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小豆蠟斎

あずきろうさい

蓑念鬼とは、山田風太郎の小説『甲賀忍法帖』、および漫画版『バジリスク〜甲賀忍法帖〜』のキャラクター。
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CV:青野武


概要編集

甲賀忍法帖およびその漫画版バジリスク〜甲賀忍法帖〜のキャラクター。


作中に登場する忍者で、伊賀の鍔隠れ衆の一人。

枯れ木のような細身で小柄な老人だが、手足を自在に伸ばし、また関節でないところで曲げられるなどの異能をもつため、見た目を裏切る長大な間合いを誇る。

リーチだけではなく破壊力も備えており、原作では木々の枝などを手刀で切り飛ばし、蹴りは「常人が受ければ腹部に穴が開く」と評されている。


漫画版においては更に超人じみて描写され、手足の伸びる長さは完全に質量保存の法則を無視したものとなり、破壊力も木の枝どころか、大木の幹を粉砕するほどのものとなっている。


また原作と漫画版では性格も若干異なり、初登場シーンで忍法勝負を挑んできた甲賀の忍者、鵜殿丈助に、原作では敵愾心こそむき出しにするが年長者らしい態度で接しており「ちょっとした遊びとして忍法勝負しよう」と挑発する丈助に対して「忍法勝負は遊びで済まない。命のやり取りになる」とたしなめている。


一方、漫画版では甲賀に対する積年の憎悪が強い好戦的な性格となっており、上記のシーンでも蠟斎の方から積極的に本気の忍法勝負を仕掛けている。


おなじ伊賀の蓑念鬼とは、年長者組ということもあってか仲がよいようで、特にアニメ版などではその点が強調されている。



作中の動向編集

一言で言ってしまえば「徹底してかませ犬役を任された貧乏くじ」と言えるキャラ。

そのせいかPixivにもイラストがほとんどなく、あまつさえ主要キャラである甲賀伊賀それぞれの十人衆、総勢二十名の中でただ一人、2024年12月に至るまで個別記事がなかった。


最初の登場シーンは甲賀と伊賀が、いまだ互いに課せられた不戦の約定を守っている物語冒頭、それが解かれた知らせである巻物を巡って、その中身を知らないまま甲賀の鵜殿丈助と忍法勝負になる。

しかし打撃・締め技を得意とする蠟斎に対し、丈助の忍法はそれらを無効化するもの、という相性の悪さから完敗、巻物を持ち去られてしまう。


本作における、そして本作が切り開いた「能力者同士の異能バトルもの」ジャンルにおける定番「如何に強力な異能でも、かみ合わせが悪いと全く勝負にならない」という展開を分かりやすく読者に伝えてくれる、さりげないが名シーンである。


次の登場は、伊賀衆四人がかりで甲賀の風待将監を討とうとするシーンとなるが、ここでは将監の術によって開始早々に蓑念鬼ともども動きを封じられてしまい、能力を披露するヒマもなく戦力外となっている。


三度目の登場は、先んじて開戦を知った利を活かしての甲賀の里への奇襲となるが、ここではモブ忍者相手にそれなりに無双するも、最終的には物量の差から敗北。参加した他の面々ともども、ほうほうのていで逃げ出すこととなる。

なおこのシーンは、漫画、アニメ版では「優勢を維持したままの余裕ある退却」という演出になっている。



そして最後の登場シーンは、捕らえた甲賀忍者、お胡夷を尋問するシーンとなる。

山田風太郎の忍法帖シリーズの忍者と言えば、女を捕らえて尋問するときはたいてい変態的なエロ方面にいくものだが、ここでの蠟斎は特にそういうことは無く、ごくマトモに尋問を行っている……のだが。

一瞬の油断から、お胡夷の忍術によりからめとられ、これまた相性の悪さから反撃もできずにそのまま殺されてしまった。


あまつさえ、お胡夷は直後にやってきた雨夜陣五郎に対し、彼を油断させるために「蠟斎に手籠めにされた」と主張し、陣五郎からは「ああみえて達者な爺様だ」と、真相を知る読者から見るとあんまりなコメントをされてしまう。


ちなみに蠟斎がお胡夷に「たっぷり搾り取られた」のは確かだが、取られたのは血液である。



かくして、あわれ最後まで見せ場の無いまま退場してしまう事になる。

アニメでは、甲賀の里襲撃シーンのテコ入れや、過去回想などのオリジナルシーンで出番が増えているのがせめてもか……


関連タグ編集

バジリスク〜甲賀忍法帖〜

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