概要
体長0.9~1.5m、肩高64~85cm、体重50~150Kg。
顔に大きなイボがある。通常のイノシシよりも体毛が薄く短い代わりに、頭頂から背中にかけて髪の毛のように長く伸びた体毛があり、興奮するとこれらがピンと逆立つ。
主に夜に活動し、雌は子供と4~30頭の群れを作る。鼻先をシャベルのように使って巣穴を掘り、ねぐらにする他、他の草食動物の群れに交じって身を守ることもある。
様々な猛獣が跋扈するアフリカのサバンナでは全方位が敵と言っても過言ではないぐらい天敵が多いため、通常のイノシシ以上に警戒心が強く気性も荒い。
天敵との関係
ライオン、チーター、ヒョウ、ハイエナ、リカオン、ナイルワニ、アフリカニシキヘビに至るまで、イボイノシシを獲物とするアフリカの肉食動物は幅広く数多い(幼体ともなれば大型猛禽類やジャッカルなどにも食べられる)。
仕留めるのに手頃な大きさ、そこまで探知能力や足の速さに優れるわけではないので狩りやすく、それでいて意外と食いでのあるイボイノシシは格好のご飯になるのである。
…しかし、イボイノシシとて彼らのお腹を満たすために進化してきたわけではない。
穴を掘ってねぐらにする習性で敵の目を掻い潜り、他の草食動物の群れと行動を共にすることで守りを固くし、繁殖力も高い。
何よりイノシシであるが故の、体重と瞬発力、頑強な鼻先+湾曲した鋭い牙を活かした突進という強力な攻撃手段を持っているのだ。
その一撃はヒョウやチーターぐらいなら吹き飛ばされたり、ライオンを軽く骨折に追い込む威力があり、イボイノシシの突進を正面から迎え撃つのは体格で勝っていても愚策である。