概要
北米のパソコンメーカーであるコモドールが開発した8ビットのホビーパソコン。
1982年に発売され、北米ではその低価格とアタリショックに起因するテレビゲーム産業の衰退もあいまって爆発的に普及した。
より高性能なファミコンや16ビットパソコンが発売されて以降も広く利用され続け、コモドール社が倒産する90年代初期まで現役を貫いた。
特徴
- 低価格(競合機種のおよそ半額)
- AppleⅡやファミコンと同じ6502CPU
- メモリ容量が標準で64KB
- 多用途(ソフトウェアで表計算や家計簿管理ができる。更にゲームやパソコン通信にも)
- 独自の高性能サウンドチップ(SID音源)
- スプライト機能
簡単に言えば当時のホビーパソコンの絶対王者であった「AppleⅡ」に勝るとも劣らない性能のパソコンが3分の1の価格で買え、しかもテレビゲーム機としてのハードスペックも持ち合わせていたため爆発的に普及し、最終的に1000万台以上を売り上げた。このハードの存在によりアメリカではMSXがまったく普及しなかった。カートリッジスロットも備えているが安価なFDDユニットが早期に発売されたため、ゲームカートリッジは殆ど発売されなかった。
カラーは固定16色、グラフィック性能は320×200ドットでカラーは8×8ドット単位で2色、もしくは160×200ドットでカラーは4×8ドット単位で4色が使えた。カラーの制約は走査線割り込みを併用することで軽減した。ハードウェアスクロールは±8ドットの範囲で行うことが出来、8ドット単位で画面を書き換えれば連続的なスクロールも可能だった。
スプライトの枚数は最大8枚だったが、各スプライトが描画が完了したかのフラグを持っているため、スプライトダブラが比較的容易に実装できた。
専用のFDDユニットはデータ転送がシリアル方式で読み込みがテープ並の速度だったが、価格が安かったため広く普及し、FD媒体のゲームが数多くリリースされた。
また安価なモデムがリリースされたことでパソコン通信の端末としても重宝され、コモドール64に特化したBBSも開局された。
純正ディスプレイはRGB接続ではなくコンポジット接続だったが輝度信号と色差信号が分離されていたのでS端子並みの映像が得られた。
現在は有志によるS端子ケーブルが作られている。
日本国内でもコモドール・ジャパンにより99,800円で発売されたが、国内ではNEC・シャープ・富士通の御三家以外は見向きもされていなかったことから、ご多分に漏れずこのマシンも見向きもされなかった。
別名・表記ゆれ
コモドール128
二種のOSに対応する二基のプロセッサを内蔵し、カートリッジに合わせて三つの動作モードに切り替える。この内『C64モード』は先行機であるコモドール64とほぼ100%の互換性を持っていた。