ここではレベル7ファイターと、その後続からなる集団についても記述する。
概要
『Wizardry』シナリオ#1『狂王の試練場』B4にある「モンスター配備センター」に常駐している固定遭遇エネミー。
このシナリオの固定遭遇は三か所しか存在せず、B1のマーフィー先生とB4の配備センター以外では、B10のラスボスのみである。
「レベル7ファイター」二体、「レベル7メイジ」二体、「ハイプリースト」二体、そして「ハイニンジャ」一体からなる四グループ計七体の集団。
ただし本家AppleⅡ版ではバグによりレベル7ファイター以外のメンバーしか出現せず、WS版ではハイニンジャが二体出現する。
能力
レベル7ファイターには目立った特殊能力はないが、HP・AC・攻撃力のいずれもが、B4で通常遭遇のモンスターより格段に強力なものになっている。
さらにレベル7メイジは魔術師系第四位階の、ハイプリーストは僧侶系第五位階の呪文をそれぞれ習得しており、DALTO、LAHALITO、BADIALMA、BADIと、これもB4では見かけないような呪文が飛んでくる。
殿を務めるハイニンジャはHPこそ控えめだが、レベル7ファイターを上回る威力の攻撃に一撃死の追加効果がついてくる。
普通にB1からB3までをクリアした程度の力量では歯が立たない、恐怖の初見殺しである。
一応、レベル7ファイターとレベル7メイジはその名称の通りモンスターレベルが7なので、MAKANITOの呪文が決まれば一気に半壊させることはできるが、ハイプリースト(Lv8)とハイニンジャ(Lv12)にはMAKANITOが効かないうえ、「魔術師が第五位階の呪文を習得した直後」程度ではHPにも余裕があるとは言えず、やはり分の悪い賭けとなる。
グラフィック
初期の版では戦士系の複数のモンスターが(確定状態・不確定状態を問わず)同一のグラフィックで表示されており、メイン画像は『リルガミンサーガ』でもクラシック版として採用されている旧PC版のデザインで、ソードマン、レベル10ファイター、レベル8ファイターと共通。
本家AppleⅡ版ではハイウェイマンとレイバーロードもこれらの戦士系と同じグラフィックで表示されていた。
末弥純が原画を担当したMSX2版でも戦士系の区別はされておらず、FC版で初めて色分けが為された。
ソードマンはMSX2版の戦士系と同デザイン、残るファイター三種は剣に代わって戦斧を装備、兜と盾のデザインも変更され、レベル7ファイターは青、レベル10ファイターは黄、レベル8ファイターは緑に色分けされた。
『リルガミンサーガ』では色分けが廃止され、ファイター三種が再び同一のグラフィックになっている(カラーリングはレベル8ファイターに準拠)。
立ち位置
この迷宮には昇降機が設置されており、訓練場で登録した直後の、実戦経験がない駆け出し冒険者のパーティーでも、簡単にB4まで踏み込むことができる。
昇降機と「モンスター配備センター」の間には警報のトラップが設置されているので、確実に一度はモンスターと遭遇することにはなるが、これも運が良ければ(むしろ悪ければ)相応の実力が無くても切り抜けてしまえる。そして配備センターでなすすべもなく全滅させられる。
この作品では迷宮内で全滅すると、そのパーティーは全滅した現場で倒れたままなので、治療や蘇生を行う前に救助隊を編成して現場に赴き、倒れているメンバーを回収しなければならない。
救助隊は本来の六人ではなく(メンバーの回収はパーティー再編成と同じ扱いになるので)五人以下で編成しなければならないので、必然的に六人編成よりも戦力は低下する。
さらに固定遭遇の敵に敗れて全滅した場合、現場に到着した救助隊は回収を行う前に(本来よりも低下した戦力で)同じ敵を倒さなければならない。
この集団を倒してその先に進むと、「ワードナを討伐し魔除けを奪還する」というクリア目的が提示され、B4からB9までの各階層を結ぶ高速昇降機への乗り継ぎが可能となる「ブルーリボン」を取得できる。
またブルーリボンとは別に、通常遭遇の敵と同じく戦闘終了時点で宝箱も出現するが、その中身は「毒消し(LATUMOFISのポーション)」「死の指輪」「炎の杖」で固定されている。
持ち歩くだけでHPが削られていく強力な呪いのかかったこの指輪、シナリオ#1ではこれが唯一の入手手段。鑑定に成功すれば25万GPで買い取ってもらえるが、鑑定に失敗して呪われた場合は解呪手数料として25万GPを支払うハメになる。
実はブルーリボンが必要となるのは「B4で昇降機を乗り継ぐ場合」のみで、階段での移動や転移呪文MALORを使えば、ブルーリボンが無くともB9 → B10と歩を進めてワードナに挑みシナリオをクリアすることは可能。
ちなみに、レベル7ファイターが率いる集団が(設定上)何者であるのかはハッキリしておらず、「ワードナが配置した護衛」なのか「狂王トレボーに使える兵員」なのか、そのどちらでもないのかどちらでもあるのか、作中での描写では明確でない(戦闘の前後に会話イベント等は発生しない)。
ノベライズ作品等でもこの点についてはスルーされていることが多く、多くのプレイヤーに恐怖の記憶を刻んでいながらその正体は(マーフィー先生と同じく)不明なままである。
余談
B5からB9にかけて、レベル10ファイターという戦士系のモンスターが出現する。これは名称とは裏腹にモンスターレベルは7で、能力的には配備センターのレベル7ファイターと全く同等。ただし一グループが最大六体、さらに複数グループで行動していることがある。
さらにB6からはレベル8ファイターが出現、こちらは名称通りの力量でレベル10ファイターより強い。
レベル7メイジは同名のモンスターが複数種存在し、B5からB7まで通常遭遇で出現するのは配備センターのレベル7メイジと同等の能力でやはり一グループが最大六体。
B5からB9まで出現するもう一種のレベル7メイジは第五位階の呪文(MADALTO)を習得しており、より危険となっている。
前者は後続にレベル6ニンジャ、後者はワイバーンを連れているのでこれで判別可能。またマスターニンジャの後続を務めているのは後者のレベル7メイジ。
ハイプリーストも同名の複数種が存在し、B5からB8まで出現するハイプリーストは配備センターと同等の能力、B7からB10まで出現するもう一種のハイプリーストは第六位階の呪文(LORTOとMABADI)を習得。
後続は前者がチャンプサムライ、後者がファイヤージャイアント。レイバーロードの後続は後者のハイプリースト。
ハイニンジャはレベル7ファイター同様配備センターにしか出現しないが、B8からB10まで出現するサムライ系最強種・ハタモトがハイニンジャと同等の能力となっている(サムライもニンジャもデータ上の分類は戦士系)。
ASCII『Wizardry外伝』の第五作『ウィザードリィ 〜DIMGUIL〜』には、通常のグループ単位で出現するモンスターとは別に、プレイヤー側の冒険者のように前衛三体・後衛三体のパーティーを組んだモンスターも出現する。
特に迷宮の特定地点にはアークファイター・アークプリースト・アークメイジ・アークロード・アークニンジャ・アークビショップらによって構成されたガーディアンが配置されている(構成人員はいくつかのパターンがある)。
これは本家シナリオ#1の配備センターの集団に対するオマージュであると思われる。