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ドグラニオ・ヤーブン

どぐらにおやーぶん

『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』に登場する敵組織「異世界犯罪者集団ギャングラー」のボス。
目次 [非表示]

「俺がギャングラーをまとめて500年。脅して、奪って、殺しまくって、楽しい人生だったが……少々飽きた」

「そこで…後継者を決めようと思う。条件は一つ。人間界を掌握した奴が次のボスだ。

 最も力のある奴にこのドグラニオ・ヤーブンが築いた全てを譲ってやる」


CV:宮本充/スーツアクター神尾直子


データ編集

身長/181cm(巨大金庫身長/45.3m)

体重/229kg(巨大金庫体重/573.0t)

犯罪歴/人間界襲撃、ルパンコレクション強盗殺人、金庫内拉致監禁

犯罪技/フィジカル・プロテクト・チェーン


概要編集

異世界犯罪者集団ギャングラーのボス。999歳。アルセーヌ・ルパンが集めた秘宝・ルパンコレクションを強奪し、構成員に分け与えている。

小柄な老人のギャングラーだがその落ち着いた口調からは貫禄が溢れており、500年もの長きにわたりギャングラーのトップとして君臨していた(なお、ギャングラーという組織は物語の1000年前、つまりドグラニオが生誕した頃には既に存在していることから、何らかの形で先代のボスからその座を引き継いでいる可能性が高い)。

配下のギャングラー怪人達を「我が友」と呼んでいる所からも彼等とは気安い関係を築いている様に見えるが、それでいてボディーガードであるデストラ・マッジョに無闇な接近を押さえ込ませる等、自身への警戒を怠らず用心深い。

ギャングラー共通の骨の意匠は顔にあり、ティラノサウルスの頭骨が仮面の様に付いた顔である。

女医のゴーシュ・ル・メドゥとは親密な関係の模様。


戦闘能力編集

組織のボスに相応しく、その戦闘力は圧倒的にして苛烈。

刀を隠した仕込み杖である『ギャングラディウス』で武装しており、戦闘ではレイピアの様に素早く斬りつけて攻撃する等、高齢だが戦いの腕は全く落ちていない。更にギャングラディウスからは強力な破壊光線を放つ事もでき(#51にて披露)、その威力は後述の弱体化状態であっても凄まじく強化形態に相当する高火力でなければ太刀打ちできないほど。


また、肩を叩くと高い破壊力を持つビームバズソーを放って攻撃する事が可能で、#14ではこれを用い、不甲斐ない醜態を晒したトゲーノ・エイブス、およびトゲーノと戦闘中だった陽川咲也明神つかさの二人を椅子に座ったまま攻撃しており、これにより咲也とつかさは変身を解除されて戦闘不能・病院送りとなる程の重傷を負わされてしまった(なお、パトレンジャーの防御力は多少の銃弾が直撃しても気にも留めず戦闘を続行可能なレベルで、歴代戦隊ヒーローの中でもかなり高い方に入る。更にこの時まで敗北による変身解除は殆どなかった)。


ルパンコレクションを収納する金庫を胸部に持ち、自身の犯罪技である身体から無数にぶら下がっているチェーン『フィジカル・プロテクト・チェーン』で厳重に巻かれている。

無限に空間が広がるその金庫内部には数え切れない程のルパンコレクションが収納されており、その中のコレクションの力を同時に使用できる力を持つ。しかも金庫の数で使用コレクションの数に上限がある構成員達と異なり、金庫の数に限りなく全てのコレクションの力を使用でき、様々なコレクションの力を組み合わせて戦闘する事が可能。

#49でルパンレンジャーと対峙した際にザミーゴ・デルマの挑発でルパンレンジャーの調子が出なかったとは言え、数々のコレクションを使った攻撃でルパンレンジャーを敗北に追い込んだ。


しかも、フィジカル・プロテクト・チェーンは極めて頑丈で、ドグラニオ自身でも絶対に切れないと豪語する程。それをムチの様に操って相手を攻撃したり、全身をフィジカル・プロテクト・チェーンで覆って防御する等、自らの犯罪技として戦闘でも活かしている。

この金庫を持つギャングラーは「ステイタス・ゴールド・フィジカル・プロテクト」と呼称されており、コレクションを全て集める為には絶対に避けては通れない最大の壁といっても良いだろう。

尚、フィジカル・プロテクト・チェーンは金庫を開閉させる際に自動的に巻き取られて一時的に消失する様だ。

アルセーヌより奪ったルパンコレクションの大半は自身の金庫へ納められており、構成員へ分け与えたコレクションはその一部に過ぎなかった。

因みに膨大なコレクションを保有している為か体内より凄まじいエネルギーが生じているらしく、これが前述の高い攻撃力の源となっている模様。裏返せばコレクションから得られるエネルギーで老いた身体能力を補強している為、コレクションを全て奪われれば一気に弱体化する弱点を抱えている。


性格編集

普段は落ち着いており、作戦の形がどうあろうと「方法は何でもいい。“結果”が全てだ」と冷静に言い切る一方、一度負けた場合でも「若き野心にもう一度チャンスを」とゴーシュに蘇生と巨大化を指示するなど熱意を買う事も少なくない。

配下たちの趣味嗜好が多分に混じった犯行にも基本的に「いいじゃないか」と寛容。

特に自身を賛美する芸術には好意的な姿勢を見せており、ナメーロ・バッチョが作った自身の彫像が破壊された時には思わず「あっ」と絶句してしまったり、自身を讃える映画を作ろうとしたピッチ・コックが一度倒された際には「映画の完成にもう一度チャンスを」と言いつつその予告チラシを興味深そうに眺め、映画の完成を本当に楽しみにしていた事を窺わせるなどしている。

また、カンクス・ブチルメルカプタンの可燃ガスの凄まじい悪臭に「見てるだけで臭えな」と素でドン引きするなど、人間臭い一面を見せる事もある。


#1で構成員であるギャングラー怪人達を招集した999歳の誕生パーティの席上でボスとして楽しくギャングラーを率いてきたが退屈し始めたので、その代わり人間界を制圧した者にボスの座を譲ると宣言し、後継者争いによるギャングラー全体の組織活動を活発化させた。後継者が増える事には歓迎しており、#6ではザミーゴが後継者争いに参加する事を期待していた。


半ば隠居を決め込んだ様なスタンスで、多少クセが強くても野心ややる気のある構成員の作戦行動は楽しみながら見守る一方、ギャングラーのボスという地位を軽く見て生半可な気持ちで後継者の座を狙おうとする者や、期待させておきながら失敗した者に対しては怒りを隠さず、時には仕置きすら与える。


上記の彫像の事件もあってか国際警察からも既に「ギャングラーのボス」「一連の事件の黒幕」として認知されており、#14でトゲーノ・エイブスに呼び付けられた際にはデストラとゴーシュを侍らせながら遂に朝加圭一郎以外のパトレンジャー2名の前に姿を現した。

「この俺をわざわざ呼び出したんだ。ヌルいモン…見せるなよ」とトゲーノに対し釘を刺したが、結局彼は不甲斐ない戦いを見せる事となり、期待外れとばかりに大きくため息をついている。

この直後、前述の通り椅子に座ったまま自身の能力でトゲーノら3名を攻撃しており、「俺の座ってる椅子はそんなに安くない」と冷たく言い放つ彼の威厳と、若輩者などいまだ足元にも及ばぬ程の圧倒的な力であることを、視聴者も含めたその場の全員にまざまざと見せつけた。


また、常に余裕に満ちた態度を取るが、決して自身の力や組織の軍事力に慢心しきっている訳ではなく、たとえ相手が嫌いな存在であってもその実力は相応に認めている。実際、#25にて幹部格でありお世辞にも仲が良いとは言えなかったライモン・ガオルファングが倒された際には、「しかし、ライモンまで敗れたとなると、俺も少し考えなきゃならんな…」として、快盗・警察に対し今までよりも明確な警戒心を抱いた。


ライモンが撃破された後も後継者候補のギャングラー怪人達の様子を傍観していたが、#39でコレクションを所有していないデストラを呼び出し、ザミーゴの情報を元にビクトリーストライカーの回収を任せてデストラのコレクションにする為のチャンスを与えるも、ルパンレンジャーにビクトリーストライカーを盗られてしまい、ドグラニオが直々に与えてくれたチャンスを逃した事に不甲斐なさから顔を見せなかったデストラを#41で呼び出すと、「俺はな…デストラ。お前がまた暴れるのを見たかったんだ」と呟き、「俺が手元に置いてなきゃ、今頃お前がライバルどもを蹴散らして、この椅子を奪い取ってたんじゃねぇかってな…」と自身の後継者として期待を寄せている事を吐露し、デストラの闘争心を焚きつけさせる。


そして、#42でゴーシュからデストラの訃報を聞いた際には、いつもよりも冷淡な口調でゴーシュに席を外させると、デストラの為に用意していた空のグラスにワインを注ぎ、「デストラ…。お前はいい右腕だったよ……」とデストラに向けて追悼の言葉を送る。誰にも涙を見せる事なく仲間の死を悼むと同時に、デストラを倒した両戦隊に向け、初めて明確な怒りを見せた。


総じて、実力・寛容性・厳格性・柔軟性・カリスマ性・人情、その全てを兼ね備えた、まさに一大組織の頂点に相応しい人物であり、彼の元でギャングラー達は悪の栄華を極めていた。


ギャングのボスから、一人の悪党へと編集

だが、デストラを失い、後継者として目をかけていたザミーゴから「今時、組織背負って生きるなんて面倒、馬鹿しか選びませんよ?」と毒づかれた事を契機として、彼に心変わりが生じてくる。

実は彼がギャングラーのトップをやっていたのは他の世界を制圧する事を『面白い』と感じていたからであり、構成員達の趣味全開な人間界制圧の様を容認していたのはその過程がユニークで面白かったからであった。

その為、後継者を求めたのはギャング家業から引退する為ではなく、自身が一介のギャングに戻って面白い事をすべく、足枷になっている組織の運営を任せられるだけの力を持つ者を探す為であった様子。

アルセーヌを殺害し、ルパンコレクションを奪ったのも全て「面白そうな物があった。だから手に入れた」というただそれだけの理由からであった。


他者の命を全く顧みないこうした残虐性も、一癖も二癖もあるならず者ばかりの組織であるギャングラーを500年も率いてくる事ができた一因であったのかもしれない。だが、恐ろしいことにこれだけの残虐性すらもギャングラーのボスとしての立場によって抑えられた物であり、部下達の前で見せていたあの威厳有る落ち着いた振る舞いは、あくまで隠居を決め込んだが故の表向きの顔


その本性は、コレクションを奪った際に造作もなくアルセーヌを殺害したことからもわかるように、欲しい物は他人を殺してでも奪い取る事を信条とした、己が欲望に最も忠実で強欲な残虐非道の極悪人

そして「人質を取って快盗の素顔を世間の晒し者にする」と言う恐喝行為すら嬉々として行う悪辣で陰湿な面まで持ち合わせている。


上記の通り、#1の引退宣言のスピーチで語っていた「少々飽きた」という言葉からもその一端が窺い知れるように、他者を殺害する事に何の躊躇いも無ければ罪の意識も微塵も無い。

これは組織外に対しては勿論組織内とて例外ではなく、心底大切にするのはデストラのように忠誠を誓った者くらいで大抵の者たちのことは信用しておらず、その圧倒的な実力ゆえまず倒されることはない彼が一番の忠臣であるデストラに部下たちの無闇な接近を防がせていたのは、それも一因であると思われる。


そんな自分の本性を貫禄溢れるボスとしての仮面で隠し、組織を任せられる後継者を募ったにも拘わらず、ルパンコレクションを分け与えられた構成員達は、コレクションを快盗に盗られるなり警察の手で撲滅されるなりする者ばかり。

数多の後継者候補だったギャングラー怪人達の相次ぐ敗北に伴い、当初のドグラニオの目的だった「ギャングラーの後継者争い」は、何時しか形骸化の一途を辿っていた。

更には犬猿の仲だった幹部格のライモンはおろか、自身が一番目を掛けていた腹心の部下であるデストラまでもが二の舞に遭って戦死してしまう。

そして残った幹部達はといえば、組織のトップに立つつもりは全く無いと自身の目の前で公言したザミーゴと、お目付け役のデストラがいなくなってもボスのお気に入りの立場に胡坐を掻き、後継者になるでもなく自分勝手に振る舞い続けるゴーシュのみという有様だった。


この状況を受けてギャングラーは自分の代で終わりだと悟ったのか、#47でとうとうドグラニオは他の構成員に対して見切りを付けたらしく、後継者を求めるのを棚上げし自身がギャングのボスから一人の悪党へ戻るのを決断。

その第一歩として高尾ノエルを捕らえたゴーシュを唆し、自身が同席するノエルの公開処刑を企画させる。しかしその際にノエル救出に現れたルパンレンジャーに対して「腹を割って話そう」と称して、


「腹を割るには、そのマスクは邪魔だな。ちゃんと顔を見せてくれよ。人間共も見たいと思うぞ? 快盗の正体を」


と言い、生中継の中で仮面を外した3人の素顔を世界はおろかパトレンジャーに見せつけるという結果となる(#48)。

そして、ノエルの公開処刑が失敗したのを理由としてゴーシュに渡していた全てのルパンコレクションを取り上げる事で彼女を実質切り捨てた。まさかの事態に愕然とし抗議するゴーシュに対し、


「今まで好き勝手にやってたんだ。俺にも好きにさせろ。俺は、面白い物が見たいんだ!! ハハハハッ!!」


と彼女を嘲笑いながら下卑さを感じる口調で返したドグラニオはギラついたギャングの空気を纏わせており、そこに隠居を気取って屋敷に居座っていた頃の面影は全く無かった。

それはギャングラーと言う組織その物が無くなった事でボスとしての重荷から解放されたドグラニオが、晴れて自由の身となった瞬間であった。

そしてこの様を町中の放送を通して観ていたザミーゴは、「やるじゃん、マイ・ボス♪」と遂にドグラニオが本気になったのを喜んでいた。


続く#49では、屋敷でワインを飲んでいたところザミーゴが彼の前に現れる。前回ドグラニオが組織のボスとしてでは無く一介の悪党として好きに行動すると決めた事に対して喜んでいたザミーゴだったが、自身の「おもちゃ」であるルパンレンジャー、特にルパンレッドを彼に倒されてしまう事を危惧し、直接話を付けにやって来たのだ。

だがドグラニオは彼に対し「組織にこだわるのは、馬鹿のすることなんだろ?」 と、グラスを置いて呟くとザミーゴの襟元を掴み、事実上の組織の解散宣言に等しい言葉を堂々と言い放つ。


「だったら、若い奴らの事なんか知ったこっちゃねぇ。1000歳越えようが、死ぬまで好きなように暴れてやるよ。この俺もな」


#46でザミーゴに「今時、組織背負って生きるなんて面倒、馬鹿しか選びませんよ?」と言われた事をきっかけに組織その物を捨て、好きに行動する事にしたドグラニオにとっては既に部下の事などどうでも良くなっていたのである。結局隠居を気取った威厳あるボスの顔を捨てた彼の本性は、ザミーゴやこれまでに出て来たギャングラー怪人達と何ら変わらない、否、それ以上に身勝手なエゴイストだった。

しかし、それでもザミーゴはボスであってもルパンレッドは譲れないと頑なに曲げず、結局ドグラニオは、ルパンレッドの事はザミーゴの好きにさせると承諾した。


そして、自ら人間界に赴いたドグラニオは「肩慣らし」と称し、ゴーシュから没収した「大きくなれ~Gros calibre~」で自らに巨大金庫を施し巨大化。街で大規模な破壊活動を繰り広げる。

すると自身の持つ残りのコレクションを回収しに来た変則ビクトリールパンカイザーとの交戦となるも、そんな乱入を物ともせずに変則ビクトリールパンカイザーの攻撃をコレクションの力で発生させたバリアで防ぎ、自身でも絶対に破壊できないチェーンを破壊しなければコレクションを回収する事もままならない現実をルパンレンジャーに見せつけると、周囲の瓦礫を槍状の鋭い岩に変え、炎を纏わせ打ち出す、強力なエネルギー光線を放つ等様々なコレクションの力を組み合わせた攻撃を次々と繰り出し、精神的に揺さぶりをかけるザミーゴに気を取られて冷静さを失ったルパンレンジャーを圧倒。

遅れて救援に駆け付けたエックスエンペラーガンナーをもギャングラディウスで素早く斬りつけ攻撃し、変形したエックスエンペラースラッシュの放つ『エックスエンペラースラッシュストライク』を防いで、それを利用した光の乱反射攻撃で追い込み、とどめと言わんばかり5つのコレクションの力を組み合わせて発生させたブラックホールにも似た巨大な黒いエネルギー体を発生させ、そのエネルギー体を爆発させて周囲の街をも巻き込みルパンレンジャーを吹き飛ばした。

コレクションで身体を覆うバリアを貼り自身の攻撃を凌いだドグラニオは「今日はこんなところか…」と呟くと一瞬で焦土と化した街に背を向け、悠々自適に異世界へと退散していった。


「組織の首領」という重荷から解放されるや否や、積極的に人間界に足を運んで非常に生き生きと暴れるドグラニオ。その様子から先述した本性に加え、元々の性格も非常に暴力的だった模様。

歴代のスーパー戦隊の敵首領の中でも、組織が解散・消滅した事で逆にスッキリしたかの様に生き生きと破壊や殺戮を嗜む首領はドグラニオ以外に前例は無い


それから程無く、隊長格の赤い個体に統率される巨大ポーダマンの軍勢を人間界へ送り込むも、巨大戦力を駆使するパトレンジャーには敵わず全滅(#50)。その為、今度は膨大な数のポーダマンを引き連れて等身大で出現。コレクションの力で複数の青い電気のエネルギー弾を発射して街を破壊していると、ルパンレンジャー四人とザミーゴが最終決戦を繰り広げる裏で侵攻を食い止めようとするパトレンジャー三人が現れる。


「フッ、懲りずにまた来たな」


咲也「当然だろ!」

つかさ「ギャングラーの殲滅が、我々の使命だ!」

圭一郎「相手が誰だろうと、怯むなどあり得ん!!」


ドグラニオは大勢のポーダマンを変身したパトレンジャーに仕向けるもポーダマン達は全滅。

しかしポーダマンはともかく、コレクションの力があるドグラニオは負ける要素が無く、パトレンU号すらも圧倒して融合を解除して変身解除へ追い込み、生身の圭一郎たちを庇ったルパンエックスに光線を浴びせて変身を解除してしまった。

しかし吹き飛んだパトレンジャーを追い掛けた先には、自身のコレクションをルパンレンジャーに盗られて五分の状況に持ち込まれたザミーゴがおり、そこでザミーゴはボスの金庫の中へ入る事を請願する。

それはボスの気持ち一つでしか出られなくなる=今までの自分勝手さを捨てる事であり、自分の命はおろかギャングラーが何より重視する自由すらも捨ててルパンレンジャーと遊ぶ(戦う)覚悟を決めた物だった。これを気に入ったドグラニオは金庫の扉を開いてザミーゴを中へ迎え入れ、それを追うノエルを除くルパンレンジャー三人が飛び込んだ所で金庫の扉を閉めた。

用が済んだドグラニオはまた破壊活動を再開すべく、背を向けてその場を去ろうとするも再変身したパトレンジャーと再度交戦する。


そして金庫内に広がるルパンコレクションの浮かぶ草原で快盗とザミーゴは最後の激突を繰り広げた末、快盗の奇策に嵌る形でザミーゴが戦死。

ザミーゴの手に掛かった行方不明者が帰還したとの情報を耳にし、ザミーゴが死亡した事を察したドグラニオは、


「ザミーゴの奴、負けたのか? まぁ、良い。勝った快盗もここから出られないのだからな」


その最期を軽く流した後、金庫の中に残っているルパンレンジャーも金庫から出る事は出来ないと、残ったパトレンジャー達に言い放つ。


一人の悪党に戻ろうとした男は、その罪により死すら赦されない(#51)編集


「さぁ警察ども。この窮地、どうやって乗り切る?」


1号「簡単だ! お前を止める!!」


最悪な状況で圧倒的不利にもかかわらず、自身を止めるべく怯まず向かって来るパトレンジャーをやはりコレクションの力で圧倒。手から発生させた衝撃波で2号と3号を弾き飛ばし、左腕を巨大な鉤爪へ変化させて放った斬撃を3人に浴びせ、追撃とばかりに以前ルパンレンジャーとの戦いで披露した炎の槍を飛ばして変身解除させる。

間髪入れずノエル=ルパンエックスが金庫のフィジカル・プロテクト・チェーンを切るべくXロッドソードで斬りかかってくるもチェーンは切れず、そこへギャングラディウスを抜刀しての反撃を加え、コレクションの力で落雷を落として変身解除、4人を窮地に追い込む。


一通りパトレンジャーを蹴散らした後は、自身ですら「いつの間にかやりすぎていたか…」とこぼすほど破壊活動に没頭、今度は違う場所に移動して暴れ回ろうとするも、パトレンジャーはそれを良しとせずドグラニオを倒そうと向かって来る。


「なかなかしぶとい警察だ…」


圭一郎「貴様の様な残虐非道な化け物から世界を守るのが、我々の仕事だ!!」

咲也「お前達が来たせいで、苦しまなくて良い人達がたくさん苦しんだんだ!!」

つかさ「彼らの為にも…我々がここで倒れるわけにはいかない!!」


ボロボロになりながらもまだ諦めない警察達の姿を見て、ドグラニオは興醒め。


「フッ。精神力でどうにかなる程、このドグラニオ・ヤーブンは甘くはないぞ?」


コレクションの力で警察を影で拘束、そこに瓦礫から作った炎の槍を生身のパトレンジャー達に撃ち込んで止めを刺そうとするが、


「どういう事だ…? どんどん力が抜けていく…」


ところが槍は警察を貫く直前に崩れ去り、影も消えてしまった。すぐさま別のコレクションで水球を作り出そうとするドグラニオだったが、これもすぐに消えてしまい、次々とコレクションの力が失われてゆく。

実は#44コグレより台帳を託されていたルパンレンジャーは、ドグラニオの金庫内に浮かんでいた大量のルパンコレクションを片っ端から集めて台帳に収め、自分達のVSチェンジャーVSビークルと一緒にルパン家の宝物庫へ転送していた。


これにより、ドグラニオはコレクションの力を次々と失っていった上、コレクションからのエネルギーを得られなくなった結果、身体能力が本来の老人レベルに落ちてしまう。

コレクションの力に頼っていることは自覚していても、肉体の衰えは想像以上だったらしく、その狼狽えぶりはかなりのものであった。

この隙に自由の身となったパトレンジャー四人は渾身の警察チェンジをし、反撃を開始する。


「コレクションなど無くとも、俺はいくつもの世界を奪ってきた! 人間なんぞにやられるものか!!」


それでも往生際悪くフィジカル・プロテクト・チェーンでパトレンジャーを捕まえようとするが、逆にチェーンを掴んだパトレン1号に振り回されて扉に叩き付けられる。

今度は全身からバズソーを放つも、1号の手でパトレンエックスがチェンジしたスーパーパトレンエックスの未来予測で全て回避された後にXチェンジャーで反撃された挙句、マジックアローを装備したパトレン2号とシザーシールド&ブレードブーメランを装備したパトレン3号に追撃される。


そして現れたグッドストライカーがルパン家の宝物庫から持って来たサイレンストライカーの力を受けた1号が、スーパーパトレン1号に警察チェンジしてしまう。

これが放つスーパースペリオルストライクを、ドグラニオはギャングラディウスからの破壊光線で迎え撃つ。

コレクションを奪われ、年老いて衰えてもなおその力は侮れず、光線の押し合いの末に上回るが、押された1号を2・3号が支えてサイレンアーマー両肩のトリガーを引いた事でスーパースペリオルストライクが強化され、逆に押し負かされて光線が直撃する。


それでもドグラニオは直撃する直前に自身のフィジカル・プロテクト・チェーンを身体中に覆う事でその一撃を防いだものの、とうとう力尽きて地に膝を付いてしまい、立つこともままならなくなってしまう。

スーパーパトレン1号の必殺技を受けても切れないフィジカル・プロテクト・チェーンの前にパトレンジャーは呆然、しかもドグラニオの金庫の中には魁利達が残ったままで、パトレンジャー達はドグラニオへ止めを刺す事が出来なかった。

金庫内の魁利達を助ける為に金庫を開ける様に迫るがドグラニオにはそれを断固として拒否し、更にヒルトップ管理官からドグラニオを撃破する様にと苦渋の決断を下され苦悩するパトレンジャーに、「さぁ、どうする! 正義のお巡りさんよ!」とドグラニオは万策尽きてなお挑発する悪党の意地を見せる。

1号=圭一郎は今までの想い出に苦悩しつつ、「多くの人を助ける」という警察の使命を選びドグラニオに銃を突きつけ……。



そして一年後。ギャングラーの残党と戦うパトレンジャーを他所に、ドグラニオは国際警察の地下深くの特別拘禁室に厳重監禁され、自身のフィジカル・プロテクト・チェーンで身体を縛られていた(※さりげなく1000歳の誕生日を獄中で迎えている)。


「多くの人を助ける」警察官のパトレンジャーが、いつか金庫の中のルパンレンジャーを助けられる日が来ると信じて選んだ選択肢は、ドグラニオの処刑ではなく、逮捕して死ぬまで勾留する事だったのだ。


戦死することでそれなりに華々しい散り様を与えられた部下達と違い、敗者として一切の自由を奪われ生かさず殺さずの余生を送ることは、ド派手で好き勝手な人生を好みその命よりも自由を尊ぶギャングラーにとって最大級の屈辱と言えよう

加えてドグラニオは自ら組織を解散してしまっており、組織の再建とボスの座を求める残党のギャングラー怪人は残っていても、地位も力も失ったボスをリスクを冒してまで助けようとするような者はおらず(※崩壊前の組織ですら、確実な忠誠心を持つ部下はデストラくらいしかいなかった)、脱獄はほぼ不可能だった。


「出せ…さもなくば殺せ…!! この老いさらばえた体で、無力に生き延びるくらいなら…死んだ方がマシだ!!」


しかも、三人の「新た快盗」達とジャックポットストライカーのおかげで閉じ込めたルパンレンジャーも脱出してしまい、パトレンジャーとの因縁も消失(ちなみにこの時の6人は完全にドグラニオを無視している)。

もはやいつ殺されてもおかしくない状況だが、その時も一向にやってくる気配はない。

無限の空間を宿しながらも空っぽな金庫しか持たず、自ら死を選ぶ尊厳すら奪われた無力な老囚人と化した彼は、敵も味方も誰もいない暗闇で生き地獄を味わう自分を嘆くしかなかった。


かくして、巨大犯罪組織を率い無法の限りを尽くしたギャングの首魁は、一人生かされたまま拘束され、すべてを失い老いさらばえる自らを嘆きながら獄中で死を待つばかりになるという、大物犯罪者としては因果応報極まりない末路を迎える。


信頼していたデストラを失って多少なりとも自棄が入っていたのかもしれないが、コレクションの力に頼りすぎて自分の老いに気づかず、ザミーゴの個人的な要求を聞き入れて自分の金庫に快盗を取り込んでしまった事が破滅を招いた最大の要因なのは疑いようがなく、仲間の面子を立てるボスの顔を最後の最後に見せてしまったことが裏目に出たと言えるかもしれない。挙句当のザミーゴは身勝手の限りを尽くしギャングラーの本懐を遂げて死んでいったのだからなんとも皮肉な話である。


仮にデストラのように身勝手さを捨ててギャングラーという組織に尽くし続けられれば、

あるいはライモンやザミーゴのように顰蹙を買っても身勝手な一悪党として振る舞い続けられれば、

たとえ無念の敗北を喫しても彼らのように華々しく最期を遂げられたかもしれない。

そのどちらにもなりきれなかった結果、これ以上ない苦痛に満ちた末路を辿る羽目になった今のドグラニオの胸中は、もはや誰にも窺い知ることはできない。



ファイナルライブツアー(※ネタバレ要注意)編集

残党として生き残っていたカーゼミーが自身のコレクション「あの日をもう一度~Hier une fois de plus~」の時間を巻き戻す能力と金庫の破片を用いて幹部達を復活、彼らの手で拘束を解かれ脱獄を果たす。

しかし金庫の中身が空だった事から、脱獄を止めようと駆け付けた両戦隊を攻撃して落とさせたマジックダイヤルファイターとビクトリー・サイレンストライカーを奪取。この内マジックは自身の金庫に収め、ビクトリーはデストラ、サイレンはゴーシュに譲渡している。

だが膨大な数のルパンコレクションを失い、その力に頼った多彩な能力や攻撃手段を使えなくなっていたのは大きく、相手の両戦隊もすぐに共同戦線を張った事から戦力の差は五分五分に縮まっていた。


しばらく後、配下を引き連れてギャングラー復活の狼煙代わりの破壊活動を行うが、程無くして立ちはだかって来た両戦隊が配下を蹴散らし、直接対決に突入。しかし以前同様フィジカル・プロテクト・チェーンで両戦隊の集中砲火を防ぎ切り、金庫に入れたマジックダイヤルファイターの存在で相手を牽制しつつ圧倒する。

ところが、両戦隊に向けられた人々の声援にマジックが反応、それが起こしたミラクルによってフィジカル・プロテクト・チェーンが消失。これへ動揺した隙に無防備になった金庫へルパンレッドがダイヤルファイター2機を当て解錠、マジックを取り返された。


そして直後、スーパールパンレッドとスーパーパトレン1号を加えた両戦隊7人の一斉砲撃を浴び、自身を庇おうと駆け付けたデストラ、ゴーシュ諸共爆散、遂に戦死した。


ファイナルライブツアーについて編集

『組織の後継者レース』と言う壮大な余興にルパンコレクションを散財し、組織の構成員までも磨り減らしてしまったドグラニオの脱獄は悪足掻きの域を出ず、相容れなくともお互いを認めて高め合い困難を乗り越えて行った快盗と警察に勝てる道理は無くファイナルライブツアーにてついにドグラニオ・ヤーブンは戦死した。


が、このファイナルライブツアーの結末が本編後の正史に相当するかは意見が分かれる。


余談編集

モチーフは刃物ナイフティラノサウルス。名前の由来は「大親分」のアナグラム。

(大(grand)おやぶん→dgranお・やーぶん→ドグラニオ・ヤーブン)

上記の通りにギャングラー共通の骨の意匠はティラノサウルスの頭骸骨になっているが、正面を向くと人間の頭蓋骨になると言う工夫が凝らされている。

ギャングのボス然としたデザインということで、全身の鎖や袖の刃の意匠を使って毛皮のコートを羽織ったような見た目でデザインされた。また、デザイン画の時点では帽子は斜め被りになっていたが、実際の造形では真っ直ぐに変更された。


金庫の番号は本編では不明だったが、ファイナルライブツアーにて「781116」であることが判明した。(恐らく「ナンバー1、ヒール(悪役)」の語呂合わせだと思われる。)デストラやゴーシュの金庫ナンバーは「演じる声優の名前+誕生日」だったが、ドグラニオはこの法則からは外れていることになる。


特撮においてティラノサウルスは戦隊、ライダー問わずヒーロー、怪人のモチーフに使われて来たが、採用率が高いのはやはり戦隊系で、特に恐竜系戦隊におけるレッドのモチーフ及び巨大戦力には必ず採用されている(奇しくもドグラニオの色も赤い)。

さらに次回作主人公もティラノサウルスがモチーフで、ドグラニオと正反対のポジションである。


声を演じる宮本充氏は特撮初参加となる。

宮本氏が所属する劇団昴のTwitterアカウントでは、最終回放送に合わせて牢獄に入れられた宮本氏の画像が投稿された。

ちなみに宮本氏が初めてアニメに出演したのは『幽遊白書』で、奇しくも戦隊シリーズのパロディキャラである五連邪チームのリーダー・阿架連邪を演じていた。


メインライターを務める香村純子氏は、ドグラニオのキャラクター像を「底の見えないお爺ちゃん」と称している。


スーツアクターの神尾直子氏は、前作でコグマスカイブルーを演じていた女性アクター。小柄なのがかえって年老いた貫禄が現れていると評判。


巨大な鉤爪に変化した状態の左腕は「海賊戦隊ゴーカイジャー」に登場した行動隊長・バウザーのヘビークローをリペイントしたもの。


「自分の意思で死ぬこともできない」末路という点では「忍者戦隊カクレンジャー」の妖怪大魔王や「獣拳戦隊ゲキレンジャー」のロンと似通っているが、監禁状態から脱しさえすれば元の強さを取り戻せる不死身の妖怪大魔王やロンとは違い、老いによって衰えた彼は脱出しても「ルパンレンジャーやパトレンジャーに追われ続け、あるいは新たなボスの座を狙う残党怪人に狙われるかもしれない」という、さらに惨めな最期が待っている可能性も否定できない状態にあった(実際は「ファイナルライブツアー」にて戦死、という末路だったが)。


ギャングのボスで、警察系戦隊メンバーの仇敵と言う立場は未来戦隊タイムレンジャードン・ドルネロと同じだが、ドルネロは牢獄入り寸前で逃亡するが気にかけていた側近の暴走で致命傷を負い、投獄された部下の安全を戦隊に頼み、逮捕されないまま愛人への想いを胸に絶命するという割と対照的な末路を迎えている。

ギャング組織のトップとしての姿勢も、自分の身勝手より組織維持を優先する(※戦隊とかち合っても逃げる事を選び、状況によっては戦隊に手を貸す場合もあった)と正反対だった。


ちなみにドルネロのデザインモチーフはクジラだが、企画当初ではドグラニオと同じくティラノサウルスがモチーフだった。一方でティラノサウルスのモチーフは追加戦士戦隊ロボに使われた。


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快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー 異世界犯罪者集団ギャングラー

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ドン・アルマゲドグラニオ・ヤーブン/ザミーゴ・デルマエラス

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