてまたその体の一部であるかのように、直接指示を出さずとも彼女が望んだことを完璧に遂行する様子を見せた。

若い頃、戦闘時は小刀を用いて鷹と連携しながら立ち回るスタイルだったようである。

劇中では不意討ちで弾正の長毒針を急所に受けたにもかかわらず即死せず、刺さった毒針を抜いて逆に反撃に転じるなど、老婆とは思えない驚異的な生命力を見せ付けている。

関連イラスト編集

相思相殺逃げること

バジリスク


余談編集

  • 天正伊賀の乱

この乱については原作小説においても「お幻と薬師寺天膳が、数十年前の天正伊賀の乱の思い出話をよく語っていた」という言及があり、アニメ版はここを掘り下げた形となっている。


ちなみに天正伊賀の乱は「伊賀勢から仕掛けて織田勢が撃退された一度目」と「織田勢が逆襲のため再侵攻して伊賀を滅ぼした二度目」があり、本編における事件は内容から後者であることがわかる。

ただし、史実ではいずれも織田信長の次男、織田信雄が総大将であり、アニメの描写と異なり信長本人は出向いていない。


さらに言えば一度目の乱自体が、伊賀平定を焦って独断で築城を始めた信雄に対し、危機感を抱いた伊賀勢が先制攻撃を仕掛けたために始まったものだったり、二度目の乱における、作中で「天をも恐れぬ所業」と称された非戦闘員も含めての大虐殺も、信雄の指揮下で行われたものである。


つまり実際にはすべて信雄のせいであるが、異能バトルものの、ましてさほどの尺でもない過去回想シーンのセリフ一つで「のぶかつ」などと言われてもピンとこないためか、主役でも悪役でもなんでもござれの圧倒的ネームバリューを持つ信長の仕業に改変されている。


関連タグ編集

バジリスク〜甲賀忍法帖〜 伊賀鍔隠れ衆 甲賀弾正 朧(バジリスク)

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