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概要編集

wizardryシナリオ#1。

原題は"Proving Grounds of the Mad Overlord"。

偉大なる伝説の第一歩、かも知れんじょう


同ジャンルの作品に与えた影響、及びこのジャンルそのものの成立に果たした役割等については親記事のwizardryを参照していただくものとして、ここでは#1の内容と、#2#3に引き継がれるゲームシステムの特徴に関してのみ記述する。


日本国内でも、ベニー松山隣り合わせの灰と青春』をはじめ、多くのノベライズ・コミカライズが為されている。

プラットフォーム編集

AppleⅡ (1981年)

コモドール64 (1982年)

IBM PC (1984年)

Macintosh / 日本語PC (1985年)

ファミリーコンピュータ / MSX2 (1987年)

PCエンジン(『1&2』収録) (1993年)

プレイステーション / セガサターン / windows(『リルガミンサーガ』収録) (1998年)

スーパーファミコン(『ストーリーオブリルガミン』収録) (1999年)

ゲームボーイカラー / ワンダースワン (2001年)

NintendoSwitch / プレイステーション4 / プレイステーション5 / XboxOne / Xbox Series X|S / PC(Steam)(2024年)

ストーリー編集

エセルナートという世界に、リルガミンという都市国家がある。


ある時代のが、偏執的なまでの征服欲によって近隣の国家を圧倒し、また国内においても意に沿わぬものは容赦なく弾圧した。

人々は恐怖憎悪を以って彼をこう呼んだ…「狂王」トレボー(Trebor)と。


彼の覇業を実現する原動力、それは太古の隠された神殿より持ち出されたともいわれる魔法護符(Amulet)であり、トレボーがリルガミンの玉座に就いたのも、護符の強大な魔力があってこそ可能になったともいわれている。


エセルナート全土の支配も時間の問題と思われた。だがある夜、侵入不能のはずのトレボーの寝室から、魔法の護符が盗み出されたことにより、状況は一変する。


護符を手にした魔術師ワードナ(Werdna)は、その強大な魔力を用い、巨大な地下迷宮をリルガミンの町外れに出現させ、迷宮最下層に篭城の構えを見せる。


怒り狂ったトレボーはワードナ討伐のため精鋭騎士部隊を差し向けるが、冥界魔界より召喚された膨大な数の魔物たちによって、悉く返り討ちにされてしまう。


そこでトレボーは一計を案じた…件の護符を奪還し、さらに壊滅した騎士団戦力を従来以上に増強し得る、一挙両得の妙手。


「偉大なるトレボー王による世界統一を妨げる逆賊・ワードナを成敗し、国宝たる護符を見事持ち帰った者には、多額の報奨金と共に正当な騎士の称号を与え、トレボー親衛隊への入隊を認める」


この召集城下のみならず近隣各地へも通達され、あらゆる種族猛者たちがリルガミンの街に結集した。ある者は名誉を求め、またある者は金銀財宝を夢見て、そしてまたある者はと隣り合わせの冒険に引き寄せられ…


これがシナリオ#1の、そしてwizardryの始まりである。


実は上記のストーリーほぼ後付け設定であり、必ずしも公式と言い切れるものでもない。


「エセルナート亜大陸」はグループSNEによる独自設定(ウィザードリィRPGも参照)で、「城塞都市リルガミン」もシナリオ#2から出て来た語句であり、#1の舞台とは別の国であるというウィザードリィ二都説も続編の時系列に無理が無いため支持者が多い。

『リルガミンサーガ』にて「エセルナート」という地名が採用されたときは少なからず物議を醸した。


最初から存在しているのは「狂王」トレボーと「悪の魔術師」ワードナの二人の名前だけで、それも当時大学生だった二人の製作者、ロバート・ウッドヘッドアンドリュー・C・グリーンバーグの名前を逆さ読みにしただけである(Robert→Trebor、Andrew→Werdna)。


トレボーとワードナがどのような関係であったのかも明確な設定はなく、面識はない説、主従関係からの反逆説、同盟関係からの仲間割れ説、競合関係説、政敵説、仇敵説、八百長説、果ては同一人物説にいたるまで、小説等が発表されるたび新説が登場する。

特にこの点に踏み込んだ作品としては、多摩豊『ウィザードリィ正伝 トレボーと黄金の剣』がある。


ともかくも「狂王」の命令で「悪の魔術師」を倒し、クリアアイテムである"WERDNA'S AMULET"を持ち帰るのが目的であることから、細部については解釈の幅があるものの、概ね上記のような物語が半公式的に採用されている。


ゲームシステム編集

#1で確立されたものが#2・#3にもほぼそのまま受け継がれている。詳細は『城塞都市』の記事を参照。


#2では呪文の効果が一部変更されており、100000GPを払うと説明してもらえるイベントがあるが、移植に際して#1にも変更が適用されているため聞く意味はない。


ダンジョン編集

B1からB4までをつなぐエレベーターと、B4からB9までの各階を結ぶ高速エレベーターがある。


B4でブルーリボンを入手すれば(後述)、B5からB8までは一切踏み込まなくてもクリアは可能。B9もエレベーターからたった四歩の位置にB10へのシュートがあるので、あちこち歩き回る必要がない。


B10はテレポータで結ばれた七つのエリアで構成されており、入り口のすぐ横には地上に直通のテレポータ、さらに各エリアにはB10の入り口に戻るテレポータもある。ちなみにそのことは他でもないワードナ様が教えてくれている


モンスター編集

モンスター(wizardry)』の記事も参照。

このシナリオでは、特定の地点で必ず遭遇する(いわゆる固定出現の)敵は三ヶ所にしかいない。

B1のマーフィーズゴースト、B4のモンスター配備センター(MONSTER ALLOCATION CENTER)で登場するパーティ、そしてB10の事務所(OFFICE)で待ち受けるワードナ様ご一行である。


B1のマーフィーズゴースト(MURPHY'S GHOST)は駆け出しの冒険者でも時間をかければ撃破可能であり、移動せずにそのまま再出現させることも出来る。


安全に大量の経験値を稼げるので、手っ取り早くレベルを上げたい・あるいは戒律を変えたいなどの理由でサンドバッグにされる名物モンスター。B2以降の探索にかかる前に、まずは彼と戦ってある程度レベルを上げるのが定石。

マーフィーズゴースト

ちなみにこの幽霊はシリーズの常連だが、マーフィーが何者なのかはいまだ不明のまま。


B4のパーティはレベル7ファイター(LVL 7 FIGHTER)二名、レベル7メイジ(LVL 7 MAGE)二名、ハイプリースト(HIGH PRIEST)二名、ハイニンジャ(HIGH NINJA)一名の計七名様。

結論から言えば「初見殺し」。普通にB4に辿り着いた程度の力量では、この場で全滅の可能性も充分にある。

なお、この戦闘で得られる宝箱の中身は固定。うち一つはかなり高額で買い取ってもらえる…生きて持ち帰れたら、の話だが。


ここを切り抜けて進んでいくとブルーリボン(BLUE RIBBON)を受け取り、高速エレベーター(PRIVATE EXPRESS SERVICE ELEVATOR)が使用できるようになる。

注目すべきは、この集団はワードナではなくトレボーのしもべであり、ここでの戦闘は#1のサブタイトルどおりの「狂王の試練」であるということ。


エレベーターの乗り継ぎを行うこのB4だけは、トレボーの騎士団が制圧できているということなのだろうか?なお、B4には上記の「モンスター配備センター」の他に、「迷宮コントロールセンター」と書かれたドアもある。これらは一体何を意味するのか…


迷宮の深層ともなればランダム出現の「雑魚」もシャレにならない力量を備えている。代表的なものはドラゴンゾンビ(DRAGON ZOMBIE)、

紫色の悪夢ポイゾンジャイアント(POISON GIANT)、

グレーターデーモン。グレーターデーモン(GREATER DEMON)、

253 フラック/奇妙な動物フラック(FLACK)、

マッドロードレイバーロード(RAVER LORD)、

MEALFICマイルフィック(MAELIFIC)。


そしてラスボスであるワ ー ド ナ(W E R D N A)と、彼の事務所にのみ姿を見せる

バンパイアロードバンパイアロード(VAMPIRE LORD)、

さらにその供を務めるバンパイア(VAMPIRE)。


特にFC版のバンパイアロードは、美形モンスター草分け的存在とも言われている。呪文一発であっけなく倒れる儚さも魅力

FC版を含む幾つかのプラットフォームでは、主人不在の事務所をバンパイアロードが守っていることもあり、弱点を衝けば労せずレアアイテムを取得できるという裏技も…


モンスター編集


アイテム編集

稀少かつ強力なアイテムを手に入れたければ、強敵に挑み続ける必要がある。

世に言う「三種の神器」、むらまさ(MURAMASA BLADE)・しゅりけん(SHURIKEN)・せいなるよろい(ARMOR of LORDS)(以上三点の表記はFC版準拠)を求めて、ワードナそっちのけで迷宮に潜り続けた日々は、いわば「wizardryあるある」。


GBC版編集

数ある移植バリエーションの中でも、特に大胆なアレンジがなされているのが2001年発売のGBC版。



ネタ要素編集

wizardryシリーズは日本ではその難易度も含めて「本格的」「硬派」といったイメージ浸透したが、元々はパロディ脱力ギャグを散りばめた悪ノリ的な側面、いわゆるバカゲー要素が強かった。代表的なものを挙げると…

  • カシナートの剣
  • ボーパルバニー
  • 甲高い声で"YEAH.. YEAH.."といいながら踊っている「カエルの置物
  • "A DUNGEON'S DARK..." / "WHEN IT'S NOT LIT..." / "WATCH OUT. OR YOU'LL.." / "PIT!"
  • AppleⅡ版での村正は"MURASAMA BLADE"となっている。正直言って村雨と紛らわしい。
  • 自分を倒しに来た冒険者に"CONTRA-DEXTRA AVENUE"という手がかり(?)をくれるワードナ様
  • 事務所のドアに受付時間を明記し、予約を求める律儀なワードナ様
  • いかにも重要そうなのに何の使い道もない「金の鍵」(一部プラットフォームでは必須アイテムに)
  • 移植によって改装されていることも多いが、B8のマップには「大きなWに包まれたRとJの文字」、B9のマップには「大きなGに包まれたAとCの文字」が描かれている(これは製作者二名の頭文字「R.J.W.」と「A.C.G.」を記した署名)

…等々(ほかにありましたら追記してください)。


関連タグ編集

wizardry / ウィザードリィ

城塞都市

RPG / レトロゲーム


隣り合わせの灰と青春

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