概要
哺乳綱齧歯目ヤマアラシ亜目カピバラ科カピバラ属に分類される、南米に生息するげっ歯類の一種。和名「オニテンジクネズミ」。
生態
大きな個体では鼻先から尻までの長さが1メートルを超える、世界最大のネズミの仲間。植物ならほぼ何でも食べられる完全な植物食で、性質は非常におとなしい。長い手足と水かきで走るのも泳ぐのも速いが、ほぼ水中か水辺で生活しており、五分以上も続けて潜水することが可能。オスの最大の特徴である鼻の上のコブは臭腺で、発情期の際に木などにこすりつけることでメスを誘う。
メスとの優先交尾権を持つ強いオスを中心に、メスや格下の弱いオス、それらの子供たちで10頭から数十頭もの群れを形成する。子育ては群れのメス全体が協力して行い、別のメスが産んだ子供に授乳したりと、誰の子供か分からなくなるぐらい差別せず世話をする。
天敵
野生下での主な天敵はジャガーやアナコンダ、クロカイマンなどの大型ワニ。陸上からお得意の水中まで天敵だらけで、しかもこいつら何れもカピバラを主要な獲物の一つとしており、成獣でさえそんな具合なのに、当然ながら幼獣など全方位から餌だと思われている始末。動物園でノンベンダラリとしている様子からは想像も出来ないほど、野生下で生きる彼らの環境は過酷の一語に尽きるのである。一応、水中では遊泳能力でジャガーに勝り、陸上ではワニに勝る足の速さであるため、水陸両用の適応力と優れた繁殖力でこれらに対抗している。
飼育
南方の生物なので、寒さは嫌い。伊豆にある動物園では冬季にカピバラ舎へ温水(温泉)を引き、「風呂」へ入れている。
名前は南米の先住民族の言葉で「草原の主」を意味する。
ゆったりした動作と眠そうな目つきが「可愛い」と評判を呼び、近年人気が高まっている。
ふくらはぎの付け根の辺りをもふもふすると、ヘブン状態になってひっくり返る。
毛並み自体はタワシのような見た目どおり、固くごわごわしており撥水効果が高い。
でも雨は苦手なようで、雨が降ると身を寄せ合って雨宿りをするらしい。
一応90万円くらいで買える。植物ならなんでも食べる、主に稗(ヒエ)が好き。「近づくなどのアクションがあった際にクリック音がするものを鳴らしていいエサを与える」と覚えるのでクリック音で来させたり水へ入らせたりが可能、の他、水槽というかプールが必要、柵から出るとけっこう足が速いのでなかなか追いつけない、などのデメリットもある。
その他
可愛らしいイメージがある反面、げっ歯類特有の発達した鋭い前歯もカピバラのものはその巨体に見合う大きさを有し、オス同士の喧嘩では相手を噛み殺してしまうこともあるほど。
喧嘩の際には前歯での噛み合いによる激しいチャンバラを行うが、チャンスと見ると後ろ足で立ち上がって前足で相手の身体に組み付き、急所へのピンポイント攻撃を行う。
…とこのように、意外と獰猛で戦闘的な一面を隠し持っている。
ダーウィンによれば、南米にいる野生のカピバラは、人間の近くまで来るそうである。なお近づこうとすると「犬の鳴き声のような声を立て(息を切らしているらしい)」逃げるそうである。
その当時、南米のカトリック教徒は、哺乳類に関するタブーがある、キリスト教的な精進料理の際はこれを魚だと言い張って食べた。
基本的には良くも悪くもおおらかな性格だが、我慢の限界を越えると激しい攻撃を加えることもあるので用心が必要である。
2005年に旭山動物園でクモザルとの混合飼育をしていたところ、「シャボ」という名のオスのクモザルが執拗にカピバラの餌を奪い取る挑発行為を繰り返したためとうとうカピバラをキレさせて殺された事件がある。参照
「カピバラさん」等、カピバラをモティーフにしたキャラクターも考案されている。
一方でカピバラがモンスターとして登場するRPGや、カピバラの怪人も存在する。
カピバラをモチーフにしたキャラクター
- コール(ジュエルペット)
- カピバラさん(バンプレスト)
- ビッパ(ポケットモンスター)※モチーフはビーバーだという意見が多い一方で、ビーバー特有の尻尾がない事から、彼がカピバラモチーフだという説もある。
- スモーカピバラ(ONEPIECE)
- カピバラ(けものフレンズ)
- 雷神丸(ワールドトリガー)
- ゴウセツ(婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む)
- カピバー(ノラガミ)
余談
関連イラスト
関連タグ
イボイノシシ:周囲の肉食動物が積極的に狙って来る点で似た者同士。