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6502

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ろくごまるに

モステクノロジー社が発表したMPU。競合品に比べ安価なため海外のパソコンでよく使われ、また国内ではこれの互換機がファミコンなどのゲーム機によく使われた。

概要

モステクノロジー社が発表したMPU。投稿されているイラストのタグとしては「何ぞこれ?」といった感じだが、ファミコンCPU(厳密には搭載されたのは6502ではなくその互換品)と言えば分かりやすいだろう。PCエンジンを初め、往年のパソコンゲーム機でよく使われた。

歴史

モステクノロジー社が1975年に発表したMPU。1977年にアップル社AppleⅡCPUとして搭載され、ファミコン(リコーRP2A03を搭載)やPCエンジン(ハドソンHuC6280を搭載)にも互換品が搭載された。また、スーパーファミコンのCPUには拡張版のリコー5A22が採用された(DSP制御用にソニー製の6502互換チップSPC700が搭載)。

6502はCISC(※1)型MPUではあるが、回路の単純化と高速化を両立させるために工夫された特異な設計からRISC(※2)型MPUの原型とも言われている。現在携帯機器・組み込み向けに主流となっているARMアーキテクチャのMPUはこのMPUの「シンプルで扱いやすい」というコンセプトを参考にして設計された(ARMはRISCプロセッサであり、命令セットに6502との互換性は全く無い)。

※1・・・Complex Instruction Set Computerの略。複雑な命令を多数搭載し、一命令で多様な処理が可能。メモリ消費の少なさとコーディングの自由度で有利とされた。

※2・・・Reduced Instruction Set Computerの略。命令を少なくして回路を単純にし、計算速度の向上を図るタイプのコンピューター。処理の高速性と消費電力で有利とされた。

CISCプロセッサについては高速化のため内部で命令を分解・単純化して処理を行うようになり、RISCプロセッサも拡張の過程で命令を増やし、現在ではCISC、RISC共に設計上の相違は少なくなっている(CISCは命令を分解する回路が必要になる分、消費電力ではRISCより不利になりがちであるが、決定的なマイナス要素とはなっていない)

6502オリジナルと主な採用互換機の違い

メーカー型番採用機違い
モステクノロジー6507Atari2600アドレスバスを削減し外部割込み等の機能を廃した廉価版
モステクノロジー6510コモドール646ビットのI/Oポートを内蔵。アドレスバスがスリーステートの動作となった。
リコーRP2A03ファミリーコンピュータBCD演算とメモリマップ機能を削除し、PSG音源とDMA機能追加。
ハドソン※3Hu6280PCエンジン高速化と命令の拡張と変更。PSG音源の内蔵。
ソニーSPC700スーパーファミコン内音源命令セット拡張。

※3・・・設計はハドソンが行い、チップそのものの製造はセイコーエプソンが行った。

用語

BCD・・・Binary-Corded-Decimalの略。2進化10進数といって4ビットを10進数の1桁として扱う機能。

DMA・・・Direct-Memory-Accessの略。レジスタを介さずにメモリ⇔メモリ間やメモリ⇔I/O間のアクセスを行う機能。

PSG・・・Programmable-Sound-Generatorの略。動作の概要は複数の基本波形を合成して音色を出し、エンベロープ・ゼネレータで音の立ち上がりや余韻などのパターンを変えて音を出す。

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